きっと全部全部欲しがって
無くすもの だけ数えて
でもだって全部大切で
選べやしないから
今日は辛くて
どうでもよくなっただけ
本当はもう何も無くしたくないんだ
俺は既に1度死んでしまっている。
それが突然現れた自称死神から伝えられた言葉だった。そんなモノ勿論信用なんてできない。
何一つ根拠がないじゃないか。俺の心臓は今も踊るように脈を打っているし、体だって動いてる。
まぁ……死んだように生きている。という意味なのであれば、否定はできないかもしれないけれど。
「でも、突然こんなことを言われて納得できないのはわかります。死んでしまったのに、今こうして生きている。この理由を説明するにも時間がかかってしまいそうですしね」
しかし、目の前の死神はその言葉一つ一つに真剣で、真偽の判断を鈍らせられる。
まぁ、根拠がないと言う部分は変わらないが……
結局は雰囲気を勝手に感じ取っているだけだ。後先考えずに感じたままに行動する。それは身を滅ぼす人間のすることだ。
有名なサムライだって言ってたじゃないか。一時のテンションに身を任せる奴は身を滅ぼすって。
「そうだな、ハッキリ言うと全く信用できない」
「仕方の無いことだと思います。ナツメさんと同じで貴方も死んでしまった時の記憶はありませんから」
ナツメさん……?
どうやら俺と似たような状況になった人が1人はいる様だ。前例者なのかどうかはわからないけれど。
というか勝手に名前を出して良いのだろうか。
「詳しい事を説明したいのは山々なのですが、少し時間を頂きたいんです。場所も場所ですしね」
「と言われてもな……」
ずっと曖昧な返事を返していると、彼女は思い切るようにして俺の名を呼んだ。
「竹内さん、ですよね」
突然、俺の苗字を呼び当てる死神。勿論名乗ったりなんかしていないから、この女の人が名前を知っている訳がない。
事前に調べていない限り。
「貴方は今日、女性お友達の方と歩いてどこかに行かれます。遊びのご予定はありますか?」
「……ある」
「その時です、繁華街にある駅前の交差点で交通事故が発生してしまいます。本来、死んでしまうのはお友達の方でした」
……
お友達の方。あいつしかいない。
「しかし、事故を素早く察知した竹内さんはその方を押し退ける形で割り込み、彼女を救出、その代わり貴方を含む数人がその事故に巻き込まれ死亡してしまいます」
「……」
妙にリアルな話だ。
そもそも始まりからして、俺と梁芦の予定と同じだ。向かう方向すらも。
「そして、その事件のせいで……いえ、その事件がきっかけで竹内さんの魂がとても危険な状態になってしまいました。このまま放置してしまえば……今度こそ本当に死んでしまう程に」
魂が危険? 本当に死んでしまう?
気になる言葉ばかりだ。最初こそ適当にあしらうつもりだったが、流石にこんなことを言われたら無視するに出来ない。
予定を言い当てられているのも事実だし。
嫌な気もするけど。
「ご予定が終わってからで大丈夫ですので、この場所へ来て下さいませんか? 続きはそこでお話しましょう。もう、少しくらいは信用していただけたでしょうか?」
そうして死神が手渡してきたのは1枚の紙切れ。そこには何度か通って見覚えのある道と建物が書かれており、その一角に赤く印がされている。
「……時間が出来てからってことならまぁ、行くだけ行くよ」
「すみません助かります。この後、私は少し仕事があるのでこの場でお話することが難しかったんですよ」
受け取った紙をヒラヒラと眺めながら、ぺこりと軽く頭を下げた女の子を見る。
本当に、見た目はただの人間の女の子だ。俺は死神って言ったらリンゴが好きそうなアレとか、苺っぽい名前のアレとかを思い浮かべていたけど……
ただの可愛い女の子だ。
いや本当可愛い。
……俺は誰とも関わりたくないキャラじゃなかったのかよ。可愛い女の子が相手ってだけで行ってもいいかな、なんて思っちゃってるよ。
どうせ仲良くなんてなる気はない癖に。陰キャ丸出しじゃねぇか。
「では、また後で会いましょう」
「随分急いでるんだな」
「ええ、死神さんは大変なんです」
ニッと怪しさを含む笑みを浮かべると、その子は空を飛ぶ訳でもなく、瞬間移動のように消える訳でもなく、少し早歩きで遠ざかって行った。
死神って言う割には動きが人間っぽいんだよな。
「……ガッコー行くか」
分からないことを考えても分からない。それならいっその事、次の機会に全て聞いてしまった方が早い話だ。
もしも本当に全てが合っているとしたら。
近い将来、俺は死ぬんだから。
「でも、生きて何をするんだろう」
ふと思ってしまったことをそのまま口にしてしまう。
今の俺は何をしている? その問に何も答えられない。漠然と目的もなく生きていて、後悔だらけの人生で。その全てに関心がない。
壊れてしまった心を癒すのには十分な月日が経った。だが、それは癒えた訳ではなく、見ないフリをしているだけなんだってこともわかってる。
それでも変わろうとは思えない。
それにあの人の話では、俺は人を助けようとして死んだらしいじゃないか。そっちの方が、よっぽど人間らしい。
生きたいという気持ち。
いつの間にか俺は、誰しもが持っているこの当たり前の感情すらも失ってしまったのかもしれない。
確かに、傷つきたくないから一人でいるのと、傷つきたくないから死ぬのは大きな差はない。
なんて思っていた。
早速作品被り……
でもアレはとっておきなのでここぞと言う時まで取っておきます。
ヒロインって誰が好きですか?(ただ気になっただけです)
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死神さん
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撃墜王さん
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カロリー0さん
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日焼け跡がエロくて可愛いドエロ谷さん
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即落ち2コマお姉ちゃん