もう一度、生きたいと思えるように。   作:紅葉555

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折れた淡い翼 君は少し青すぎる空に疲れただけさ
もう誰かのためじゃなくて 自分のために笑っていいよ


ALONES

 

「そうですねぇ……まずは何からお話するべきか……」

 

 死神を名乗る女の子、明月栞那は顎に手を当てて話の順序を考えている。それはこれから話す内容の複雑さを理解するには十分な仕草で、それだけで端的に説明できない特殊な言葉が多い事を証明していた。

 

 その横でただ明月の言葉を待つ猫……ことケット・シーであるミカドと名乗る生物。

 

 よく分からないが猫の妖精の元ネタらしい。

 

 要は猫だと思うのだが、その辺の猫と同じ扱いにされるのが気に入らないようだ。

 

 そしてもう一人の黒髪の女の子。彼女は四季ナツメというらしい。特に出会った記憶はないが、過去に数度だけ話したことがあるようだった。

 

「というか、ワタシはここに居ていいの?」

 

 当然と言えば当然な疑問が四季の口から放たれた。

 

「はい、ナツメさんにも聞いておいて欲しいお話ですから」

 

「……」

 

 四季にも関係がある話……か。俺が死んだ事がどう関係するのか知らないけど、なんにせよ何かしらの理由があってこの二人と知り合っているのは間違いなさそうだ。

 

 そして多分、後ろで気絶してるあの男も。

 

 一体何人いるんだよ、こんな人間が。

 

「とりあえず、俺の魂が危ないとか言ってたよな? それはどういう意味なんだ?」

 

 まず1番に気になっていた事を聞いてみる。順序がある程度あるとはいえ、何から始めるかを悩んでいた様子だし、初めの言葉を俺から切り出してみよう。

 

「そうですね。その件についてお話しましょうか」

 

 きっと“それ”を伝える為の順番に困っていたのだろうが、どうやら向こうも決心したらしい。

 

「まず、竹内さん。貴方に“夢”はありますか?」

 

「夢……?」

 

 明月の口から飛び出た質問は、俺の予想から遠く離れた在り来りなモノだった。それが俺の命にどう結びつくのかは分からないが、きっと必要な質問なのだろう。

 

「夢と言っても、別に大きな事ではなくても構いません。もっと簡単に言うと目標みたいなものです」

 

「例えば、連休に友達と遊びたい。趣味の物を買いたい。彼女が欲しい。勿論、宇宙飛行士になりたい。みたいな大きな事でも」

 

「そんな目標がありますか?」

 

 在り来りだ。

 

 きっと人間なら誰しもが常日頃から考えているような内容の確認だった。毎日仕事に明け暮れている社会人が休みを願うように。夏休みの学生が遊ぼうと友達に声をかけるように。

 

 人生という長いレールの中で、その道のりを鮮やかにするために必要な目標の確認。

 

 その質問に俺は言葉を返すことが出来なかった。

 

 そりゃあちょっとしたことなら俺にだってある。今晩のおかずは卵にしようとか、今日の服はこれにしようとか。

 

 でも明月の言いたいことはそんな事じゃないのはすぐに理解できた。

 

 生きていく上での指標のようなものがあるかを聞いているんだ。

 

「別に、無いかな」

 

「……そうですか。率直に言います。死の原因はソレです」

 

 そう言って、明月は俺の方に……いや、俺の胸に向かって人差し指をピンと伸ばす。

 

 それはつまり俺の心、そしてその奥にある魂。

 

「人は必ず一つの魂を宿しています。その魂は死と輪廻を繰り返すことで何度も生まれ変わりを果たし、現世に再び舞い戻る」

 

「魂とは心であり核でもあります。貴方の経験した全てを蓄え、貴方を形成する源」

 

 ……

 

「しかし、この魂にも生まれ変わるには相応の力が必要となります。そしてその逆も然り。力が足りずに消失してしまったり、現世に零れ落ちたり……転生を願っても叶わぬ魂も今まで確実に存在しました」

 

「そしてそれらの魂が現世に落ちると、“蝶”として確認できます。それは魂の残滓ですね」

 

 ……要は本来一つとしてあるべき魂から欠けた部分ということか。

 

 コップいっぱいに入った水が零れ落ちたもの……みたいな感じかな。

 

「竹内さんにとって問題なのが、この魂の残滓です。人が持つ魂の力とは、希望であったり何かに対する執着……一言で言えば強い気持ちです」

 

「さっきの質問を覚えていますか? 竹内さんは夢や目標、それらの質問に無いと答えました」

 

「強い気持ちを失った貴方の魂は、時間と共に徐々に衰弱。そしてその状態のまま例の事故で死亡してしまった」

 

「竹内さん、貴方の魂はその時に欠け落ちてしまいました」

 

 例の事故、記憶はないが朝方に言われた交差点での事故だろう。さっきの俺は事故に巻き込まれなかったが、きっと事故に巻き込まれた世界があったんだ。

 

 何故書き換わったのかは分からない。が、そんな事はどうでもいい。問題なのはそれが原因で魂の欠如をしてしまったこと。

 

 そこから先の事は何となく予想できる。

 

 魂が欠けてしまったら? 人を形成する核を無くしてしまったら? そんなものの答えは一つだ。

 

 死。

 

「欠け落ちた残滓は蝶へと姿を変え、肉体の殻を破ってしまった蝶は消失してしまう。これを抑えるのが私たち死神の仕事でもあります」

 

「竹内さん、もう一度聞きます。貴方に夢はありますか?」

ヒロインって誰が好きですか?(ただ気になっただけです)

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  • 日焼け跡がエロくて可愛いドエロ谷さん
  • 即落ち2コマお姉ちゃん
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