馬券?ええ、ガミガミのガミですよ?……軸はあってたんだけどなぁ
初の重賞タイトルを手にした私は例の如く少し休息を挟んでから調教を再開した。今回はリラックス期間が短いな?と思っていたらまたすぐレースを走る予定が組まれていたようでそれに向けてのトレーニングということであった。
次のレースは、阪神競馬場の芝の1600メートル戦、2歳女王を決める年末のG1レース、阪神ジュベナイルフィリーズを予定しているそうである。
重賞を制覇してから菅井さんがより一層私の育成に気合が入っていた。そのせいなのか騎手時代の体型を維持したまま私の背中に跨って調教に参加するようになっていた。……やっぱり未来変えちゃったかも。まぁ……今更か。
今日はオルフェーヴルとの模擬レースである。オルフェーヴルはオルフェーヴルで芙蓉ステークスを三馬身差で快勝したので当面の目標としていた朝日杯フューチュリティステークスを本格的に目指すということで同じ競馬場、同じ距離を走る馬どうしでの並走をしようと菅井さんが持ちかけオルフェーヴルの調教師である池永さんが承諾して実現したのである。
【オルフェーヴル、今日は私が勝たせてもらうからね】
【ふん、ほざいてろ。今日は僕が勝つから】
おっ、ちょっと芙蓉ステークスを勝ってから暴君気質が出てきたんじゃない?ちょっと史実チャートから外れたかと思ったけどこれなら大丈夫そうだ。生添さんは……まぁ振り落とされたそうだけど頑張ってもらおう。
(今日こそは勝ってフラッグ姉さんに認めてもらうんだ!)
ご丁寧に簡易ゲートまで用意されて簡易的なゴールポストまである。どれだけ本気でやるのだろう。
そして私の背中にはもちろんノリさん……ではなくて菅井さんが跨った。まだノリさんの怪我が治っていないようで調教に参加できないらしい。それ対するオルフェーヴルは生添さんが跨っていた。
オルフェーヴルと共にゲートに入る。どうにも狭いところが苦手なようなオルフェーヴル、私はそういったことはないのですんなりとゲートに入る。
スターターに見立てた調教助手がゲートのスイッチを操作したのを確認してからスタートダッシュを決める。オルフェーヴルはスタートは折り合いがつかづに一歩遅れてスタートをした。
勢いよくスタートを決めた私はオルフェーヴルとの差を広げてコーナーへと差し掛かる。もう少し差を広げようかと思ったがオルフェーヴルの追い込みを考えたらスタミナを温存しつつスパートをかけられるような差にとどめておくのがいいだろう。
残り800メートルほどを残してオルフェーヴルとの差は6~8馬身ほど、道中息を入れることができたので最終コーナー以降のスパートはかけることができる。
「よし、いけフラグシップ!」
【はいよ!菅井さん!】
菅井さんからの檄が飛び鞭が尻に入る。そんなに痛くはないがスパートの合図としては最適である。姿勢を低くして脚の回転をさらに増やす。
後ろからオルフェーヴルの声が聞こえてくるが振り向く余裕はないのでそのまま仮ゴール版を駆け抜けた。
クールダウンをしつつ戻ってくると今波さんが手綱をつけてくれる。
「お疲れフラグシップ」
背中から降りた菅井さんが首筋をポンポンと叩く。……ということは中々良い感じで模擬レースをできたのではないだろうか。
「お疲れ様です菅井さん。いやー完敗でしたよまさか、2馬身も差をつけられちゃうとはね」
オルフェーヴルに乗っていた生添さんが苦笑いを浮かべながらやってくる。オルフェーヴルも一緒だ。
【……また負けた】
【いや、オルフェーヴルも強くなってるよ。前よりも差が縮まってるじゃないスタートをもっと上手くできればもっと早くなるよ】
【狭いところは苦手だ】
【でも慣れないと私に勝てないよ?】
【うぅん……】
悩んだような仕草をしているがそこはオルフェーヴル自身の問題なので私がどうこう指図はできない。その難題を乗り越えることができたらひとまわり成長できるのであろう。
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「菅井さん今日はオルフェーヴルとの模擬レースをしていただきありがとうございました」
「いえいえこちらこそフラグシップにとっていい鍛錬になったようでしたよ」
「ちょっと相談なのですが……併走する時にうちのオルフェーヴルをフラグシップと一緒に調教で併せてもらえませんかね?フラグシップがいるとオルフェーヴルが暴れずに大人しく調教をしてくれるんですよ」
「別に構いませんが……池永さんはそれでいいのですか?」
「オルフェーヴルには期待しているんですよ。三冠を取れるんじゃないかって、その能力を伸ばせるのなら何だって使いますよ」
オルフェーヴル強化回でした。次はウマ娘編かな……?
気長にお待ちください