アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第93話

ボンタン島に到着した俺たちは、早速ナツカンジムへと向かった。

南国風の開放的な建物。入り口にはサーフボードが飾られている。

 

「ごめんくださーい!ジム戦をお願いしたいんですけど!」

サトシが元気よく声をかけると、奥から健康的に日焼けした女性が現れた。

 

「はいはーい!挑戦者ね!私はジムリーダーのアツミ。オレンジリーグへようこそ!」

 

アツミは、サトシを値踏みするように見た後、ニカっと笑った。

「ウチのジムは、普通のバトルとはちょっと違うよ!ポケモンの強さだけじゃなく、トレーナーとの呼吸が試されるんだ!」

 

彼女が提示したルールは、「水鉄砲による空き缶当て射的」と「波乗りレース」だった。

 

「射的か……。サトシ、誰で行く?」

「水鉄砲なら、ゼニガメしかいないだろ!」

 

サトシはゼニガメを選び、見事に射的勝負をクリアした。動くターゲットを正確に撃ち抜くゼニガメの集中力は流石だ。

 

そして、メインイベントの波乗りレース。ポケモンに乗って海上のコースを一周するスピード勝負だ。

 

「サトシ、ラプラスで行くんだろ?」

俺が尋ねると、サトシは少し不安そうに頷いた。

「ああ。でも、まだゲットしたばかりだし、人を乗せて泳ぐのにも慣れてないみたいなんだ」

 

子供のラプラスは、プールの中で不安そうに揺れている。アツミのカメックスは、堂々とした泳ぎを見せつけていた。

 

「コツがある。力で御そうとするな。波を読むんだ」

「波を……読む?」

 

俺は、自分のラプラスとの経験を元にアドバイスを送った。

「ラプラスは波を感じ取る能力に長けている。波が来るタイミング、潮の流れ……それらを肌で感じているんだ。お前が指示を出すんじゃなくて、ラプラスの動きに合わせるイメージだ。一体になれ」

 

「一体になる……。分かった、やってみる!」

 

レースがスタートした。

アツミのカメックスは、パワフルな泳ぎで先行する。波を力で砕きながら進むスタイルだ。

対するサトシのラプラスは、最初は波に翻弄されていた。

 

「サトシ、焦るな!ラプラスの呼吸を感じろ!」

俺が岸から叫ぶ。

 

サトシは深呼吸をし、ラプラスの首に手を置いた。

「ラプラス、怖くない。俺がついている。……波が来るぞ、合わせるんだ!」

 

ラプラスの目が変わった。

大きなうねりが来た瞬間、ラプラスはそれに逆らわず、波の頂点へと滑り上がった。

サーフィンのように波に乗り、加速する。

 

「すごい!一気に追いついた!」

ケンジが興奮して実況する。

 

「行けえええっ!」

 

サトシの指示とラプラスの判断が完全に重なった瞬間、ラプラスはカメックスを抜き去った。

そのままゴールラインを駆け抜ける。

 

「ゴール!!勝者、サトシ!」

 

「やったぁ!ラプラス、最高だぜ!」

サトシがラプラスの首に抱きつく。ラプラスも嬉しそうに鳴き、サトシの頬を舐めた。

 

「見事だよ。トレーナーとポケモンの呼吸がぴったりだった」

アツミから、桜の花びらの形をしたサクラバッジを受け取るサトシ。

 

「ミナトのアドバイスのおかげだぜ!」

「いや、お前とラプラスの相性が良かっただけさ。……いいコンビになりそうだな」

 

俺は微笑んだ。サトシは、こうして実践の中で成長していく。

知識で教えることはできても、最後にそれを掴み取るのは彼自身の才能だ。

 

オレンジリーグ、最初の一歩は上々の滑り出しだ。

だが、次の島では、俺自身にとっても重要な出会いが待っている予感がしていた。

クリスタルの輝きを求めて、俺たちはポンカン島へと向かう。

 

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