アニポケ転生者物語 作:投稿者
ボンタン島に到着した俺たちは、早速ナツカンジムへと向かった。
南国風の開放的な建物。入り口にはサーフボードが飾られている。
「ごめんくださーい!ジム戦をお願いしたいんですけど!」
サトシが元気よく声をかけると、奥から健康的に日焼けした女性が現れた。
「はいはーい!挑戦者ね!私はジムリーダーのアツミ。オレンジリーグへようこそ!」
アツミは、サトシを値踏みするように見た後、ニカっと笑った。
「ウチのジムは、普通のバトルとはちょっと違うよ!ポケモンの強さだけじゃなく、トレーナーとの呼吸が試されるんだ!」
彼女が提示したルールは、「水鉄砲による空き缶当て射的」と「波乗りレース」だった。
「射的か……。サトシ、誰で行く?」
「水鉄砲なら、ゼニガメしかいないだろ!」
サトシはゼニガメを選び、見事に射的勝負をクリアした。動くターゲットを正確に撃ち抜くゼニガメの集中力は流石だ。
そして、メインイベントの波乗りレース。ポケモンに乗って海上のコースを一周するスピード勝負だ。
「サトシ、ラプラスで行くんだろ?」
俺が尋ねると、サトシは少し不安そうに頷いた。
「ああ。でも、まだゲットしたばかりだし、人を乗せて泳ぐのにも慣れてないみたいなんだ」
子供のラプラスは、プールの中で不安そうに揺れている。アツミのカメックスは、堂々とした泳ぎを見せつけていた。
「コツがある。力で御そうとするな。波を読むんだ」
「波を……読む?」
俺は、自分のラプラスとの経験を元にアドバイスを送った。
「ラプラスは波を感じ取る能力に長けている。波が来るタイミング、潮の流れ……それらを肌で感じているんだ。お前が指示を出すんじゃなくて、ラプラスの動きに合わせるイメージだ。一体になれ」
「一体になる……。分かった、やってみる!」
レースがスタートした。
アツミのカメックスは、パワフルな泳ぎで先行する。波を力で砕きながら進むスタイルだ。
対するサトシのラプラスは、最初は波に翻弄されていた。
「サトシ、焦るな!ラプラスの呼吸を感じろ!」
俺が岸から叫ぶ。
サトシは深呼吸をし、ラプラスの首に手を置いた。
「ラプラス、怖くない。俺がついている。……波が来るぞ、合わせるんだ!」
ラプラスの目が変わった。
大きなうねりが来た瞬間、ラプラスはそれに逆らわず、波の頂点へと滑り上がった。
サーフィンのように波に乗り、加速する。
「すごい!一気に追いついた!」
ケンジが興奮して実況する。
「行けえええっ!」
サトシの指示とラプラスの判断が完全に重なった瞬間、ラプラスはカメックスを抜き去った。
そのままゴールラインを駆け抜ける。
「ゴール!!勝者、サトシ!」
「やったぁ!ラプラス、最高だぜ!」
サトシがラプラスの首に抱きつく。ラプラスも嬉しそうに鳴き、サトシの頬を舐めた。
「見事だよ。トレーナーとポケモンの呼吸がぴったりだった」
アツミから、桜の花びらの形をしたサクラバッジを受け取るサトシ。
「ミナトのアドバイスのおかげだぜ!」
「いや、お前とラプラスの相性が良かっただけさ。……いいコンビになりそうだな」
俺は微笑んだ。サトシは、こうして実践の中で成長していく。
知識で教えることはできても、最後にそれを掴み取るのは彼自身の才能だ。
オレンジリーグ、最初の一歩は上々の滑り出しだ。
だが、次の島では、俺自身にとっても重要な出会いが待っている予感がしていた。
クリスタルの輝きを求めて、俺たちはポンカン島へと向かう。