アニポケ転生者物語 作:投稿者
二つ目のジムがあるネーブル島。
ここのジムリーダー、ダンは、山登りのような過酷なトレーニングを課すことで有名だ。
「ジム戦のルールは、まずこの雪山を登りきること!そして山頂で凍らせた間欠泉を滑り降りる、氷のボートレースだ!」
ダンが指差した先には、南国とは思えないほど高く、雪に覆われた山がそびえ立っていた。
「雪山か……。寒そうだな」
サトシが身震いする。ピカチュウも寒そうに身を縮めている。
「大丈夫だ。俺たちには炎タイプがいる」
俺はウインディを出して、周囲を温めさせた。ウインディの毛並みから発せられる熱気は、天然のストーブだ。
雪山登山は過酷だった。急な斜面、滑る足場。
だが、サトシはピカチュウと励まし合いながら、一歩一歩登っていく。俺もバサギリに道を作らせながら、彼らをサポートする。
そしてたどり着いた山頂。
そこには、凍りついた間欠泉が作り出す、天然のリュージュコースが広がっていた。
「ここを滑り降りて、先にゴールした方が勝ちだ!ポケモンを一体選びな!」
サトシは、ラプラスを選んだ。
「ラプラス、頼むぜ!ナツカンジムでの経験を活かすんだ!」
対するダンは、ニョロボンを繰り出す。
「行くぞ!フリーズレース、スタート!」
レースは白熱した。ダンのニョロボンは慣れたもので、氷の斜面を器用に滑っていく。カーブのたびに加速し、サトシを引き離そうとする。
だが、サトシとラプラスのコンビネーションも負けていない。
「ラプラス、氷に乗れ!波乗りの要領だ!」
途中、コース上に不自然な落とし穴が空いているのが見えた。
「(あれは……ロケット団の仕業か?)」
ムサシたちが、ジムのバッジを盗もうと罠を仕掛けていたのだ。
「カイリュー、あいつらを吹き飛ばせ!」
俺はカイリューを飛ばし、上空から『たつまき』でロケット団を一掃した。
「やな感じー!!」
「邪魔者は消えたぞ!行け、サトシ!」
「おう!ラプラス、『れいとうビーム』でコースを作れ!ショートカットだ!」
サトシの機転で、ラプラスが空中に氷の道を作り出し、ニョロボンを飛び越えてゴールイン。
「勝者、サトシ!」
「やったあ!シラナミバッジ、ゲットだぜ!」
サトシの勝利を見届けた後、俺はふと空を見上げた。
雲の彼方に、巨大な飛行船の影が見えた気がした。
「(あれは……ジラルダンの飛行宮か?)」
映画『ルギア爆誕』の元凶となるコレクター。奴が動き始めている。
サンダー、ファイヤー、フリーザー。伝説の三鳥を狙う不届き者。
オレンジ諸島の自然なバランスが、少しずつ、しかし確実に崩れ始めているのを感じた。
「(平和なジム戦の裏で、世界を揺るがす危機が迫っている……)」
俺は、サトシたちの歓喜の輪から少し離れ、警戒を強めた。
次の島は、カブトの化石が眠る島。そこにもまた、古代からの警告が隠されているかもしれない。
俺たちの旅は、単なるバッジ集めでは終わらない予感がしていた。