アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第97話

ユズ島に到着した俺たちを待っていたのは、軽快な音楽とダンスで挑戦者を迎える、陽気なジムリーダーのジギーだった。

「ヘイ!ユーたち、リズムに乗ってるかい!?バトルも人生もグルーヴが大事だぜ!」

 

ユズジムのルールは、オレンジ諸島の中でも特に個性的だ。

「同じタイプのポケモン同士で戦う、3対3の勝ち抜き戦!タイプ相性の有利不利に頼らず、純粋なポケモンの地力と、トレーナーの指示の的確さが試されるのさ!」

 

「同じタイプ同士か……。誤魔化しが効かない、一番シビアな戦いだな」

サトシが珍しく緊張した面持ちで、自身のモンスターボールを見つめた。

 

「サトシ、焦る必要はない。お前がこれまであいつらと一緒に、どれだけ歩んできたか。それを証明するだけの場だと思えばいい」

俺のアドバイスに、サトシは深く頷き、フィールドへと歩み出た。

 

「第一回戦は、電気タイプ!俺のダンスパートナー、エレブーで行くぜ!」

ジギーが繰り出したのは、全身から火花を散らすエレブー。

「なら、俺はピカチュウだ!」

 

電気対電気。

『10まんボルト』の撃ち合いは、互いの電撃が空中で衝突し、火花となって霧散する。

だが、ジギーのエレブーは『ひかりのかべ』を巧みに使い、ピカチュウの攻撃を最小限に抑えつつ、隙のない守りを見せていた。

 

「サトシ、正面からの力押しじゃエレブーの体格に押し切られるぞ!スピードで撹乱しろ。リズムを狂わせるんだ!」

俺の声に、サトシが反応した。

 

「わかった!ピカチュウ、『でんこうせっか』で円を描くように走れ!」

ピカチュウが目にも留まらぬ速さでエレブーの周囲を駆け回る。残像に惑わされたエレブーの一瞬の隙。

「今だ、『アイアンテール』!」

ピカチュウの鋼の尻尾がエレブーの膝を払い、体勢を崩したところへ零距離の電撃。なんとか一勝をもぎ取った。

 

「第二回戦は、草タイプ!ナッシー!」

「俺はフシギダネだ!」

 

ナッシーの放つ『サイコキネシス』の不可視の圧力に、フシギダネは苦戦を強いられた。

「フシギダネ、耐えろ!ナッシーの動きは大きい。技を放つ直前の予備動作を見極めるんだ!」

 

フシギダネは『つるのムチ』を地面に叩きつけてその反動で跳躍し、念力の波を回避。着地の瞬間に至近距離からの『はっぱカッター』をナッシーの顔面に叩き込み、勝利した。

 

「やるねえ!じゃあ最後は水タイプ!スターミー!」

「俺はゼニガメだ!」

 

進化したスターミーに対し、進化前のゼニガメ。体格差、パワーの差は歴然だった。

スターミーの『バブルこうせん』や『スピードスター』に、ゼニガメは防戦一方となる。

 

「諦めるな!お前のゼニガメには、あいつにない『機転』があるはずだ!」

 

サトシは俺の言葉を受け、フィールドのプールをじっと見つめた。そして、閃いたように叫んだ。

「ゼニガメ、『ハイドロポンプ』!……地面に向かって最大出力だ!」

 

ゼニガメが甲羅から下向きに水を放出し、その水圧で自身をロケットのように高く打ち上げた。

「そのまま回転して『ロケットずつき』!」

 

上空からの加速を乗せた、渾身の頭突き。

油断していたスターミーの中央コアに直撃し、その輝きを失わせた。

 

「勝者、サトシ!」

 

「やったぜ!リンボバッジ、ゲットだぜ!」

サトシは三つ目のバッジを掲げ、ポケモンたちと抱き合った。

 

タイプ相性に頼らない戦いを通じ、サトシはポケモン個々の特性を最大限に活かす方法を学びつつあった。俺は、その成長をテスターとしての冷静な目と、友としての温かな目で見守っていた。

オレンジリーグの頂きは、もうすぐそこだ。

 

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