アニポケ転生者物語 作:投稿者
最後のバッジを求め、俺たちはリュウチン島へと降り立った。
ここのジムリーダー、ルリコは、カントーの四天王にも劣らないと言われる厳格な雰囲気を持つベテランの女性だった。
「私のジムは、ここオレンジ諸島でもっとも厳しいと言われているわ。ルールは2対2のダブルバトル。準備はいいかしら?」
「ダブルバトル……?」
サトシが首を傾げる。当時のカントーではまだ一般的ではなかったそのルールに、彼は戸惑いを隠せなかった。
「二匹のポケモンを同時に出し、互いを補い合いながら戦うのよ。個々の強さだけでなく、信頼とコンビネーションが問われる……一人の英雄では勝てない、チームの戦いよ」
サトシが選んだのは、ピカチュウとリザードン。
「最強の二匹で行くぜ!力で押し切ってやる!」
だが、その慢心が仇となった。
プライドの高いリザードンは、自分より小さなピカチュウを見下し、連携を拒否して勝手に暴れ回った。放たれた『かえんほうしゃ』がピカチュウを巻き込み、戦場は混乱に陥る。
対するルリコのガラガラとフーディンは、目を見張るような連携を見せた。フーディンの『サイコキネシス』でピカチュウを拘束し、そこへガラガラの『ホネこんぼう』が確実にヒットする。
「リザードン、何してるんだ!ピカチュウを助けろ!」
サトシの叫びも虚しく、二匹は互いの足を引きずり合い、ついには共倒れのような形で戦闘不能になってしまった。
「……話にならないわね。力はあるけれど、心がバラバラだわ。信頼のないチームに、バッジを渡すわけにはいかない」
ルリコに冷たく言い放たれ、サトシは言葉を失い、膝をついた。
その日の夜。月明かりに照らされた浜辺で、俺は一人で落ち込むサトシの隣に座った。
「サトシ。お前は、リザードンを信じているか?」
「当たり前だろ!あいつは俺の大切な相棒だ。……でも、あいつは俺の言うことを聞いてくれない」
「信じるってのは、言うことを聞かせることじゃない。あいつが何を考えていて、何を目指しているのかを理解することだ。……そして、リザードンにもピカチュウを信じさせてやるんだ。お前というトレーナーを通じてな」
俺は、自分のカイリューとゲンガーをボールから出した。
「見てろ。ダブルバトルの本質を見せてやる」
カイリューが『りゅうのまい』で風を起こし、ゲンガーはその風の流れに乗って重力を無視したように高速移動する。ゲンガーが影から敵を翻弄し、その隙をカイリューが必殺の一撃で仕留める。
二匹の間には言葉も、逐一の指示も必要なかった。ただ、互いの背中を預け合う絶対的な信頼だけがあった。
「すげえ……。あいつら、まるで一つの生き物みたいだ……」
「お前にもできるはずだ。ピカチュウとリザードン。どちらも、お前が大好きで、お前と勝ちたいと思っている。その気持ちを一つに束ねるのが、お前の仕事だろ?」
翌日、再戦の朝。
サトシの瞳には、昨日までの焦りはなかった。
「ルリコさん、もう一度お願いします!今度は……俺たちの『絆』を見せます!」
バトルが始まると、サトシは奇策に出た。
「ピカチュウ、リザードンの背中に乗れ!」
リザードンは一瞬、嫌がる素振りを見せたが、サトシの「頼む、リザードン!ピカチュウを信じてくれ!」という魂の叫びに、静かに翼を広げた。
空を舞うリザードンの背中から、ピカチュウが全方位に『10まんボルト』を放つ。
リザードンの機動力と、ピカチュウの攻撃範囲。二つの個性が重なり、ルリコのポケモンたちを圧倒した。
「今だ!『かえんほうしゃ』と『10まんボルト』の合体技だ!」
炎と電撃が混ざり合い、黄金色の火炎放射がフィールドを包み込んだ。
ルリコのガラガラとフーディンが、その輝きの中に沈んでいく。
「参ったわ。短時間でここまで心を一つにするなんて。……おめでとう」
ルリコは満足そうに微笑んで、最後のバッジ、ルリバッジをサトシに手渡した。
「やったな、サトシ!これでオレンジリーグ出場確定だ!」
俺が駆け寄ると、サトシは照れくさそうに笑いながら、リザードンの首を強く抱きしめた。
リザードンも、熱い鼻息を吹きかけながらも、その瞳には柔らかな光が宿っていた。
ついに四つのバッジが揃った。
次はいよいよ、オレンジ諸島の頂点、カンキツスタジアム。
俺は、サトシという少年の「主人公としての覚醒」を、確信せずにはいられなかった。
現時点での主人公の取得ポケモンは下記です。ぬけもれがあれば申し訳ありません。
フシギバナ
ポリゴン2
カイリュー
ゲンガー
ウインディ
ラプラス
ヤドラン
ハピナス
バサギリ
ニドクイン
サイドン
ドードリオ
ケンタロス
ガルーラ
クリスタルイワーク
カブト
更新頻度について
-
満足している
-
描写が少ないので不足している
-
不足している
-
もっと更新してほしい
-
結果を見る