アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第102話

激しい海流と暴風雨に揉まれながら、サトシたちはなんとかアーシア島の入り江へとたどり着いた。

一方、俺はカイリューと共にジラルダンの飛行船を追撃していたが、強力な電磁防壁に阻まれ、一時的にアーシア島の高台へと降り立つことを余儀なくされていた。

 

島の広場には、祭りの衣装を纏った島民たちが、不安な面持ちで集まっていた。

「優れた操り人よ……ついに、予言の時が来たのですね」

 

長老のような老人が、ラプラスから降りてきたサトシを見て、敬虔な態度で膝をついた。

「えっ?優れた操り人って……俺のこと?」

サトシが戸惑う。

 

そこに、一人の少女が人混みをかき分けて現れた。祭壇の巫女を務める少女、フルーラだ。

「ちょっと長老!こんな泥だらけの男の子が予言の救世主だなんて、冗談でしょ?」

彼女はサトシをジロジロと眺め、ふっと鼻で笑った。だが、その瞳には隠しきれない不安が混じっている。

 

「……というわけ。ハハハッ。大変なことになっちゃったねぇ」

 

不意に、俺たちの背後から、ひょうひょうとした声が聞こえてきた。

振り返ると、そこには祭壇の岩場に腰掛け、呑気に海を眺めているヤドキングがいた。

 

「ヤドキング!?喋った……のか?」

ケンジが驚愕し、夢中でスケッチブックを走らせる。

 

「星のささやきがね。貴方は、この不条理な運命をちょっとだけ変えられる力を持ってる……らしいよ。ハハハッ」

ヤドキングは、俺に向かって片目を瞑ってみせた。彼には、俺がこの世界の住人ではないこと、そして未来を知っていることが見えているのかもしれない。

 

「ヤドキングさん、どうすればこの嵐を止められるんだ?」

俺が尋ねると、彼は重い腰を上げた。

 

「バランスが崩れちゃったんだ。火の神、雷の神、氷の神……。彼らが喧嘩を始めたら、海は荒れるし、世界はカチコチ。……困ったねぇ」

彼は空を指差した。

そこでは、捕らえられたファイヤーとサンダーの影響で、残されたフリーザーが暴走し、海面を次々と凍りつかせていた。

 

「三つの宝を集めて、あそこの祭壇に捧げるの。火、雷、氷……それぞれの島の宝をね。……誰がやるのかなぁ?」

 

「俺がやるよ!」

サトシが一歩前に出た。

「世界が滅びるなんて、絶対にさせない!俺が宝を集めてくる!」

 

「よし、サトシ。お前は宝を頼む。俺は、空にあるあの元凶……ジラルダンを叩く。あいつを止めて、捕まった鳥たちを解放しない限り、本当の調和は戻らない」

 

俺はカイリューの首筋を撫でた。カイリューも、伝説の神々に挑む覚悟はできているようだ。

 

「ミナト君、やるねぇ。……期待してるよ。ハハハッ」

ヤドキングの声が、風に乗って背中を押してくれた。

 

サトシはフルーラの案内で小舟に乗り込み、荒れ狂う海へと再び飛び出していった。

俺は、カイリューの背に跨り、天高くへと舞い上がる。

 

「(ジラルダン……。お前のコレクション趣味に、世界の命を付き合わせるわけにはいかないんだよ)」

 

空では雷鳴が轟き、海では巨龍のような波が逆巻く。

その中心で、海の神が目覚めるその時を、世界は固唾を呑んで待っていた。

 

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