アニポケ転生者物語 作:投稿者
空はもはや、属性の暴力が吹き荒れる混沌の戦場と化していた。
ファイヤーの爆炎が海を蒸発させ、サンダーの雷撃が空気を焦がし、フリーザーの絶対零度が雲を凍らせて氷の礫に変える。
三つの相反するエネルギーが激突し、衝撃波が空間を歪めている。
その中心で、ルギアは孤軍奮闘していた。
彼は三鳥を傷つけることなく、その怒りを鎮めようとしている。『エアロブラスト』を放っても、それは相手を撃ち落とすためではなく、相手の攻撃を相殺するためだけのものだ。
だが、その優しさが逆に仇となっていた。理性を失った三鳥の猛攻が、ルギアの白い体に容赦なく刻み込まれていく。
「ルギア、無理をするな!俺たちが隙を作る!」
俺はカイリューを操り、三鳥の包囲網の一角――雷の島から飛来したサンダーの前に立ちはだかった。
「カイリュー、『しんそく』でサンダーを翻弄しろ!攻撃をルギアに集中させるな!」
「グオオオッ!」
カイリューが音速を超えて加速する。サンダーの落雷を紙一重でかわし、その周囲を旋回して注意を引きつける。
サンダーが苛立ち、ターゲットをルギアからカイリューに変更した。
「いいぞ!そのまま『ドラゴンクロー』!」
「シャアアッ!」
サンダーが鋭い嘴で応戦する。カイリューの爪とサンダーの嘴が火花を散らし、空中で激しい金属音が響く。
伝説の鳥ポケモン相手に、一歩も引かないカイリュー。セキエイ大会での激闘を経て、彼もまた神の領域に足をかけているのだ。
その隙に、ルギアがフリーザーの氷の壁を『エアロブラスト』で粉砕した。
圧縮された空気の塊が、絶対零度の吹雪を吹き飛ばす。
ルギアはこちらを一度見ると、感謝を示すように大きな翼を一振りした。
『……感謝する、小さき戦士よ』
「(通じている……!ルギアと、心が繋がっている!)」
転生者としての知識など、この極限状態ではもはや役に立たない。
ただ、目の前の相棒を信じ、共に戦う神の意志を感じ取る。それだけが、俺をこの戦場に留めていた。
「ポリゴン2、解析はどうだ!」
『三鳥の攻撃パターン、同期完了。……しかし、問題発生。上空の飛行船から、ルギアの動きを制限する特殊な重力波が照射されています』
「ジラルダンめ……まだ諦めてないのか!」
雲の切れ間に、ジラルダンの飛行宮が見えた。
巨大なリング状の構造物を持つその要塞から、不気味な紫色の光が照射されている。それがルギアに当たるたび、彼の動きが鈍り、翼が重くなるのが見て取れた。
『……ウウッ……!』
ルギアが苦悶の声を上げる。三鳥の攻撃に加え、人間の悪意ある科学力が彼を追い詰めている。
「ルギア、あいつは俺が止める!お前は三鳥を頼む!」
俺はルギアに叫び、カイリューの機首を飛行船へと向けた。
だが、それを阻止しようと、ファイヤーが飛び出してきた。
巨大な火の鳥となって、俺たちの進路を塞ぐ。
「キュオオオォォォッ!!」
ルギアが咆哮し、身を挺してファイヤーの突進を受け止めた。
白い体が炎に包まれる。だが、彼は退かない。
その瞳が、俺に語りかけていた。
『行け。元凶を断て』と。
「……恩に着るぞ、ルギア!」
俺はカイリューの首を強く叩いた。
「カイリュー、一気に駆け抜けるぞ!『ぼうふう』だ!」
カイリューが自ら嵐を巻き起こし、その気流に乗って飛行船へと急接近する。
風の防壁が、飛行船からの迎撃レーザーを弾き返す。
下界では、サトシが雷の島の宝を手に入れ、最後の氷の島へと向かうのが見えた。
小さなボートが、荒波に揉まれながらも、必死に前へ進んでいる。
「(サトシ、俺も負けないぞ……!)」
俺たちは、鉄の城――ジラルダンの移動要塞へと、決死の突入を開始した。
世界の命運を懸けた、命がけの特攻だ。
巨大なプロペラ音と、機械の駆動音が近づいてくる。
俺は、腰のモンスターボールに手を当てた。
「バサギリ、出番だ。あの鉄の塊を、ぶち壊すぞ!」
俺の決意に応えるように、ボールが熱く脈動した。
更新頻度について
-
満足している
-
描写が少ないので不足している
-
不足している
-
もっと更新してほしい
-
結果を見る