アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第104話

空はもはや、属性の暴力が吹き荒れる混沌の戦場と化していた。

ファイヤーの爆炎が海を蒸発させ、サンダーの雷撃が空気を焦がし、フリーザーの絶対零度が雲を凍らせて氷の礫に変える。

三つの相反するエネルギーが激突し、衝撃波が空間を歪めている。

 

その中心で、ルギアは孤軍奮闘していた。

彼は三鳥を傷つけることなく、その怒りを鎮めようとしている。『エアロブラスト』を放っても、それは相手を撃ち落とすためではなく、相手の攻撃を相殺するためだけのものだ。

だが、その優しさが逆に仇となっていた。理性を失った三鳥の猛攻が、ルギアの白い体に容赦なく刻み込まれていく。

 

「ルギア、無理をするな!俺たちが隙を作る!」

 

俺はカイリューを操り、三鳥の包囲網の一角――雷の島から飛来したサンダーの前に立ちはだかった。

 

「カイリュー、『しんそく』でサンダーを翻弄しろ!攻撃をルギアに集中させるな!」

 

「グオオオッ!」

カイリューが音速を超えて加速する。サンダーの落雷を紙一重でかわし、その周囲を旋回して注意を引きつける。

サンダーが苛立ち、ターゲットをルギアからカイリューに変更した。

 

「いいぞ!そのまま『ドラゴンクロー』!」

 

「シャアアッ!」

サンダーが鋭い嘴で応戦する。カイリューの爪とサンダーの嘴が火花を散らし、空中で激しい金属音が響く。

伝説の鳥ポケモン相手に、一歩も引かないカイリュー。セキエイ大会での激闘を経て、彼もまた神の領域に足をかけているのだ。

 

その隙に、ルギアがフリーザーの氷の壁を『エアロブラスト』で粉砕した。

圧縮された空気の塊が、絶対零度の吹雪を吹き飛ばす。

ルギアはこちらを一度見ると、感謝を示すように大きな翼を一振りした。

 

『……感謝する、小さき戦士よ』

 

「(通じている……!ルギアと、心が繋がっている!)」

 

転生者としての知識など、この極限状態ではもはや役に立たない。

ただ、目の前の相棒を信じ、共に戦う神の意志を感じ取る。それだけが、俺をこの戦場に留めていた。

 

「ポリゴン2、解析はどうだ!」

『三鳥の攻撃パターン、同期完了。……しかし、問題発生。上空の飛行船から、ルギアの動きを制限する特殊な重力波が照射されています』

 

「ジラルダンめ……まだ諦めてないのか!」

 

雲の切れ間に、ジラルダンの飛行宮が見えた。

巨大なリング状の構造物を持つその要塞から、不気味な紫色の光が照射されている。それがルギアに当たるたび、彼の動きが鈍り、翼が重くなるのが見て取れた。

 

『……ウウッ……!』

ルギアが苦悶の声を上げる。三鳥の攻撃に加え、人間の悪意ある科学力が彼を追い詰めている。

 

「ルギア、あいつは俺が止める!お前は三鳥を頼む!」

 

俺はルギアに叫び、カイリューの機首を飛行船へと向けた。

だが、それを阻止しようと、ファイヤーが飛び出してきた。

巨大な火の鳥となって、俺たちの進路を塞ぐ。

 

「キュオオオォォォッ!!」

 

ルギアが咆哮し、身を挺してファイヤーの突進を受け止めた。

白い体が炎に包まれる。だが、彼は退かない。

その瞳が、俺に語りかけていた。

『行け。元凶を断て』と。

 

「……恩に着るぞ、ルギア!」

 

俺はカイリューの首を強く叩いた。

「カイリュー、一気に駆け抜けるぞ!『ぼうふう』だ!」

 

カイリューが自ら嵐を巻き起こし、その気流に乗って飛行船へと急接近する。

風の防壁が、飛行船からの迎撃レーザーを弾き返す。

 

下界では、サトシが雷の島の宝を手に入れ、最後の氷の島へと向かうのが見えた。

小さなボートが、荒波に揉まれながらも、必死に前へ進んでいる。

 

「(サトシ、俺も負けないぞ……!)」

 

俺たちは、鉄の城――ジラルダンの移動要塞へと、決死の突入を開始した。

世界の命運を懸けた、命がけの特攻だ。

巨大なプロペラ音と、機械の駆動音が近づいてくる。

俺は、腰のモンスターボールに手を当てた。

 

「バサギリ、出番だ。あの鉄の塊を、ぶち壊すぞ!」

 

俺の決意に応えるように、ボールが熱く脈動した。

 

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