アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第105話

ジラルダンの飛行船への突入を試みる俺たちの前に、氷の島を拠点にしていたフリーザーが立ちふさがった。

「キィィィィィン!!」

高らかな鳴き声と共に、空気が一瞬で氷点下へと叩き落とされる。カイリューの翼に氷の結晶がつき、動きが鈍る。

 

「(まずい、氷タイプはカイリューにとって致命的だ……!)」

 

カイリューはドラゴン・飛行タイプ。氷技は4倍弱点だ。

フリーザーの『ふぶき』が直撃すれば、ひとたまりもない。

 

その時、眼下の氷の島にサトシの舟が辿り着くのが見えた。

だが、フリーザーの暴走による猛吹雪が、サトシの行く手を阻んでいる。さらに、上空での戦闘の余波で、巨大な氷塊が雨のように降り注いでいた。

 

「サトシをこれ以上、危険にさらすわけにはいかない。……みんな、出てこい!」

 

俺はカイリューの上から、残りのボールを投げた。

「ウインディ、ハピナス、サイドン!地上でサトシを援護しろ!」

 

光と共に、三体の相棒たちが氷の島へと降り立った。

 

「ウインディ、『フレアドライブ』で道を切り開け!氷を溶かせ!」

「ワオォォォン!!」

ウインディが炎の塊となり、氷の壁を次々と溶かしていく。その熱気が、凍えきったサトシたちの体を温める。

 

「ハピナス、サトシたちの体力をサポートしろ!『いのちのしずく』!」

ハピナスは、極寒に震えるサトシとカスミに寄り添い、自らの体温と癒やしの波動で彼らを包み込んだ。彼女の周囲だけ、春のような温かさが戻る。

 

「サイドン、『ロックブラスト』で降ってくる氷塊を撃ち落とせ!」

サイドンが岩石を連射し、空からの脅威を排除する。

 

「ミナト……!ありがとう!」

サトシの声が、吹雪の向こうから聞こえてくる。

 

「いいから宝を急げ!ここは俺たちが食い止める!」

 

俺はカイリューと共に、空中のフリーザーを惹きつける。

「カイリュー、耐えろ!お前の根性、見せてやれ!」

 

カイリューは凍りかけの翼を力強く羽ばたかせ、フリーザーの『ふぶき』を真っ向から受け止めた。特性『マルチスケイル』が発動し、ダメージを軽減する。

「『ほのおのパンチ』!」

カイリューの拳が燃え上がり、フリーザーの顔面を殴りつける。氷の神がよろめく。

 

その間に、ウインディたちが作った道を通り、サトシが最後の宝――『氷の宝』へと手を伸ばす。

 

「(よし、あともう少しだ……!)」

 

だが、空の異変はさらに加速していた。

飛行船の拘束を引きちぎったファイヤーとサンダーが、再び戦場へと舞い戻ってきたのだ。

彼らの目は、怒りで真っ赤に染まっている。自分たちを辱めた人間、そしてこの海域に立ち入るすべての存在を、敵と見なしているようだった。

 

三鳥が空中で円陣を組み、中央のルギアに向けて最強の合体技を放とうとしている。

炎、雷、氷。三つのエネルギーが螺旋を描き、一つの巨大な破壊光線へと収束していく。

「雷火氷結の三重奏」――世界を終わらせる破滅の光だ。

 

「ルギア、危ない!!」

 

俺は叫んだ。ルギアは既に三鳥の猛攻で満身創痍。これを喰らえば、海の神といえど無事では済まない。

 

「ポリゴン2!『トリックルーム』だ!空間を歪めて、攻撃の軌道を逸らせ!」

『了解!全エネルギーを空間干渉に回します!ジェネレーター、臨界突破!』

 

ポリゴン2が放った不気味な波動が、三鳥の合体攻撃が放たれる瞬間の空間を歪めた。

光線の軌道がわずかにズレる。

破滅の光はルギアの僅か数メートル先を通り抜け、海面を蒸発させて巨大な水蒸気爆発を引き起こした。

 

「……はぁ、はぁ……」

 

俺も、ポケモンたちも、限界が近づいている。

カイリューの翼はボロボロで、ポリゴン2もオーバーヒート寸前だ。

だが、その時。

 

「取ったぞぉぉぉぉ!!」

 

サトシの声が響いた。

彼の手には、青く輝く『氷の宝』が握られていた。

 

「よし!サトシ、祭壇へ走れ!」

 

俺はカイリューを急降下させ、サトシたちを回収した。

「ラプラスたちも連れて行くぞ!全員、アーシア島の祭壇へ!」

 

俺たちは、荒れ狂う神々の視線を振り切り、最後の希望が待つ祭壇へと、決死の脱出を開始した。

物語は、いよいよ本当の終焉へと向かう。

ジラルダンの飛行船が、最後の悪あがきをしようと動き出していた。

 

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