アニポケ転生者物語 作:投稿者
ジラルダンの飛行船への突入を試みる俺たちの前に、氷の島を拠点にしていたフリーザーが立ちふさがった。
「キィィィィィン!!」
高らかな鳴き声と共に、空気が一瞬で氷点下へと叩き落とされる。カイリューの翼に氷の結晶がつき、動きが鈍る。
「(まずい、氷タイプはカイリューにとって致命的だ……!)」
カイリューはドラゴン・飛行タイプ。氷技は4倍弱点だ。
フリーザーの『ふぶき』が直撃すれば、ひとたまりもない。
その時、眼下の氷の島にサトシの舟が辿り着くのが見えた。
だが、フリーザーの暴走による猛吹雪が、サトシの行く手を阻んでいる。さらに、上空での戦闘の余波で、巨大な氷塊が雨のように降り注いでいた。
「サトシをこれ以上、危険にさらすわけにはいかない。……みんな、出てこい!」
俺はカイリューの上から、残りのボールを投げた。
「ウインディ、ハピナス、サイドン!地上でサトシを援護しろ!」
光と共に、三体の相棒たちが氷の島へと降り立った。
「ウインディ、『フレアドライブ』で道を切り開け!氷を溶かせ!」
「ワオォォォン!!」
ウインディが炎の塊となり、氷の壁を次々と溶かしていく。その熱気が、凍えきったサトシたちの体を温める。
「ハピナス、サトシたちの体力をサポートしろ!『いのちのしずく』!」
ハピナスは、極寒に震えるサトシとカスミに寄り添い、自らの体温と癒やしの波動で彼らを包み込んだ。彼女の周囲だけ、春のような温かさが戻る。
「サイドン、『ロックブラスト』で降ってくる氷塊を撃ち落とせ!」
サイドンが岩石を連射し、空からの脅威を排除する。
「ミナト……!ありがとう!」
サトシの声が、吹雪の向こうから聞こえてくる。
「いいから宝を急げ!ここは俺たちが食い止める!」
俺はカイリューと共に、空中のフリーザーを惹きつける。
「カイリュー、耐えろ!お前の根性、見せてやれ!」
カイリューは凍りかけの翼を力強く羽ばたかせ、フリーザーの『ふぶき』を真っ向から受け止めた。特性『マルチスケイル』が発動し、ダメージを軽減する。
「『ほのおのパンチ』!」
カイリューの拳が燃え上がり、フリーザーの顔面を殴りつける。氷の神がよろめく。
その間に、ウインディたちが作った道を通り、サトシが最後の宝――『氷の宝』へと手を伸ばす。
「(よし、あともう少しだ……!)」
だが、空の異変はさらに加速していた。
飛行船の拘束を引きちぎったファイヤーとサンダーが、再び戦場へと舞い戻ってきたのだ。
彼らの目は、怒りで真っ赤に染まっている。自分たちを辱めた人間、そしてこの海域に立ち入るすべての存在を、敵と見なしているようだった。
三鳥が空中で円陣を組み、中央のルギアに向けて最強の合体技を放とうとしている。
炎、雷、氷。三つのエネルギーが螺旋を描き、一つの巨大な破壊光線へと収束していく。
「雷火氷結の三重奏」――世界を終わらせる破滅の光だ。
「ルギア、危ない!!」
俺は叫んだ。ルギアは既に三鳥の猛攻で満身創痍。これを喰らえば、海の神といえど無事では済まない。
「ポリゴン2!『トリックルーム』だ!空間を歪めて、攻撃の軌道を逸らせ!」
『了解!全エネルギーを空間干渉に回します!ジェネレーター、臨界突破!』
ポリゴン2が放った不気味な波動が、三鳥の合体攻撃が放たれる瞬間の空間を歪めた。
光線の軌道がわずかにズレる。
破滅の光はルギアの僅か数メートル先を通り抜け、海面を蒸発させて巨大な水蒸気爆発を引き起こした。
「……はぁ、はぁ……」
俺も、ポケモンたちも、限界が近づいている。
カイリューの翼はボロボロで、ポリゴン2もオーバーヒート寸前だ。
だが、その時。
「取ったぞぉぉぉぉ!!」
サトシの声が響いた。
彼の手には、青く輝く『氷の宝』が握られていた。
「よし!サトシ、祭壇へ走れ!」
俺はカイリューを急降下させ、サトシたちを回収した。
「ラプラスたちも連れて行くぞ!全員、アーシア島の祭壇へ!」
俺たちは、荒れ狂う神々の視線を振り切り、最後の希望が待つ祭壇へと、決死の脱出を開始した。
物語は、いよいよ本当の終焉へと向かう。
ジラルダンの飛行船が、最後の悪あがきをしようと動き出していた。
更新頻度について
-
満足している
-
描写が少ないので不足している
-
不足している
-
もっと更新してほしい
-
結果を見る