アニポケ転生者物語   作:投稿者

126 / 344
第112話

キキョウシティへと続く山道、46番道路。

サトシたちが通る平坦な道とは違い、ここは険しい岩山が切り立ち、冷たい山風が吹き抜ける過酷なエリアだ。だが、飛行タイプのポケモンや岩タイプのポケモンを鍛えるには絶好の場所でもある。

 

「ここなら、誰にも邪魔されずに特訓できるな」

 

俺は、ヨーギラスとタッツーをボールから出した。

「ヨーギラス、この岩場の感覚を覚えろ。お前のホームグラウンドだ」

「タッツー、お前はラプラスの背中に乗って、水のない場所での平衡感覚を養うんだ」

 

二匹がそれぞれの課題に取り組んでいると、頭上から空気を切り裂くような鋭い音が響いた。

 

「!?」

 

見上げると、銀色に輝く巨大な翼が、俺たちの頭上を掠めていった。

鋼鉄のような光沢を持つ、全身が鎧で覆われた鳥ポケモン。

 

「エアームドか!」

 

『エアームド。よろいどりポケモン。鋼鉄のように硬い羽を持ち、時速300キロで飛ぶ。その羽は、古来より刀の材料にも使われた』

 

デバイスの解説が流れる。エアームドは岩棚の上に降り立つと、鋭い眼光で俺たちを威嚇した。どうやら、ここが彼の縄張りのようだ。

 

「よし、あいつは俺が相手をする。……行け、バサギリ!」

 

俺は、深緑の岩肌を持つバサギリを繰り出した。

「バサァッ!!」

岩の戦士が、鋼の鳥と対峙する。

 

エアームドが翼を銀色に輝かせ、『はがねのつばさ』で急降下してきた。その速度は凄まじく、まるで空飛ぶ日本刀だ。

 

「バサギリ、斧で受け流せ!」

 

バサギリは、最小限の動きで斧を振り上げ、エアームドの翼を弾き飛ばした。火花が散り、キィィィン!と硬質な音が山間に響く。

 

「(硬いな……。並の攻撃じゃ傷一つ付かないか)」

 

「サイドン、お前も出ろ!『ロックブラスト』で動きを制限するんだ!」

 

俺はサイドンを投入し、二段構えの布陣を敷いた。

サイドンが放つ岩石の礫が、エアームドの逃げ道を塞ぐ。エアームドは巧みな飛行技術でそれをかわすが、そこには既にバサギリが待ち構えていた。

 

「今だ!『がんせきアックス』!」

 

「バサァァッ!!」

 

バサギリの渾身の一撃が、エアームドの胸の装甲を捉えた。

鋼と岩が激突する。エアームドは地面に叩きつけられたが、すぐに体勢を立て直し、再び空へと舞い上がろうとした。

 

「(なんて根性だ。……気に入ったぞ)」

 

俺は、エアームドの不屈の闘志に、自分のチームに必要な「守りの核」を見出した。

 

「ウインディ、『しんそく』で回り込め!『ほのおのうず』!」

 

ウインディが赤い閃光となって崖を駆け上がり、エアームドの退路を炎の鎖で断った。

熱気に羽を焦がされ、エアームドの動きが一瞬止まる。

 

「そこだ!ハイパーボール!」

 

俺が投げたボールが、エアームドを吸い込んだ。

ボールは岩の上で激しく揺れ、火花を散らす。

一回、二回、三回……。

 

カチッ。

 

「……ふぅ。エアームド、ゲットだ」

 

俺はボールを拾い上げた。その冷たい金属の感触。

これで、ジョウトでの三匹目の仲間。鋼の要塞、エアームド。

彼の加入により、俺のチームの防御力はさらに盤石なものとなった。

 

「よし、キキョウシティはもうすぐだ。ハヤトとのバトル、楽しみになってきたな!」

 

俺は、新しい仲間と共に、夕焼けに染まる山道を下り始めた。

眼下には、キキョウシティの五重塔が、古都の威厳を放ってそびえ立っていた。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。