アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第114話

キキョウシティの北、雲を突くような高い塔の屋上。

そこが、キキョウジムのバトルフィールドだった。吹き抜ける風が強く、地上よりも酸素が薄く感じる。

 

「オレンジリーグ名誉トレーナーのサトシ君、そしてセキエイ大会優勝者のミナト君だね。噂は聞いているよ」

フィールドの向こう側に立つのは、青い髪を風になびかせる青年、ハヤト。

彼の肩には、鋭い眼光のピジョンが止まっていた。

 

「僕の父さんが言っていた。空を制する者は、世界を制するとね。……君たちの地に足のついた戦い方が、この大空でどこまで通用するか、試させてもらうよ」

 

「望むところだ!俺たちも、空を飛ぶ準備はできてる!」

サトシが前に出た。まずは彼の挑戦だ。

 

ハヤトのピジョンに対し、サトシはピカチュウではなく、マダツボミの塔で特訓したチコリータを繰り出した。

空戦の厳しさを知り、サトシは苦戦しながらも、俺のアドバイス「相手のリズムを読む」ことを意識し、ピジョンの『かげぶんしん』をチコリータの『はっぱカッター』の広範囲攻撃で破り、見事勝利。最初のバッジ、ウイングバッジを手に入れた。

 

「……素晴らしいバトルだった。サトシ君、君の勇気は本物だ」

ハヤトはサトシを称えた後、俺に向き直った。

 

「さて、次はミナト君。君とは……1対1の一発勝負でお願いしたい。僕の最高の相棒、ピジョットでね」

 

ハヤトが最後のボールを投げた。

現れたのは、通常の個体よりも一回り大きく、翼の模様が美しい巨大なピジョットだ。その羽ばたきだけで、フィールドに暴風が巻き起こる。

 

「ミナト、頑張れよ!」

サトシが観客席から大きな声を出す。

 

「ああ。頼むぞ、エアームド!」

 

俺は、キキョウシティへの道中で仲間にした新戦力を繰り出した。

銀色の翼を持つ鋼の鳥が、ピジョットの前に立ちはだかる。

 

「エアームドか。僕のピジョットの速さについてこれるかな?」

「速さだけじゃない。こいつの硬さも見てくれよ!」

 

バトル開始。

「ピジョット、『こうそくいどう』からの『つばめがえし』!」

ピジョットが残像を残して消える。必中の一撃がエアームドを襲う。

 

「『てっぺき』だ!」

エアームドが翼を重ね、防御態勢を取る。

ガキィィン!という激しい衝撃。だが、エアームドは一歩も引かない。

 

「反撃だ!『はがねのつばさ』!」

エアームドの翼がピジョットを切り裂く。

 

「くっ……さすがに硬いな!だが、これならどうだ!ピジョット、最大火力の『ゴッドバード』だ!!」

 

ピジョットが黄金のオーラを纏い、超高速で突進してくる。

「エアームド、真正面から受け止めるぞ!」

 

俺は逃げなかった。エアームドの防御力を信じたのだ。

 

「いけぇぇっ!!『ブレイブバード』だ!!」

 

俺の叫びと同時に、エアームドもまた、青いオーラを纏って突撃する。

空中で二つの流星が激突した。

 

ドォォォォン!!

 

爆風が吹き荒れ、互いに弾き飛ばされる。

ピジョットはふらつきながらも空中に留まったが、エアームドは地面に落下した。

 

「エアームド、立て!」

サトシが身を乗り出して叫ぶ。

 

エアームドは土煙の中から、鋭い啼き声を上げて立ち上がった。

そして、その拍子にハヤトが気づく。自らのピジョットの動きが、不自然に鈍っていることに。

 

「『まきびし』……いつの間に!?」

 

「最初の激突の時さ。エアームドは攻撃と同時に、空中に見えないトゲを散布していたんだ。お前のピジョットは、空中でそれを踏んだ(接触した)のさ」

 

「(なんて冷静な戦術だ……)」

 

「とどめだ、エアームド!『ラスターカノン』!」

 

地上から放たれた鋼の閃光が、動けないピジョットを貫いた。

ピジョットは力尽き、ハヤトの足元に落ちた。

 

「……そこまで。僕の負けだよ」

 

ハヤトは、ピジョットを優しく撫でながら、清々しい笑顔を見せた。

「ミナト君。君の戦術、そして新しく仲間になったポケモンたちへの信頼。……優勝者の名は伊達じゃないね」

 

「ありがとう。最高のバトルだったよ、ハヤトさん」

 

俺たちは、キキョウシティの夜景を眺めながら、互いの健闘を称え合った。

ジョウト地方、最初の難関突破。

俺の手元には、ウイングバッジが輝いていた。

 

「よし、次はヒワダタウンだな!ガンテツさんにGSボールを届けに行くぞ!」

サトシが元気に走り出す。

 

「ああ。……行くぞ、みんな」

 

俺は、進化したエアームドと、成長著しいヨーギラスのボールを握りしめ、夜のキキョウシティを後にするのだった。

 

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