アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第116話

32番道路を抜け、繋がりの洞窟を越えた先。

そこには、深い森に囲まれた古き良き町、ヒワダタウンがあった。

瓦屋根の家々が並び、炭を作る煙が静かに立ち上っている。だが、町の至る所にあるヤドンの石像は、どこか寂しげに見えた。

 

「やっと着いたな!ここがヒワダタウンか!」

サトシが声を上げる。

 

俺たちの目的は、この町に住む高名なボール職人、ガンテツさんに会うことだ。

ウチキド博士から預かった、あの謎の『GSボール』。オーキド博士の指示によれば、この道数十年のガンテツさんなら、その正体を見抜けるかもしれないという。

 

町の端にある、一軒の趣ある工房。そこがガンテツさんの家だった。

 

「ごめんください!オーキド博士の紹介で来ました!」

サトシが扉を叩くと、中から頑固そうな、しかし鋭い眼光を持つ老人が現れた。

 

「オーキドの使いか。……入りな」

 

ガンテツさんは、俺たちが差し出したGSボールを一目見るなり、その表情を強張らせた。

「……これは、普通のボールじゃねえな。人の手で作られたものじゃあない。……自然の力が、歪な形で閉じ込められてやがる」

 

ガンテツさんは、金槌を置き、慎重にボールを受け取った。

「解析には時間がかかる。しばらく預かっておくが……いいな?」

 

「お願いします」

俺たちは深々と頭を下げた。

 

ふと、工房の奥からガンテツさんの孫娘、チエちゃんが心配そうな顔で現れた。

「おじいちゃん、今日も雨が降らないよ。ヤドンの井戸のヤドンたちも、全然帰ってこないし……」

 

「……ああ。この町は今、呪われている。ヤドンが欠伸をすれば雨が降る……そんな言い伝えがあるが、そのヤドンたちが何者かに連れ去られてしまったんじゃ」

 

ガンテツさんの言葉に、俺は第1話での出来事を思い出した。

「ヤドンの尻尾を狙う、ロケット団の仕業ですね」

 

「なにっ!?知っているのか!」

 

俺は、道中で遭遇した男の話をした。

ガンテツさんは怒りに震え、壁に掛かっていた特大の金槌を握りしめた。

「あの連中……ついに、この町の聖域にまで手を出しやがったか!許せん!」

 

「ガンテツさん、落ち着いてください。俺たちが行きます」

俺はサトシとカスミを見た。二人の瞳にも、同じ怒りの火が灯っている。

 

「俺たちがヤドンたちを助け出します。ガンテツさんは、ここでボールの解析をお願いします」

 

「……すまんな。頼んだぞ、若者たちよ」

 

俺たちはガンテツさんの工房を飛び出し、町の裏手にある「ヤドンの井戸」へと急いだ。

普段は水が豊かなはずのその場所は、不自然なほどの静寂に包まれていた。

 

「(待ってろ、ヤドンたち。……そしてロケット団。今度こそ、根こそぎ叩き潰してやる)」

 

俺は腰のヤドランのボールを強く握りしめた。

聖域を汚す者への、俺たちの「逆襲」が始まろうとしていた。

 

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