アニポケ転生者物語 作:投稿者
ヒワダジムの森のフィールド。
対峙する二体のポケモンは、同じ「ストライク」という種をルーツに持ちながら、全く異なる進化を遂げた姿だった。
深紅の鋼鉄に身を包み、テクニカルな連撃を得意とする、ツクシのハッサム。
深緑の岩肌を露わにし、重厚な岩石の斧を振るう、俺のバサギリ。
「ハッサム、『バレットパンチ』!」
ツクシの指示は速い。ハッサムがその翼を微かに震わせたかと思った瞬間、鋼の拳がバサギリの目前まで迫っていた。テクニシャン特性を乗せた、目にも留まらぬ先制攻撃だ。
「バサギリ、動くな。……斧で受け止めろ!」
バサギリは冷静に斧を構え、最小限の動きでハッサムの拳を弾き飛ばした。
キィィィン!!
火花が散り、金属と岩石が擦れ合う高音が森に響き渡る。
「なんて反応速度だ……!なら、これでどうかな?ハッサム、『かげぶんしん』からの『つるぎのまい』!」
ハッサムが無数に増殖し、高速で回転しながら自身の攻撃力を高めていく。深紅の残像が森の緑に溶け込み、どこが本体か判別がつかない。
「(速いな……。だが、バサギリには大地の目がある)」
「バサギリ、足元の振動に集中しろ。……そこだ!」
バサギリが斧を一閃させた。
「『がんせきアックス』!!」
「バサァッ!!」
上空から奇襲を仕掛けようとしたハッサムの本体に対し、バサギリの斧が横なぎに放たれた。ハッサムはハサミでガードするが、岩石の重みを乗せた一撃に大きく体勢を崩した。
「今だ!『インファイト』!!」
バサギリが懐に飛び込み、巨大な斧を拳のように使って怒涛の連打を叩き込む。ハッサムは鋼鉄の装甲で耐えようとするが、岩石のパワーを乗せた一撃一撃が、確実にその防御を削っていく。
「最後だ!『ストーンエッジ』!!」
地面から突き出した鋭い岩の柱が、ハッサムを打ち上げた。
ハッサムは力なく地面に落下し、動かなくなった。
「……ハッサム、戦闘不能。勝者、ミナト!」
審判の宣言と共に、ツクシが駆け寄り、ハッサムを労った。
「ありがとう、ハッサム。……ミナト君、素晴らしいよ。現代の進化を極めたハッサムが、古代の力に押し切られるなんて。……本当に良いデータが取れたよ」
ツクシは、俺に歩み寄り、金色の虫の羽を模したインセクトバッジを手渡した。
「これが君の二つ目のバッジ。……いつか、このバサギリの研究データ、もっと詳しく聞かせてね」
「ああ。約束するよ」
俺はバサギリの斧を軽く叩いた。
バサギリは満足げに鼻を鳴らし、ボールへと戻っていった。
ジムを出ると、雨はすっかり上がり、空には大きな虹がかかっていた。
「ミナト、やったな!これで二人ともバッジ二つだ!」
サトシが自分のケースを見せて笑う。
「ああ。次はコガネシティだな。……ジョウト最大の都会だぞ」
俺たちは、ヒワダタウンの人々に見送られ、次の目的地へと歩き出した。
GSボールの解析はガンテツさんに託し、俺たちの旅は新しいフェーズへと進む。
「(コガネシティ、アカネ。……そして、あの悪夢の『ころがる』が待ってるな)」
俺は、これからの激戦を予感しながらも、相棒たちの成長を確信し、力強く一歩を踏み出した。