アニポケ転生者物語   作:投稿者

137 / 344
コガネジム制覇
第121話


ヒワダタウンから34番道路を北上し、俺たちはついにジョウト地方最大の都市、コガネシティにたどり着いた。

遠くからでも見える巨大なビル群、空を飛ぶリニアの線路、そして何よりも街全体から溢れ出す圧倒的な活気。

カントーのヤマブキシティとも違う、どこか開放的で賑やかな空気がそこにはあった。

 

「うわぁ、すっげえ都会だなぁ!」

サトシが口をあんぐりと開けて高層ビルを見上げる。

「デパートに、ゲームコーナーに、ラジオ塔……。一日じゃ回りきれないわね」

カスミも、都会の雰囲気に胸を躍らせているようだった。

 

俺はグラス型デバイスを操作し、街の主要なネットワークにアクセスした。

『コガネシティ。ジョウトの経済・文化の中心。……現在、ラジオ塔の電波出力に微細なノイズを検知。定期メンテナンスの範囲内と推測されます』

 

「(ラジオ塔か。……後の事件の舞台になる場所だな)」

 

俺たちはまず、街のシンボルであるラジオ塔を見学することにした。

内部は最新の放送設備が整っており、多くのスタッフが忙しなく動き回っている。ガラス張りのスタジオでは、人気DJが生放送を行っており、見学者たちが歓声を上げていた。

 

「おや、そこの君たち!これから始まる『ポケモンクイズ・バトル』に参加してみないかい?」

プロデューサーらしき男に声をかけられ、サトシが「面白そうだぜ!」と二つ返事で引き受けた。

 

俺も、テスターとしての知識を試すために参加することにした。

クイズの内容は、「ジョウト地方の特定の地域にしか生息しないポケモンの鳴き声」や「進化の石の組成」など、かなりマニアックなものだったが、俺はデバイスのサポートなしでも全問正解を叩き出した。

 

「おめでとう!全問正解の君には、この『ラジオカード』をプレゼントだ!」

俺は、ポケギアに装着するラジオカードを受け取った。これで、旅の道中でも最新のニュースや音楽を聴くことができる。オーキド博士の講座も聞けるらしい。

 

その後、俺たちは街の地下にある「コガネ地下通路」へと足を運んだ。

ここは怪しげな漢方薬屋や、散髪屋、そしてポケモンの育成を請け負う「育て屋」の出張所などが並ぶ、迷宮のような場所だ。薄暗い通路には、独特の活気と怪しさが入り混じっている。

 

「漢方薬、いかがかね?苦いけど、ポケモンのなつき度が……おや、君のそのヨーギラス。……いい目をしているね」

露店のお婆さんが、俺の肩に乗った色違いのヨーギラスを見て、目を細めた。

 

「ありがとう。こいつは俺の自慢の相棒なんだ」

 

ヨーギラスは少し照れくさそうに顔を背けたが、尻尾は嬉しそうに振れていた。地下通路の独特な匂いに興味津々のようだ。

 

都会の喧騒と、地下に広がる不思議な空間。

コガネシティは、俺たちがこれまでに見てきたどの街よりも多様な「現実」を内包していた。

 

「ミナト、次はジムだ!コガネジムのアカネってリーダー、強いんだろ?」

サトシが拳を握る。

 

「ああ。……覚悟しておけよ、サトシ。あそこの戦いは、これまでのどんなジムよりも『痛い』ぞ」

 

俺は、あの恐るべき「牛の猛攻」を思い出し、不敵な笑みを浮かべた。

黄金の輝きに包まれたこの街で、俺たちの真価が問われようとしていた。

街角の大型ビジョンには、笑顔で手を振るアイドル風の少女が映し出されている。彼女こそが、ジムリーダーのアカネだ。

その笑顔の裏にある、強烈な実力を、俺たちはまだ知らなかった。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。