アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第122話

コガネシティでの滞在二日目。

俺は一人、ラジオ塔のメイン制御室を訪れていた。シルフカンパニーのテスターとして、ジョウトのインフラを支える通信設備の脆弱性診断を依頼されていたからだ。

 

「……なるほど。ネットワークのセキュリティは強固だが、物理的な侵入経路が甘いな」

俺はポリゴン2と共に、各フロアの監視カメラやロックシステムのログを精査していた。警備員の配置や、非常口のロックシステムに、いくつかの盲点が見つかる。

 

『マスター、不審なパケット通信を検知しました。……暗号化された、ロケット団独自の通信プロトコルと一致します』

 

「(やっぱりな。奴ら、この街の心臓部を狙ってるのか)」

 

サカキが消えても、ロケット団の残党たちは組織の再編を目論んでいる。

彼らにとって、ジョウト全土に情報を発信できるラジオ塔は、洗脳電波の発信やプロパガンダのために、喉から手が出るほど欲しい拠点だろう。

 

俺が調査を終えて一階のロビーに戻ると、そこは何やら騒がしくなっていた。

「返せ!それは僕たちの機材だ!」

数人のスタッフが、黒い服を着た男たちに詰め寄られている。男たちは、放送機材の一部を強引に運び出そうとしていた。

 

「黙れ!これはロケット団が接収する。文句があるならサカキ様に言え!」

「(……サカキの名を出すか。完全にハッタリだが、現場の連中にはまだ威光があるらしいな)」

 

俺は、迷うことなくボールを投げた。

「そこまでだ、ロケット団!……ヨーギラス、出番だぞ!」

 

「ギィッ!!」

色違いのヨーギラスが、鋭い眼光と共に男たちの前に立ちはだかる。その深緑の体躯が、ロビーの照明を受けて鈍く光る。

 

「なんだ、このガキは!やっちまえ、ドガース!」

 

「ヨーギラス、『がんせきふうじ』!」

 

ヨーギラスが地面を叩くと、ロビーの装飾に使われていた石材が宙に浮き、ドガースを檻のように閉じ込めた。

さらに『あくのはどう』の衝撃波が、男たちを壁まで吹き飛ばす。

 

「ひぃぃ!このヨーギラス、化け物か!」

男たちは機材を置いて、慌てて逃げ出していった。

 

「助かったよ、ミナト君。君がいなかったら、放送が止まるところだった」

プロデューサーが胸を撫で下ろす。

 

「いいえ。……でも、今の連中はただの斥候です。本隊が動けば、もっと厄介なことになりますよ」

 

俺はポリゴン2に、ラジオ塔の全セキュリティを最高レベルに引き上げるようプログラムを書き換えさせた。これで、外部からの電子的な侵入はほぼ不可能になるはずだ。物理的な警備強化も提案しておく。

 

「(物語の『ラジオ塔占拠』は、まだ先の話……。だが、俺が介入したことで、歴史が変わるかもしれないな)」

 

そんな考えが頭をよぎった時、サトシとカスミが駆け込んできた。

「ミナト!大変だ!ジムリーダーのアカネさんが、どこかに行っちゃったって!」

 

「どこかって、どこへ?」

「買い物に行き詰まって、デパートで迷子になってるらしいのよ……」

カスミが呆れ顔で言う。ジムのトレーナーたちが、大慌てで探しているらしい。

 

「……ふ。らしいといえば、らしいな」

 

俺は、都会の迷宮に迷い込んだジムリーダーを探すべく、巨大なコガネデパートへと足を向けた。

ロケット団の影、そしてマイペースなジムリーダー。

コガネシティの冒険は、一筋縄ではいかない予感がしていた。

デパートの最上階、そこには予想外の光景が待っているはずだ。

 




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