アニポケ転生者物語 作:投稿者
コガネシティ近郊の、緩やかな斜面が続く草原。
サトシの再戦に向けた特訓が始まった。
「いいかサトシ。ミルタンクの『ころがる』は、地面に接している時間が長いほど加速し、威力が上がる。……なら、答えは簡単だ。地面に接させなきゃいい」
「浮かせろってことか?でも、ピカチュウの力じゃ、あの巨体は……」
サトシが腕を組んで悩む。
「力で浮かせなくてもいい。相手の勢いを利用するんだ」
俺は、サイドンをボールから出した。
「サイドン、『じしん』で地面を波立たせてくれ。……サトシ、この波を『ジャンプ台』だと思え」
サイドンが地面を叩くと、草原に土の波が起きた。
「『ころがる』が来たら、この波の頂点で体をぶつける。そうすれば、ミルタンクは自分の勢いで空中に飛び出し、コントロールを失うはずだ」
「なるほど!それならピカチュウでもできるぜ!」
俺たちは、何度もシミュレーションを繰り返した。
俺のウインディが『しんそく』でミルタンク役を務め、サトシのピカチュウやワニノコがタイミングを合わせて迎撃する。最初はタイミングが合わず吹き飛ばされていたサトシたちだが、徐々にコツを掴み始めた。
そんな中、俺は自分のチームの調整も忘れてはいなかった。
「ヨーギラス、お前も『ころがる』対策を考えておくか?」
「ギィ?」
ヨーギラスは首を傾げる。
「焦らなくていい。お前にはお前の、ドッシリとした戦い方があるからな」
その時、デバイスからポリゴン2が警告を発した。
『報告。コガネシティ周辺の通信網に、再びロケット団の痕跡を確認。……今度はラジオ塔ではなく、地下通路の深部にエネルギーが集約されています』
「(地下か……。奴ら、何をするつもりだ?)」
特訓の合間、俺は一人で地下通路の調査に向かった。
そこでは、昨日よりも多くの「黒服の男たち」が、機材を運び込んでいるのが見えた。
「……何をしている?」
俺が物陰から声をかけると、男たちは一斉にこちらを向いた。
「またお前か!邪魔するなら、今度こそ容赦しねえぞ!」
彼らが繰り出したのは、大量のコイルとビリリダマ。
「(電気タイプか。……なら、あいつの出番だな)」
俺は、新しく仲間になったクリスタルイワークを解き放った。
「頼むぞ、イワーク!」
「グオオオオッ!!」
地下通路の薄暗い光を浴びて、イワークの体が青白く輝く。
「なんだ、そのイワーク!?……クリスタルなら電気を通すはずだ!構わん、『10まんボルト』連射だ!」
男たちの指示で、一斉に電撃が放たれる。だが、クリスタルイワークは避けるどころか、その電撃を浴びながら悠然と進み続けた。地面タイプの特性は失われていないのだ。
さらに、別の団員が繰り出したクラブが『みずでっぽう』を放つが、イワークの体表で弾け、光となって霧散した。
「な、なんで水が効かないんだ!?」
「……お前たちの浅知恵じゃ、こいつの輝きは消せないぞ!」
クリスタルイワークの『アイアンテール』が、ロケット団の機材を一掃した。
地下通路に静寂が戻る。
「(ロケット団の動きが加速している……。ジム戦をのんびり待っている余裕はないかもしれないな)」
俺は、急いでサトシたちの元へ戻った。
特訓は仕上げに入っていた。
「準備はできたぜ、ミナト!今度こそ、アカネさんに勝ってみせる!」
サトシの瞳には、勝利への確信が宿っていた。
明日、俺たちの特訓の成果が、コガネジムで証明される。