アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第124話

コガネシティ近郊の、緩やかな斜面が続く草原。

サトシの再戦に向けた特訓が始まった。

 

「いいかサトシ。ミルタンクの『ころがる』は、地面に接している時間が長いほど加速し、威力が上がる。……なら、答えは簡単だ。地面に接させなきゃいい」

 

「浮かせろってことか?でも、ピカチュウの力じゃ、あの巨体は……」

サトシが腕を組んで悩む。

 

「力で浮かせなくてもいい。相手の勢いを利用するんだ」

俺は、サイドンをボールから出した。

「サイドン、『じしん』で地面を波立たせてくれ。……サトシ、この波を『ジャンプ台』だと思え」

 

サイドンが地面を叩くと、草原に土の波が起きた。

「『ころがる』が来たら、この波の頂点で体をぶつける。そうすれば、ミルタンクは自分の勢いで空中に飛び出し、コントロールを失うはずだ」

 

「なるほど!それならピカチュウでもできるぜ!」

 

俺たちは、何度もシミュレーションを繰り返した。

俺のウインディが『しんそく』でミルタンク役を務め、サトシのピカチュウやワニノコがタイミングを合わせて迎撃する。最初はタイミングが合わず吹き飛ばされていたサトシたちだが、徐々にコツを掴み始めた。

 

そんな中、俺は自分のチームの調整も忘れてはいなかった。

「ヨーギラス、お前も『ころがる』対策を考えておくか?」

「ギィ?」

 

ヨーギラスは首を傾げる。

「焦らなくていい。お前にはお前の、ドッシリとした戦い方があるからな」

 

その時、デバイスからポリゴン2が警告を発した。

『報告。コガネシティ周辺の通信網に、再びロケット団の痕跡を確認。……今度はラジオ塔ではなく、地下通路の深部にエネルギーが集約されています』

 

「(地下か……。奴ら、何をするつもりだ?)」

 

特訓の合間、俺は一人で地下通路の調査に向かった。

そこでは、昨日よりも多くの「黒服の男たち」が、機材を運び込んでいるのが見えた。

 

「……何をしている?」

俺が物陰から声をかけると、男たちは一斉にこちらを向いた。

 

「またお前か!邪魔するなら、今度こそ容赦しねえぞ!」

彼らが繰り出したのは、大量のコイルとビリリダマ。

 

「(電気タイプか。……なら、あいつの出番だな)」

 

俺は、新しく仲間になったクリスタルイワークを解き放った。

「頼むぞ、イワーク!」

 

「グオオオオッ!!」

地下通路の薄暗い光を浴びて、イワークの体が青白く輝く。

 

「なんだ、そのイワーク!?……クリスタルなら電気を通すはずだ!構わん、『10まんボルト』連射だ!」

 

男たちの指示で、一斉に電撃が放たれる。だが、クリスタルイワークは避けるどころか、その電撃を浴びながら悠然と進み続けた。地面タイプの特性は失われていないのだ。

さらに、別の団員が繰り出したクラブが『みずでっぽう』を放つが、イワークの体表で弾け、光となって霧散した。

 

「な、なんで水が効かないんだ!?」

 

「……お前たちの浅知恵じゃ、こいつの輝きは消せないぞ!」

 

クリスタルイワークの『アイアンテール』が、ロケット団の機材を一掃した。

地下通路に静寂が戻る。

 

「(ロケット団の動きが加速している……。ジム戦をのんびり待っている余裕はないかもしれないな)」

 

俺は、急いでサトシたちの元へ戻った。

特訓は仕上げに入っていた。

「準備はできたぜ、ミナト!今度こそ、アカネさんに勝ってみせる!」

 

サトシの瞳には、勝利への確信が宿っていた。

明日、俺たちの特訓の成果が、コガネジムで証明される。

 

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