アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第125話

コガネジム、再戦の朝。

「アカネさん、もう一度バトルをお願いします!」

サトシの声がスタジアムに響く。

 

「ええよ、サトシ君!昨日はごめんね、一緒に泣いちゃって。……でも、今日も手加減はせえへんで!」

アカネは、今日も元気いっぱいにミルタンクを繰り出した。

 

「行くぞ!ピカチュウ、『でんこうせっか』!」

「ミルタンク、回れ!『ころがる』や!」

 

バトルは昨日と同じ展開で始まった。

ミルタンクが加速し、巨大な破壊の塊となってフィールドを駆け巡る。

だが、サトシは動じなかった。彼の瞳は、ミルタンクの軌道を冷静に追っている。

 

「今だ、ピカチュウ!フィールドの割れ目を狙え!」

 

サトシの指示で、ピカチュウが昨日の特訓で崩れた地面の段差に飛び込んだ。

猛スピードで迫るミルタンク。

ピカチュウが段差を蹴り、ミルタンクの回転の軸を真横から叩いた。

 

「浮いた!」

カスミが叫ぶ。

遠心力と段差の衝撃で、ミルタンクの巨体がフワリと宙に浮いた。

空中では、自慢の機動力も発揮できない。ミルタンクは無防備なボールとなって空を舞う。

 

「とどめだ!『かみなり』!!」

無防備な腹部に、ピカチュウの全力の電撃が直撃した。

 

「モォォッ!?」

ミルタンクは目を回し、大きな音を立てて地面に転がった。

 

「ミルタンク、戦闘不能!よって勝者、サトシ選手!」

 

「やったぁぁぁ!勝ったぞ、ピカチュウ!」

サトシがピカチュウと抱き合う。アカネは……またしても泣き出したが、今度はサトシの勝利を称える、嬉し泣きだった。

 

「おめでとう、サトシ君。……はい、これがレギュラーバッジや」

 

サトシが三つ目のバッジを手に入れた後、俺は一歩前へ出た。

「さて、次は俺の番だ。……手加減なしで行かせてもらうよ」

 

「……いい目やね。ミナト君、あんたはサトシ君とはまた違う、強いオーラを感じるわ。……うちも、本気で行くで!」

 

ミナト対アカネ。

俺が選んだのは、大地の女王、ニドクインだった。

 

「ミルタンク、もう一度『ころがる』!」

「ニドクイン、逃げるな。正面から受け止めるぞ」

 

「ええっ!?」

アカネが驚く。観客席からもどよめきが起きた。

加速したミルタンクの衝撃は、数トンの重戦車にも匹敵する。それを真っ向から受けるなど、正気の沙汰ではない。

 

ドォォォォン!!

 

激突。凄まじい衝撃波が走り、スタジアムの床が砕ける。

だが、ニドクインは一歩も引かなかった。

太い両腕で、回転し続けるミルタンクをガッチリと受け止めたのだ。

 

「グオオオオン!!」

ニドクインの筋肉が、ミシミシと音を立てて隆起する。

 

「な、なんてパワー……!回転が止まっていく!?」

 

「力には力。……これが、俺たちの答えだ。ニドクイン、そのまま放り投げろ!『ちきゅうなげ』!」

 

ニドクインはミルタンクの回転を力任せに止めると、その巨体を軽々と頭上へ持ち上げ、背負い投げの要領で叩きつけた。

 

ズガァァァン!!

 

スタジアムが激しく揺れ、土煙が舞う。

煙が晴れた時、そこには力尽きたミルタンクの姿があった。

 

「……ミルタンク、戦闘不能。勝者、ミナト!」

 

静寂。そして、割れんばかりの拍手が巻き起こった。

テクニックや機転ではなく、圧倒的な「個」の力による制圧。

それは、都会の洗練されたバトルに慣れた観客たちにとって、衝撃的な光景だった。

 

「……参ったわ。うちのミルタンクを正面から止めるなんて、あんた……ほんまに人間?」

アカネが、呆れたように、バッジを差し出してきた。

 

俺はレギュラーバッジを手に取り、相棒たちの頑張りを称えた。

これで、ジョウトのバッジは三つ。

 

だが、勝利の余韻に浸る間もなく、俺のポケギアが激しく鳴り響いた。

母さんからの緊急連絡だ。

 

『ミナト!ラジオ塔が……本格的にロケット団に占拠されたわ!』

 

「(来たか……。歴史の修正力か、それとも奴らの執念か)」

 

俺は、サトシたちを振り返った。

「サトシ、カスミ。バッジの余韻は後だ。……本番が、始まるぞ」

 

黄金の都会に、不穏な旋律が響き始めようとしていた。

俺たちはジムを飛び出し、黒煙の上がるラジオ塔へと走った。

 

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