アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第127話

イーブイを仲間にした俺たちは、ポケモンセンターで回復を済ませた後、街のシンボルである『焼けた塔』を訪れた。

かつてはスズの塔と対をなす美しい塔だったというが、今は黒く焼け焦げ、骨組みだけが残る無残な姿を晒している。

夕日が、そのシルエットを赤く浮かび上がらせていた。

 

「150年前の火事で焼け落ちた、か……。何があったんだろうな」

サトシが、崩れた壁の隙間から中を覗き込む。

ピカチュウも、鼻をクンクンさせて焦げた匂いを感じ取っているようだ。

 

「そこへ入るのは危険だぞ」

背後から、落ち着いた声がかけられた。

振り返ると、金髪に紫色のバンダナを巻いた青年と、紫色のマントを羽織った青年が立っていた。

 

「僕はマツバ。この街のジムリーダーをしている」

「そして私はミナキ。伝説のポケモン、スイクンを追う者だ」

 

「ジムリーダーのマツバさん!」

サトシが目を輝かせる。

 

マツバは、静かに焼けた塔を見上げて語り始めた。

「150年前の落雷によって火災が発生し、三日三晩燃え続けた末に焼け落ちてしまったんだ」

 

「三日三晩……」

カスミが息を呑む。

 

「その火事の際、三匹の名もなきポケモンが逃げ遅れて命を落としたんだ。……だが、空から舞い降りたホウオウが、彼らに新たな命を与えた」

 

「それが、雷の力を宿したライコウ、炎の力を宿したエンテイ、そして水の力を宿したスイクンだ」

ミナキが言葉を継ぐ。

「蘇った彼らは、人々の争いを恐れ、力を封印して眠りについたと言われている。……だが、最近、この塔の地下から奇妙な波動が観測されているんだ」

 

「波動……?」

 

その時、俺の懐にある『にじいろのはね』と『銀色の羽』が、同時に熱を持った。

まるで、塔の地下に眠る何かに呼びかけられているように。

「っ……!」

俺が胸元を押さえると、マツバが鋭い視線を向けた。

 

「君、それは……?」

俺は観念して、『にじいろのはね』を取り出した。夕日に照らされ、七色の光が輝く。

 

「なっ……!それはホウオウの羽!?」

マツバとミナキが驚愕する。

「まさか、君はホウオウに選ばれたトレーナーなのか?」

 

「選ばれたかどうかは分かりません。ただ、ワカバタウンで偶然拾ったんです」

「偶然……いや、伝説のポケモンに関わるものに偶然はない。君がここに来たことにも、きっと意味があるはずだ」

 

マツバの言葉に、俺は緊張感を覚えた。

ただの観光気分ではいられない。俺は既に、この地方の伝説の深淵に足を踏み入れているのだ。

三犬、ホウオウ、そしてルギア。

全ての伝説が、この場所で交錯しようとしている。

 

その時、塔の地下から、ドォン!という鈍い爆発音が響いてきた。

地面が微かに揺れる。

 

「なんだ!?」

「地下だ!何者かが封印を解こうとしている!」

ミナキが叫ぶ。

 

「ロケット団か……!」

俺とサトシは顔を見合わせ、走り出した。

眠れる伝説が、今まさに目覚めようとしている。

その予感に、全身の血が沸騰するようだった。

俺たちは、崩れかけた階段を駆け下り、闇の中へと飛び込んだ。

 

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