アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第129話

焼けた塔から出た俺たちを待っていたのは、夕闇に染まるエンジュシティの街並みと、ボールを構えたミナキだった。

 

「スイクンは、高潔な魂を持つ人間にしか姿を見せないと言われている。……君がそれに相応しいかどうか、私が試させてもらう!」

 

ミナキの熱意は本物だ。スイクンを追い続け、その全てを捧げてきた男の意地。

「いいでしょう。受けて立ちます」

 

俺は、新しく仲間になったばかりのイーブイのボールを握った。

「(イーブイ、怖くないか?)」

ボールの中で、イーブイが小さく震えながらも、やる気に満ちた返事をするのが伝わってくる。

 

「行け、フーディン!」

ミナキが繰り出したのは、スプーンを持ったエスパータイプの強豪、フーディン。

 

「イーブイ、君に決めた!」

俺はイーブイをフィールドに出した。小さな体が、強敵を前にして武者震いしている。

 

「イーブイか。可愛らしいが、私のフーディンの相手になるかな?『サイケこうせん』!」

 

「イーブイ、走れ!『でんこうせっか』!」

 

イーブイが弾かれたように走り出す。フーディンの光線をジグザグ走行でかわし、懐に飛び込もうとする。

だが、フーディンは『テレポート』で瞬時に背後へ移動した。

 

「そこだ、『サイコキネシス』!」

「イーブイ、『あなをほる』!」

 

イーブイが間一髪で地面に潜り込む。念動力が空を切る。

「(力では勝てない。知恵を使うんだ)」

 

「フーディン、地面に向けて『エナジーボール』!」

ミナキが地面を攻撃させる。爆発でイーブイが掘り出される。

 

「きゃいん!」

イーブイが吹き飛ばされる。

 

「まだだ!空中で体勢を立て直せ!『シャドーボール』!」

 

俺の指示に、イーブイが口から黒い球体を吐き出した。

まだ覚えたてで小さいが、ゴースト技はエスパーに効果抜群だ。

 

「なっ、シャドーボールだと!?」

フーディンが直撃を受け、よろめく。

 

「今だ!『かみつく』!」

 

着地したイーブイが、フーディンの腕に噛み付く。悪タイプの技もまた、エスパーには効果的だ。

ミナキのフーディンは、予想外のダメージに膝をついた。

 

「……そこまで!」

マツバが割って入った。

 

「ミナキ、そこまでにしておけ。これ以上やっても、君の負けだ」

「くっ……。イーブイ一匹に、ここまで翻弄されるとは」

 

ミナキは悔しそうにフーディンを戻したが、すぐに表情を改めて俺に歩み寄った。

「完敗だ。君の指示、そしてイーブイの潜在能力……。スイクンが君に目を留めた理由が、少し分かった気がするよ」

 

「ありがとうございます。イーブイも、よく頑張ったな」

俺は、ボロボロになりながらも誇らしげなイーブイを抱き上げた。

「ブイッ!」

 

この小さな体の中に、無限の可能性が眠っている。

いつか、スイクンと対等に渡り合える日が来るかもしれない。

そんな予感を抱かせる、熱いバトルだった。

 

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