アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第132話

エンジュシティを出発する日の朝。

俺たちは、スズの塔が見える高台で、最後の休憩をとっていた。

 

「結局、スイクンたちにはあれっきり会えなかったな」

サトシが残念そうに言う。

「伝説のポケモンだもの。そう簡単には会えないわよ」

カスミが慰める。

 

俺は、イーブイをボールから出し、膝に乗せてブラッシングをしていた。

「ブイ……♪」

最初は怯えていたイーブイも、今ではすっかり俺に懐き、甘えるような声を出してくれるようになった。

 

「お前は、どんなポケモンになりたいんだ?」

 

俺が問いかけると、イーブイは首を傾げた。

シャワーズ、サンダース、ブースター。

エーフィ、ブラッキー。

そして、シンオウ地方で発見されるリーフィア、グレイシア。

イーブイの未来は無限だ。

 

「(俺の知識で、最適な進化を選んでやることもできる。……でも、それは違う気がする)」

 

進化は、トレーナーのエゴじゃない。ポケモンの生き方そのものだ。

俺は、イーブイが自分で「なりたい自分」を見つけるまで、待ちたいと思った。

 

その時、草むらがガサガサと揺れた。

飛び出してきたのは、ロケット団のコラッタとアーボだった。

「見つけたぞ!あの時のガキどもだ!」

以前撃退したロケット団員たちが、執念深く俺たちを追ってきたのだ。

 

「しつこいな!ピカチュウ!」

「バサギリ!」

 

サトシと俺が応戦しようとした時、イーブイが俺の膝から飛び降りた。

「ブイッ!!」

イーブイは、小さな体でロケット団の前に立ちはだかり、威嚇の声を上げた。

 

「イーブイ、危ないぞ!」

 

だが、イーブイは引かなかった。

『かみつく』でコラッタに飛びかかり、『スピードスター』でアーボを牽制する。

その姿は、「守られるだけじゃない、私も戦いたい」という強い意志に満ちていた。

 

「……そうか。お前も、強くなりたいんだな」

 

俺は、イーブイの覚悟を受け止めた。

「よし、イーブイ!『てだすけ』だ!ピカチュウとバサギリの攻撃を強化しろ!」

 

イーブイが光を放ち、仲間たちに力を送る。

強化された『10まんボルト』と『がんせきアックス』が、ロケット団を空の彼方へ吹き飛ばした。

 

「やったな、イーブイ!」

 

俺が抱き上げると、イーブイは誇らしげに胸を張った。

まだ進化はしていない。だが、その心は確実に、次のステージへと進んでいた。

 

「ゆっくりでいい。一緒に強くなろう」

 

俺の言葉に、イーブイは「ブイ!」と力強く応えた。

朝日が昇り、スズの塔を黄金色に照らす。

俺たちの旅は、まだ中盤。

これから出会う数々の試練も、この仲間たちとなら、きっと乗り越えていける。

 

「出発だ!次はアサギシティ!」

 

俺たちは、輝く未来へ向かって、力強く歩き出した。

 

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