アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第140話

アサギシティの裏手に広がる、切り立った岩場と激しい潮流が渦巻く海岸線。

そこは、観光客も寄り付かない危険なエリアだが、俺とタッツーにとっては最高の特訓場だった。

 

「いいかタッツー。この流れに逆らって泳ぐんじゃない。流れを読むんだ」

 

タッ!(わかった!)

 

タッツーは小さな体をくねらせ、荒波の中に飛び込んだ。

最初は波に揉まれて木の葉のように舞っていたが、徐々に水流の隙間を見つけ、矢のように進むコツを掴んでいく。

オレンジ諸島のラプラスの背中で学んだバランス感覚が活きている。

 

「そうだ!その感覚だ!『りゅうのいぶき』!」

 

タッツーが口から青い炎のようなエネルギーを吐き出す。

水流を切り裂き、岩を砕く。ドラゴンの力が目覚め始めている証拠だ。

 

その時、海中から無数の触手が伸びてきた。

野生のドククラゲの群れだ。縄張りを荒らされたと思って怒っているらしい。

 

「数は多いが、実戦形式にはもってこいだ!行くぞ!」

 

ドククラゲたちの触手が、四方八方からタッツーを襲う。毒針の攻撃だ。

「かわせ!そして『えんまく』!」

 

タッツーは墨を吐いて視界を遮ると、その隙にドククラゲの背後に回り込んだ。

小さな体だからこそできる、小回りの利いた機動。

 

「今だ!『ハイドロポンプ』!」

 

タッツーの口から、体格に見合わない極太の水流が放たれた。

水圧の塊がドククラゲたちをまとめて吹き飛ばし、沖の方へと押し流していく。

 

「すごい威力だ……!」

 

戦いを終えたタッツーが、海面から顔を出した。

その時、彼の体が眩い光に包まれた。

蓄積された経験値と、ドラゴンの力が臨界点を超えたのだ。

 

「タッツー……!」

 

光が収まると、そこには一回り大きく、より鋭角的なフォルムになったポケモンがいた。

背中のヒレが鋭くなり、目つきも凛々しくなっている。鱗の一枚一枚が、硬質に輝いている。

 

「シードラ……!進化したな!」

 

シードラッ!(やったぞ!)

 

シードラは、嬉しそうに海面を跳ねた。そのスピードは、進化前とは比べ物にならない。

水を切る音が変わった。以前の「バシャッ」という音ではなく、「シュッ」という鋭い音だ。

 

「おめでとう。これで、キングドラへの道が開けたな」

 

俺はシードラを撫でた。その肌は硬く、頼もしさを感じさせる。

キングドラに進化するには『りゅうのウロコ』が必要だが、そのための基礎体力は十分に備わったと言えるだろう。

 

「よし、アサギでの目的は達した。……次はタンバシティへ向かうぞ」

 

俺はラプラスを呼び出した。

「ラプラス、頼む。タンバまでひとっ飛びだ。シードラもついてこれるか?」

 

シードラッ!(もちろん!)

 

シードラもラプラスの横に並び、意気揚々と泳ぎ出した。

アサギの海を越え、格闘の聖地へ。

俺たちの旅は、さらに激しい海路へと移っていく。

その先には、うずまき列島とルギアの伝説が待っている。

 

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