アニポケ転生者物語   作:投稿者

160 / 344
第141話

アサギシティからタンバシティへの航路は、通称「うずまき列島」と呼ばれる大小様々な島々が点在する難所だ。

複雑な海流がぶつかり合い、巨大な渦潮を生み出している。

普通の船なら一瞬で飲み込まれてしまうだろうが、俺のラプラスは「波乗り」の達人だ。

 

「ここがうずまき列島か……。すごい迫力だな」

 

ラプラスの背中で、俺は荒れ狂う海を見渡した。

隣を泳ぐシードラは、むしろこの環境を楽しんでいるようで、渦潮の縁をサーフィンのように滑走している。

 

「(ルギアの伝説が残る海域……。オレンジ諸島のルギアとは別の個体が、この海のどこかに眠っているはずだ)」

 

俺はグラス型デバイスで海中のエネルギー反応を探った。

深海数千メートル付近に、微かだが巨大な生体反応がある。

それは、通常の水ポケモンとは異なる、強大なサイコウェーブを含んでいた。

 

『報告。極めて強力なサイコウェーブと、高密度のエアロエネルギーを検知。……深度が深すぎるため、詳細は不明です』

 

「(やっぱりいるな。……だが、今は刺激しないでおこう)」

 

俺は、ルギアの眠りを妨げないよう、海面付近を進むことにした。

 

その時、上空から黒い影が過った。

「エアームド、警戒しろ!」

 

俺はエアームドを上空へ放った。

影の正体は、野生のオニドリルたちだった。この辺りの空域を縄張りにしているらしく、集団で襲いかかってくる。

 

「シードラ、『れいとうビーム』!エアームド、『はがねのつばさ』!」

 

海と空からの連携攻撃。

シードラの放つ絶対零度の光線がオニドリルの翼を凍らせ、動きが鈍ったところをエアームドの鋼の翼が叩き落とす。

完璧なコンビネーションだ。

あっという間にオニドリルたちは退散していった。

 

「ナイス連携だ。二人とも」

 

障害を排除し、俺たちは順調に進んだ。

やがて、水平線の向こうに、断崖絶壁に囲まれた島が見えてきた。

荒波が打ち付けるその島こそ、格闘家たちが集う修行の場、タンバシティだ。

 

「着いたな。……サトシたちはもう帰った後かな?」

 

港にはサトシたちの姿はなく、代わりに薬屋から出てきたばかりの定期船が見えた。

どうやら、入れ違いになったようだ。彼らは無事に「秘伝の薬」を手に入れ、アサギへ急いでいるのだろう。

 

「まあいい。俺は俺で、ここでやるべきことをやるだけだ」

 

俺はラプラスを労い、シードラをボールに戻して、タンバシティの大地に降り立った。

潮風に混じって、熱気と汗の匂いが漂ってくる。

この街全体が、一つの巨大な道場のようだ。

 

「(まずは情報収集……そして、ジム戦だ)」

 

俺は、気合を入れて歩き出した。

筋肉と汗の街で、俺のポケモンたちがどれだけ通用するか、試させてもらおう。

 

ヒロインいる?

  • いる
  • いらない
  • 結果だけ見る
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。