アニポケ転生者物語 作:投稿者
アサギシティからタンバシティへの航路は、通称「うずまき列島」と呼ばれる大小様々な島々が点在する難所だ。
複雑な海流がぶつかり合い、巨大な渦潮を生み出している。
普通の船なら一瞬で飲み込まれてしまうだろうが、俺のラプラスは「波乗り」の達人だ。
「ここがうずまき列島か……。すごい迫力だな」
ラプラスの背中で、俺は荒れ狂う海を見渡した。
隣を泳ぐシードラは、むしろこの環境を楽しんでいるようで、渦潮の縁をサーフィンのように滑走している。
「(ルギアの伝説が残る海域……。オレンジ諸島のルギアとは別の個体が、この海のどこかに眠っているはずだ)」
俺はグラス型デバイスで海中のエネルギー反応を探った。
深海数千メートル付近に、微かだが巨大な生体反応がある。
それは、通常の水ポケモンとは異なる、強大なサイコウェーブを含んでいた。
『報告。極めて強力なサイコウェーブと、高密度のエアロエネルギーを検知。……深度が深すぎるため、詳細は不明です』
「(やっぱりいるな。……だが、今は刺激しないでおこう)」
俺は、ルギアの眠りを妨げないよう、海面付近を進むことにした。
その時、上空から黒い影が過った。
「エアームド、警戒しろ!」
俺はエアームドを上空へ放った。
影の正体は、野生のオニドリルたちだった。この辺りの空域を縄張りにしているらしく、集団で襲いかかってくる。
「シードラ、『れいとうビーム』!エアームド、『はがねのつばさ』!」
海と空からの連携攻撃。
シードラの放つ絶対零度の光線がオニドリルの翼を凍らせ、動きが鈍ったところをエアームドの鋼の翼が叩き落とす。
完璧なコンビネーションだ。
あっという間にオニドリルたちは退散していった。
「ナイス連携だ。二人とも」
障害を排除し、俺たちは順調に進んだ。
やがて、水平線の向こうに、断崖絶壁に囲まれた島が見えてきた。
荒波が打ち付けるその島こそ、格闘家たちが集う修行の場、タンバシティだ。
「着いたな。……サトシたちはもう帰った後かな?」
港にはサトシたちの姿はなく、代わりに薬屋から出てきたばかりの定期船が見えた。
どうやら、入れ違いになったようだ。彼らは無事に「秘伝の薬」を手に入れ、アサギへ急いでいるのだろう。
「まあいい。俺は俺で、ここでやるべきことをやるだけだ」
俺はラプラスを労い、シードラをボールに戻して、タンバシティの大地に降り立った。
潮風に混じって、熱気と汗の匂いが漂ってくる。
この街全体が、一つの巨大な道場のようだ。
「(まずは情報収集……そして、ジム戦だ)」
俺は、気合を入れて歩き出した。
筋肉と汗の街で、俺のポケモンたちがどれだけ通用するか、試させてもらおう。
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