アニポケ転生者物語   作:投稿者

161 / 344
第142話

タンバシティ。

街を歩けば、そこかしこでポケモンとトレーナーが組み手を行っている光景に出くわす。

カイリキーが岩を砕き、サワムラーがキックの練習をし、エビワラーがパンチを繰り出す。

ここでは、強さこそが正義であり、挨拶だ。

 

「熱い街だな……。ここなら、あいつの修行にぴったりだ」

 

俺は、ヨーギラスをボールから出した。

「ヨーギラス、お前の出番だぞ。バンギラスになるためには、苦手な格闘技にも耐えられるタフさが必要だ」

 

ギィッ!(望むところだ!)

ヨーギラスは、周囲の格闘ポケモンたちを見て、怯むどころか闘志を燃やしている。

 

俺たちは、街外れにあるオープンスペースの格闘道場を訪れた。

そこでは、多くの門下生たちが師範代の指導の下、厳しい修行に励んでいる。

 

「たのもー!道場破り……じゃないけど、手合わせ願いたい!」

 

俺が声を上げると、師範代らしき男が出てきた。

「ほう、威勢がいいな。だが、ここは半端な覚悟で来るところじゃないぞ。怪我をしても知らんぞ?」

 

「覚悟ならできてるさ。……ヨーギラス、行くぞ!」

 

最初の相手は、ワンリキー。

「ワンリキー、『からてチョップ』!」

「ヨーギラス、『てっぺき』で受け止めろ!」

 

ヨーギラスは防御を固め、チョップを正面から受け止めた。岩タイプにとって格闘技は効果抜群だが、ヨーギラスは一歩も引かない。

「そのまま『あばれる』!」

 

ヨーギラスが猛然と反撃に出る。力任せの攻撃だが、そのパワーはワンリキーを圧倒した。

 

次はゴーリキー。

「『じごくぐるま』!」

「踏ん張れ!そして『じしん』!」

 

投げられそうになったところを、体重をかけて踏ん張り、逆に地面を揺らして相手のバランスを崩す。

ヨーギラスは、傷だらけになりながらも、次々と格闘ポケモンたちをねじ伏せていった。

 

「はぁ、はぁ……。やるな、お前」

師範代が感心したように言う。

「その小さな体で、これほどの闘争心とタフネス。……将来が楽しみだ」

 

「ギィーッ!」

ヨーギラスは、勝どきを上げるように咆哮した。その体から、白い光が溢れ出す……かと思われたが、まだ進化には至らなかった。

だが、その表情は以前よりも数段、大人びて見えた。経験値は確実に溜まっている。

 

「よくやった。……さて、ウォーミングアップは十分だ」

 

俺は、道場の奥に見えるタンバジムを見上げた。

そこには、この島の主、シジマが待っている。

豪快な格闘技の使い手として知られる彼とのバトルは、きっと熱いものになるだろう。

 

「行くぞ、ジム戦だ!」

 

俺たちは、道場の門下生たちに見送られ、決戦の地へと向かった。

タンバジムの扉が、重々しい音を立てて開く。

中からは、滝の轟音と、気合の掛け声が聞こえてきた。

 

ヒロインいる?

  • いる
  • いらない
  • 結果だけ見る
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。