アニポケ転生者物語 作:投稿者
タンバジム。
そこは、ジムというよりは巨大な岩場のような場所だった。
天井から滝が流れ落ち、岩が積み上げられたフィールド。水しぶきが舞い、足元は滑りやすい。
「ガハハハ!よく来たな若者よ!ワシがジムリーダーのシジマじゃ!」
筋骨隆々とした巨漢、シジマが岩の上で仁王立ちしている。
滝に打たれながら瞑想していたのだろうか、その体からは湯気が立ち上っている。
「サトシという少年からも聞いたぞ。お前さんも相当な使い手らしいな!薬を取りに来たと思ったら、ジム戦まで挑んでくるとは、いい度胸じゃ!」
「ええ。サトシに負けてられませんからね。……全力で行きます!」
「いい目だ!その気迫、ワシの筋肉が喜んでおるわ!勝負じゃ!」
バトル開始。シジマの先発はオコリザル。
「オコリザル、『きあいパンチ』!」
気合を溜め、一撃必殺の拳を放とうとする。
「パワー勝負なら受けて立つ。……行け、カイリュー!」
俺はカイリューを繰り出した。
「カイリュー、『ドラゴンクロー』!」
オコリザルの拳と、カイリューの爪が激突する。
衝撃波が岩を砕く。だが、カイリューのパワーが勝った。オコリザルは吹き飛ばされ、岩壁にめり込んだ。
「オコリザル、戦闘不能!」
「ぬぅ、やるわい!だが、次はどうかな?ニョロボン!」
シジマの二匹目は、筋肉質のニョロボン。水・格闘タイプだ。
「ニョロボン、『こころのめ』からの『ばくれつパンチ』!」
必中のコンボを狙ってくる。これを食らえば混乱は必至だ。
「カイリュー、戻れ!……フシギバナ、お前の番だ!」
俺はフシギバナに交代した。
「フシギバナ、『ねむりごな』!」
ニョロボンが拳を振りかぶった瞬間、フシギバナの花から青い粉が噴出した。
至近距離で吸い込んだニョロボンは、強烈な眠気に襲われ、パンチを繰り出す前に崩れ落ちた。
「な、寝てしまったじゃと!?」
「寝ている間に決めるぞ!『ソーラービーム』!」
フシギバナが太陽のエネルギーをチャージし、極太の光線を放つ。
無防備なニョロボンを直撃。一撃で勝負が決まった。
「ニョロボン、戦闘不能!」
「なんと……!ワシの自慢の筋肉たちが、手も足も出んとは!」
シジマは最後の切り札、カイリキーを繰り出した。
「カイリキー、『クロスチョップ』!」
「フシギバナ、戻れ。……最後はやっぱり、カイリューだ!」
俺は再びカイリューを出した。
「カイリキー、四本の腕で捕まえろ!」
カイリキーがカイリューに組み付こうとする。四本の腕による関節技は、一度捕まれば脱出不可能だ。
「捕まらないよ。『しんそく』!」
カイリューが消える。
次の瞬間、カイリキーの背後から衝撃が走った。
「『つばめがえし』!」
飛行タイプの技は格闘に効果抜群だ。カイリューの燕返しが、カイリキーの急所を的確に突いた。
カイリキーは前のめりに倒れた。
「カイリキー、戦闘不能!勝者、ミナト!」
「……完敗じゃ。力、技、スピード。すべてにおいてお前さんが上じゃったわ」
シジマは豪快に笑い、俺の肩を叩いた。バシバシと痛いくらいだ。
「見事な戦いぶりじゃった!これを持っていけ!」
俺は、拳を模したショックバッジを受け取った。
「ありがとうございます。いい汗かけました」
俺は、勝利したカイリューとフシギバナを労った。
これでバッジは五つ。
タンバシティでの目的は果たした。
「(薬はサトシたちがアサギに届けているはずだ。……俺も戻ろう)」
俺は、夕日に染まるタンバの海を見つめた。
アサギシティで待つ、鋼鉄の少女との約束を果たすために。
そして、その先にある新たな冒険のために。
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