アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第143話

タンバジム。

そこは、ジムというよりは巨大な岩場のような場所だった。

天井から滝が流れ落ち、岩が積み上げられたフィールド。水しぶきが舞い、足元は滑りやすい。

 

「ガハハハ!よく来たな若者よ!ワシがジムリーダーのシジマじゃ!」

筋骨隆々とした巨漢、シジマが岩の上で仁王立ちしている。

滝に打たれながら瞑想していたのだろうか、その体からは湯気が立ち上っている。

 

「サトシという少年からも聞いたぞ。お前さんも相当な使い手らしいな!薬を取りに来たと思ったら、ジム戦まで挑んでくるとは、いい度胸じゃ!」

 

「ええ。サトシに負けてられませんからね。……全力で行きます!」

 

「いい目だ!その気迫、ワシの筋肉が喜んでおるわ!勝負じゃ!」

 

バトル開始。シジマの先発はオコリザル。

「オコリザル、『きあいパンチ』!」

気合を溜め、一撃必殺の拳を放とうとする。

 

「パワー勝負なら受けて立つ。……行け、カイリュー!」

 

俺はカイリューを繰り出した。

「カイリュー、『ドラゴンクロー』!」

 

オコリザルの拳と、カイリューの爪が激突する。

衝撃波が岩を砕く。だが、カイリューのパワーが勝った。オコリザルは吹き飛ばされ、岩壁にめり込んだ。

 

「オコリザル、戦闘不能!」

 

「ぬぅ、やるわい!だが、次はどうかな?ニョロボン!」

 

シジマの二匹目は、筋肉質のニョロボン。水・格闘タイプだ。

「ニョロボン、『こころのめ』からの『ばくれつパンチ』!」

必中のコンボを狙ってくる。これを食らえば混乱は必至だ。

 

「カイリュー、戻れ!……フシギバナ、お前の番だ!」

 

俺はフシギバナに交代した。

「フシギバナ、『ねむりごな』!」

 

ニョロボンが拳を振りかぶった瞬間、フシギバナの花から青い粉が噴出した。

至近距離で吸い込んだニョロボンは、強烈な眠気に襲われ、パンチを繰り出す前に崩れ落ちた。

 

「な、寝てしまったじゃと!?」

 

「寝ている間に決めるぞ!『ソーラービーム』!」

 

フシギバナが太陽のエネルギーをチャージし、極太の光線を放つ。

無防備なニョロボンを直撃。一撃で勝負が決まった。

 

「ニョロボン、戦闘不能!」

 

「なんと……!ワシの自慢の筋肉たちが、手も足も出んとは!」

 

シジマは最後の切り札、カイリキーを繰り出した。

「カイリキー、『クロスチョップ』!」

 

「フシギバナ、戻れ。……最後はやっぱり、カイリューだ!」

 

俺は再びカイリューを出した。

「カイリキー、四本の腕で捕まえろ!」

カイリキーがカイリューに組み付こうとする。四本の腕による関節技は、一度捕まれば脱出不可能だ。

 

「捕まらないよ。『しんそく』!」

 

カイリューが消える。

次の瞬間、カイリキーの背後から衝撃が走った。

 

「『つばめがえし』!」

 

飛行タイプの技は格闘に効果抜群だ。カイリューの燕返しが、カイリキーの急所を的確に突いた。

カイリキーは前のめりに倒れた。

 

「カイリキー、戦闘不能!勝者、ミナト!」

 

「……完敗じゃ。力、技、スピード。すべてにおいてお前さんが上じゃったわ」

シジマは豪快に笑い、俺の肩を叩いた。バシバシと痛いくらいだ。

 

「見事な戦いぶりじゃった!これを持っていけ!」

俺は、拳を模したショックバッジを受け取った。

 

「ありがとうございます。いい汗かけました」

 

俺は、勝利したカイリューとフシギバナを労った。

これでバッジは五つ。

タンバシティでの目的は果たした。

 

「(薬はサトシたちがアサギに届けているはずだ。……俺も戻ろう)」

 

俺は、夕日に染まるタンバの海を見つめた。

アサギシティで待つ、鋼鉄の少女との約束を果たすために。

そして、その先にある新たな冒険のために。

 

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