アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第145話

スタジアムに響く重金属の衝撃音。

ウインディの放つ熱気と、レアコイルが発する強烈な磁場が激突し、空気中にバチバチと静電気の火花が舞っている。

 

「レアコイル、さらに出力を上げて!『電磁砲』!」

 

レアコイルの三つのパーツが独楽(こま)のように高速回転を始めた。中心部に集束された莫大な電力が、巨大な光の弾丸となってウインディを襲う。

 

「『電磁砲』……まともに喰らえば麻痺は免れないか」

 

俺は冷静にウインディの動きを指示する。

「ウインディ、神速で回避しろ!そのまま磁場の隙間を突くんだ!」

 

「ワオォン!!」

ウインディが赤い残像となってフィールドを駆け巡る。電磁砲の光条がウインディの毛並みを掠めるが、直撃は許さない。

 

「速い……!でも、逃がしませんよ。『でんじは』を広域展開!」

 

レアコイルが空中に浮上し、フィールド全体に目に見えない電磁波の網を張り巡らせた。

「(トラップか……。足が止まれば終わりだな)」

 

ウインディの脚に、ピリッとした痺れが走る。

『損傷率5%。機動力低下を検知』

ポリゴン2の分析が流れる。

 

「なら、その網ごと焼き尽くすまでだ!ウインディ、咆哮しろ!『オーバーヒート』!!」

 

「えっ!?」

ミカンが驚愕の声を上げる。

 

ウインディの全身から、白色の炎が噴き出した。

その凄まじい熱量が、レアコイルが張り巡らせた電磁波の干渉を強引に蒸発させていく。

あまりの熱に、スタジアムの床の金属板が赤く熱し、陽炎が立った。

 

「今だ!『しんそく』!!」

 

炎を纏ったウインディが、文字通りの神速で肉薄する。

「レアコイル、防御を最大にして!」

 

レアコイルは三つの磁石を重ねてガードを固めるが、ウインディの突進はそれを力任せに弾き飛ばした。

レアコイルは壁まで吹き飛び、火花を散らしながら沈んだ。

 

「レアコイル、戦闘不能!」

 

「……よく頑張りましたね、レアコイル。戻りなさい」

ミカンは静かにボールを収めた。その顔には、一点の曇りもなかった。

 

「ウインディ。素晴らしいパワーです。……ですが、私の本当の城壁は、ここからですよ」

 

ミカンが最後のボールを掲げた。

そのボールは、通常のモンスターボールよりも重厚な輝きを放っているように見えた。

 

「出てきなさい!アサギの守護神、ハガネール!!」

 

「グォオオオォォォッ!!」

 

地鳴りのような咆哮と共に、フィールドの中央に「山」が現れた。

全長10メートル近くあろうかという、鋼鉄の巨龍。

ハガネールだ。

その鈍く輝く銀色の鱗は、どんな攻撃も通さない絶対的な拒絶を示していた。

 

「(来たな……ジョウト編屈指の重戦車)」

 

俺は、麻痺で少し脚を震わせているウインディを労い、一度ボールへと戻した。

「ゆっくり休んでろ。……ここからは、持久戦だ」

 

俺は、次の相棒のボールを握りしめた。

「エースの出番だぞ、フシギバナ!」

 

「バナァァッ!!」

緑の主が、鋼の龍の前に降り立つ。

巨龍対巨頭。

アサギジム戦は、いよいよ本当のクライマックスへと突入する。

 

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