アニポケ転生者物語 作:投稿者
スタジアムに響く重金属の衝撃音。
ウインディの放つ熱気と、レアコイルが発する強烈な磁場が激突し、空気中にバチバチと静電気の火花が舞っている。
「レアコイル、さらに出力を上げて!『電磁砲』!」
レアコイルの三つのパーツが独楽(こま)のように高速回転を始めた。中心部に集束された莫大な電力が、巨大な光の弾丸となってウインディを襲う。
「『電磁砲』……まともに喰らえば麻痺は免れないか」
俺は冷静にウインディの動きを指示する。
「ウインディ、神速で回避しろ!そのまま磁場の隙間を突くんだ!」
「ワオォン!!」
ウインディが赤い残像となってフィールドを駆け巡る。電磁砲の光条がウインディの毛並みを掠めるが、直撃は許さない。
「速い……!でも、逃がしませんよ。『でんじは』を広域展開!」
レアコイルが空中に浮上し、フィールド全体に目に見えない電磁波の網を張り巡らせた。
「(トラップか……。足が止まれば終わりだな)」
ウインディの脚に、ピリッとした痺れが走る。
『損傷率5%。機動力低下を検知』
ポリゴン2の分析が流れる。
「なら、その網ごと焼き尽くすまでだ!ウインディ、咆哮しろ!『オーバーヒート』!!」
「えっ!?」
ミカンが驚愕の声を上げる。
ウインディの全身から、白色の炎が噴き出した。
その凄まじい熱量が、レアコイルが張り巡らせた電磁波の干渉を強引に蒸発させていく。
あまりの熱に、スタジアムの床の金属板が赤く熱し、陽炎が立った。
「今だ!『しんそく』!!」
炎を纏ったウインディが、文字通りの神速で肉薄する。
「レアコイル、防御を最大にして!」
レアコイルは三つの磁石を重ねてガードを固めるが、ウインディの突進はそれを力任せに弾き飛ばした。
レアコイルは壁まで吹き飛び、火花を散らしながら沈んだ。
「レアコイル、戦闘不能!」
「……よく頑張りましたね、レアコイル。戻りなさい」
ミカンは静かにボールを収めた。その顔には、一点の曇りもなかった。
「ウインディ。素晴らしいパワーです。……ですが、私の本当の城壁は、ここからですよ」
ミカンが最後のボールを掲げた。
そのボールは、通常のモンスターボールよりも重厚な輝きを放っているように見えた。
「出てきなさい!アサギの守護神、ハガネール!!」
「グォオオオォォォッ!!」
地鳴りのような咆哮と共に、フィールドの中央に「山」が現れた。
全長10メートル近くあろうかという、鋼鉄の巨龍。
ハガネールだ。
その鈍く輝く銀色の鱗は、どんな攻撃も通さない絶対的な拒絶を示していた。
「(来たな……ジョウト編屈指の重戦車)」
俺は、麻痺で少し脚を震わせているウインディを労い、一度ボールへと戻した。
「ゆっくり休んでろ。……ここからは、持久戦だ」
俺は、次の相棒のボールを握りしめた。
「エースの出番だぞ、フシギバナ!」
「バナァァッ!!」
緑の主が、鋼の龍の前に降り立つ。
巨龍対巨頭。
アサギジム戦は、いよいよ本当のクライマックスへと突入する。
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