アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第146話

目の前にそびえ立つ、ハガネールの巨体。

その全身は特殊な合金のように硬く、ウインディの熱気を受けても赤らむことさえない。

ミカンのハガネールは、ただ大きいだけではない。長年の修行によって鍛え上げられた「鋼の意志」そのものだった。

 

「フシギバナ、『やどりぎのタネ』!」

 

フシギバナが背中の花から、生命力を吸い取る種を射出した。

ハガネールの硬い鱗の隙間に、緑の蔓が根を張ろうとする。

 

「無駄ですよ。ハガネール、『すなあらし』!」

 

ハガネールが巨大な尻尾で地面を叩き割った。

粉砕された砂岩が猛烈な嵐となってフィールドを包み込む。

視界がゼロになり、吹き荒れる砂の礫がフシギバナの皮膚を削っていく。

 

「(天候操作か……。鋼タイプにとって砂嵐は特等席だな)」

 

砂嵐の中では、岩・地面・鋼タイプの防御力が上がり、同時に視界を遮ることで回避率も向上する。

ハガネールの巨影が、砂塵の向こう側に消えた。

 

「そこだ!『アイアンテール』!」

 

砂のカーテンを突き破り、鋼鉄の棍棒のような尻尾がフシギバナを襲う。

「フシギバナ、『つるのムチ』で受け流せ!」

 

フシギバナは太い蔓を束ねてクッションにし、衝撃を緩和する。

だが、そのパワーは凄まじく、フシギバナの巨体がズルリと後退した。

 

「バナァッ!!」

「大丈夫か、フシギバナ!」

 

『損傷率15%。継続ダメージを検知。……敵のハガネール、地面の振動を利用してこちらの位置を正確に把握しています』

 

ポリゴン2の警告。

ハガネールは目で見ているのではない。大地の揺れを感じ取っているのだ。

 

「なら、こっちも音と気配で探るまでだ。……フシギバナ、『ねむりごな』を砂嵐に乗せろ!」

 

「いい考えですが、ハガネールには効きません!『ストーンエッジ』!」

 

地中から突き出した鋭い岩の柱が、フシギバナを打ち上げる。

「っ……空中へ逃げろ!」

 

フシギバナは蔓を使って岩の柱を跳び越えた。

一瞬の静寂。

上空から見下ろすと、砂嵐の渦の中心に、ハガネールの頭頂部が見えた。

 

「今だ!最大出力の『ソーラービーム』!」

 

「(砂嵐の中でチャージは遅い……!)」

ミカンが反撃を命じようとした瞬間。

 

俺はデバイスのブーストを起動した。

「ポリゴン2、光屈折率を補正しろ!一気に溜めるぞ!」

 

『了解。高効率エネルギー集束プログラム、実行』

 

ポリゴン2が空間の光を強引にフシギバナの花へと集めた。

砂嵐を貫く、極太の光線。

それはハガネールの脳天を正確に射抜いた。

 

「グォォッ!?」

流石のハガネールも、これにはよろめいた。

だが、まだ倒れない。

ハガネールは砂塵の中から再び立ち上がり、その瞳に紅い怒りを宿らせた。

 

「……流石ですね、ミナトさん。私のハガネールにここまで……。でも、鋼は熱くなるほど硬くなるんです!」

 

ミカンの声に、ハガネールの全身が青白く輝き始めた。

覚悟の『てっぺき』。

ここからが、この城壁の真骨頂だ。

 

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