アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第148話

フィールドには、フシギバナが創り出した『グラスフィールド』の緑がまだ残っている。

その中央で、ハガネールは蔓に絡み取られ、膝をつくようにして蹲っていた。

一方、再登場したウインディは、脚の麻痺を気合で抑え込み、その全身から陽炎を立ち昇らせている。

 

「ミカンさん、これが最後だ」

 

「……はい。私も、この一撃に全てを賭けます!」

 

ミカンがハガネールに指示を出す。

「ハガネール、全エネルギーを尻尾に集めて!……『はかいこうせん』!!」

 

ハガネールの口から放たれるはずの破壊の光が、今回はその巨大な尻尾へと集束された。

光輝く金属の尾。それはまさに、神が振るう槌のようだった。

 

「ウインディ!最高火力の『フレアドライブ』だ!!」

 

「ウオォォォォォン!!」

 

ウインディが爆発的な加速を見せた。

グラスフィールドの草を焼き払い、赤黒い炎の塊となって一直線に突き進む。

麻痺の影響で一瞬体が強張るが、ウインディは自らの咆哮でそれを打ち消した。

 

激突。

 

スタジアム全体が、落雷を受けたかのような凄まじい轟音と共に揺れた。

炎と光が混ざり合い、真っ白な閃光が視界を奪う。

 

長い静寂の後。

煙がゆっくりと晴れていく。

 

立っていたのは――。

 

「ワオォ……」

肩で息をしながらも、誇らしげに顔を上げるウインディの姿。

 

対するハガネールは、その鋼鉄の装甲を真っ赤に熱し、節々から蒸気を吹き出しながら、静かに地面へと崩れ落ちていた。

 

「ハガネール、戦闘不能!よって勝者、ミナト選手!!」

 

審判の声が響き渡る。

観客席からは、最初の一瞬の静寂を破り、嵐のような拍手が巻き起こった。

 

「……負けました。本当に、お見事です」

 

ミカンは、倒れたハガネールの元へ駆け寄り、その大きな頭を優しく抱きしめた。

「ありがとう、ハガネール。貴方の硬い心、ちゃんと届きましたよ」

 

ハガネールは満足げに小さく鳴くと、光の中に消えていった。

 

ミカンは立ち上がり、こちらへ歩み寄ってきた。

その瞳には、敗北の悔しさよりも、全力を出し切った爽快感と、新たな可能性を見出した喜びが宿っていた。

 

「ミナトさん。貴方のポケモンたちとの絆、そして状況を支配する戦術……。私にはないものを、たくさん持っていらっしゃいます」

 

ミカンは、銀色に輝く六角形のバッジを差し出した。

「これが、アサギジムの証、スチールバッジです。……貴方のこれからの旅が、このバッジのように輝くものであることを願っています」

 

「ありがとうございます。……最高のバトルでした」

 

俺はスチールバッジを手に取り、高く掲げた。

これで、ジョウトのバッジは六つ。

頂点までの階段を、また一段、力強く登った。

 

ジムを出ると、アサギの海は夕焼けに染まり、灯台の光が回転を始めていた。

「やったな、ウインディ。フシギバナ」

 

俺は相棒たちを称え、港へと歩き出した。

だが、その時。

背後から、聞き慣れた賑やかな声が近づいてきた。

 

「ミナト〜!!やったな、勝ったんだろ!?」

 

サトシ、カスミ、そしてタケシだ。

彼らの顔には、冒険への期待と、少しの緊張が混じっていた。

 

「……ああ。お前たちも、準備はいいか?」

 

俺は、遠く北の空を見据えた。

そこには、ジョウト地方最大の事件が待ち受ける場所――チョウジタウンがある。

 

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