アニポケ転生者物語   作:投稿者

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チョウジジム制覇
第152話


『こおりのぬけみち』を抜けた俺は、冷たい霧に包まれたチョウジタウンに到着した。そしてサトシたちとも合流した。

街の至る所から、キィィィンという耳鳴りのような高周波が聞こえてくる。

一般の人々には聞こえない程度の微細な音だが、俺のグラス型デバイスはそれを「異常な電波波長」として捉えていた。

 

「(間違いない……。プロジェクトEの実験電波だ)」

 

俺は、街の北に位置する『怒りの湖』へと向かった。

本来ならジョウトでも有数の美しさを誇る巨大な湖。だが、今のそこは、赤黒い雨雲が立ち込め、不気味な雰囲気に支配されていた。

 

「あれを見てくれ!」

サトシが指差す先、湖の中央で巨大な水柱が上がった。

そこから姿を現したのは、通常の青色ではなく、血のように赤く染まった巨大なギャラドスだった。

 

「グォオオオォォォッ!!」

 

ギャラドスの咆哮が、腹の底まで響く。

それは威嚇ではなく、自らの肉体が強制的に進化させられたことへの、苦しみと怒りの叫びだった。

 

「ひどい……。あんなに苦しそうに暴れるなんて」

カスミが悲しげに呟く。

 

「強制進化の副作用か。鱗の色が変わるほど、細胞が活性化させられているんだ」

俺は冷静に分析しつつ、その惨状に拳を握りしめた。

 

「そこまでだ、君たち。これ以上近づくのは危険だよ」

 

背後から、静かだが威厳のある声がした。

振り返ると、赤いマントを翻し、鋭い眼光を持つ男が立っていた。

 

「ワタルさん!?」

サトシが驚きの声を上げる。カントー・ジョウトの頂点に君臨するチャンピオン、ワタルだ。

 

「……君か、マサラタウンのミナト君。セキエイ大会での活躍の噂は聞いているよ」

ワタルは俺を一瞥すると、再び赤いギャラドスに視線を戻した。

 

「この湖で起きていることは、個人の手に負える問題じゃない。ロケット団……奴らの残党が、この地で禁忌の実験を行っているんだ」

 

「知っています。プロジェクトE……強制進化電波の実験ですね」

俺が言うと、ワタルは少し驚いたように眉を動かした。

 

「ほう……シルフのテスターだけあって、情報が早いな。……その通りだ。私はGメン(ポケモン捜査官)として、奴らのアジトを特定するためにここに来た」

 

ワタルは俺たちに向き直った。

「君たち、協力してくれるか?この理不尽な怒りを鎮めるために」

 

「もちろんです!」

サトシが即答する。俺も力強く頷いた。

 

「(プロジェクトE。……そしてロケット団最高幹部たち。……俺の旅が、また一つ大きな山場を迎えようとしている)」

 

俺は、新しく仲間になったウリムーのボールに触れた。

この鼻があれば、奴らの隠れ家を見つけ出すのは容易なはずだ。

 

「よし、作戦会議だ。……電波の発信源は、おそらく街の中にある」

 

俺たちはワタルと共に、霧の立ち込めるチョウジタウンへと引き返した。

決戦の舞台は、湖から街の地下へと移ろうとしていた。

 

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