アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第156話

地上に戻った俺たちを待っていたのは、再び湖面で暴れる赤いギャラドスの姿だった。

電波発生装置は破壊したが、一度強制的に進化させられたギャラドスの神経は、依然として暴走状態にあるようだ。

 

「……あの子の怒りを鎮めないと、湖の生態系が壊れてしまう」

合流したカスミが、悲痛な声を上げる。

 

「無理やり進化させられた苦しみ、俺には分かるぜ。……よし、俺がやる!」

サトシがピカチュウと共に前に出ようとするが、ワタルがそれを手で制した。

 

「待て、サトシ君。……このギャラドスの怒りは、力ずくでは鎮まらない。……同じ『龍』の心を持つ者でなければ」

 

ワタルは、自身のカイリューを湖の上空へと飛ばした。

「カイリュー、あの子に語りかけるんだ。……我々は敵ではないと」

 

「グオォォ……」

カイリューが優しく、しかし力強い声で鳴き声を上げた。

だが、赤いギャラドスはそれに応えず、『ハイドロポンプ』で無差別に周囲を攻撃し続ける。

 

「(……俺の出番だな)」

 

俺はシードラをボールから出した。

「シードラ、頼む。お前の『りゅうのいぶき』で、あの子の神経を落ち着かせるんだ。……攻撃じゃない、癒やしの波動に変えてな」

 

俺はデバイスの出力を調整し、シードラの放つエネルギーに、特定の鎮静周波数を乗せた。

「今だ、シードラ!」

 

「シードラッ!!」

シードラが放った青い光の息吹が、赤いギャラドスの全身を包み込んだ。

ギャラドスの激しい動きが、一瞬だけ止まる。

 

その隙に、ワタルがギャラドスの目の前まで降下した。

「……よく耐えたな。もう大丈夫だ。……私と一緒に来い。お前の力を、正しい場所へ導いてやる」

 

ワタルが差し出したハイパーボールが、赤いギャラドスを吸い込んだ。

ボールは数回激しく揺れたが、最後には静かに動きを止めた。

 

「……ふぅ。これで、本当の終結だ」

 

ワタルはボールを拾い上げ、俺の方を向いた。

「ミナト君、君のシードラのサポートがなければ、もっと手こずっていただろう。……礼を言うよ」

 

「いえ。……ギャラドスが助かって良かったです」

 

数時間後。

チョウジタウンには平穏が戻り、ロケット団のアジト跡地はポケモン捜査官たちによって封鎖された。

四将軍たちは行方をくらませたが、奴らの目論んだ大規模な実験は完全に阻止された。

 

「さて、私はこの赤いギャラドスを本部の保護施設へ届けてくる。……その前に、君に一つ言っておきたいことがある」

 

ワタルは、俺のリュックの隙間から覗く、銀色の輝きを見つめた。

「その『銀色の羽』……。大切に持っているがいい。……うずまき列島には、かつてこの海を守っていた、もう一柱の海の神の伝説がある」

 

「海の神……。ルギアのことですか?」

 

「ああ。……その羽が輝く時、君は本当の試練に直面するだろう。……期待しているよ、若きトレーナー」

 

ワタルはカイリューに乗り、赤い夕日の彼方へと飛び去っていった。

 

「すっげえ……。ワタルさん、最後までかっこいいぜ!」

サトシが感銘を受けたように叫ぶ。

 

「(うずまき列島、か。……次の目的地は決まったな)」

 

俺は、一連の激闘で疲れ果てた相棒たちのボールを撫でた。

ロケット団との戦いは、これからさらに激化するだろう。

だが、今の俺たちには、どんな壁をも打ち砕く「鋼の意志」がある。

 

「よし、サトシ。……その前に、俺にはまだ、この街でやるべきことが残ってるぞ」

 

俺は、街の端にあるチョウジジムを見据えた。

氷の導師、ヤナギ。

ジョウトでも屈指のベテランとの戦いが、俺を待っている。

 

「明日、ジム戦だ。……付き合ってくれよな!」

 

「おう!ミナトの全力、見せてもらうぜ!」

 

俺たちは、チョウジタウンの夜風に吹かれながら、次なる戦いへと心を昂ぶらせるのだった。

 

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