アニポケ転生者物語   作:投稿者

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閑章
第158話


チョウジタウンでの激闘を終えた俺たちは、ラプラスの背に揺られながら、ジョウト地方の南西に浮かぶ「うずまき列島」へとたどり着いた。

そこは、名前の通り無数の渦潮が海面を覆い、険しい断崖が連なる神秘的な海域だった。

 

「わぁ、すごい……!海の色が、オレンジ諸島ともカントーとも違うわね」

カスミが、透き通った深い青色の海を見て感嘆の声を上げる。

 

「ああ。……ここは『海の神』の伝説が色濃く残る場所だからな」

 

俺は、リュックの奥にしまってあった『銀色の羽』を取り出した。

オレンジ諸島で海の神ルギアから授かった、その証。

羽は、この海域に入った瞬間から、まるで心臓の鼓動のように静かに脈動し、微かな白銀の光を放っていた。

 

「(共鳴している……。この海のどこかに、あいつがいるんだな)」

 

俺たちが、列島の一つである黄岩島の入り江で休憩をとっていると、岩陰から一人の少年が顔を出した。

少年の名はシュウイチ。彼はこの島で、ある「友達」をこっそり守っているのだという。

 

「……あ、君たち、もしかしてルギアを探しに来たの?」

シュウイチが警戒した様子で尋ねる。

 

「探しに来た、というよりは……導かれてきた、という方が正しいかな」

俺が銀色の羽を見せると、シュウイチは驚いて目を丸くした。

 

「その羽……僕の友達と同じ、不思議な輝きだ!……君なら信じられるかもしれない。こっちに来て!」

 

シュウイチに案内されたのは、入り江のさらに奥にある隠された洞窟だった。

そこには、全身が真っ白で、まだ小さな翼を持つ子供のルギアが、気持ちよさそうに水遊びをしていた。

 

「ル、ルギアの子供!?」

サトシが驚愕の声を上げる。

 

「シッ!静かにしてよ。シルバーは、まだ人間に慣れてないんだから」

 

子供のルギア――シルバーは、サトシたちの声に驚き、岩陰に隠れようとした。

だが、俺が手に持っている『銀色の羽』を見た瞬間、シルバーの瞳から警戒心が消えた。

 

キュィィッ!(あ、そのキラキラ!)

 

シルバーは、まるで親鳥を見つけた雛のように、俺の元へと泳ぎ寄ってきた。

俺の手に頭を擦り寄せ、甘えるような声を出す。

 

「はは、懐かしい匂いか?お前の仲間からもらったものだぞ」

 

俺がシルバーの頭を優しく撫でると、銀色の羽がいっそう強く輝いた。

シルバーの無邪気な瞳を見ていると、この平和がずっと続いてほしいと願わずにはいられない。

 

だが、俺のデバイスは、不穏なノイズをキャッチしていた。

『警告。上空および海中より、複数の高周波探査波を検知。……ロケット団独自の周波数パターンと一致します』

 

「(来たか。……平和な時間は、長くは続かないらしいな)」

 

俺は、シルバーを守るように一歩前に出た。

空の彼方から、黒い潜水空母の影が、ゆっくりとこの聖域に近づいていた。

伝説の親子を巡る、新たな戦いの幕が上がろうとしていた。

 

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