アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第159話

黄岩島では、水ポケモンの祭典「うずまきカップ」の準備が着々と進んでいた。

街中には色とりどりの旗が掲げられ、世界中から集まった水タイプ使いのトレーナーたちが、自慢の相棒と共に気勢を上げている。

 

「よし!俺もエントリーするぜ!今回の主役はワニノコだ!」

サトシが、ピカチュウと共に受付へ走っていく。

「私も負けないわよ!私の水ポケモンたちの力、見せてあげるんだから!」

カスミも、やる気満々で後に続いた。

 

俺は、サトシたちのエントリーを見届けた後、あえて大会には出場せず、街の周囲をパトロールすることにした。

シュウイチとシルバー(子ルギア)のいる洞窟を守るため、そして、先ほど検知した不審な電波の正体を探るためだ。

 

「ポリゴン2、スキャンはどうだ?」

『了解。……会場周辺の通信網に、微細なバックドア(裏口)を複数検知。……これを通じて、会場の全モニターおよび監視カメラが外部からコントロールされています』

 

「(やっぱりな。……大会の熱狂に紛れて、何かを仕掛けるつもりか)」

 

俺は街外れの静かな海岸へと向かった。

そこには、一見するとただの漁船に見えるが、屋根に高度なレーダーアンテナを隠した怪しい船が停泊していた。

 

船のデッキでは、黒い戦闘服に身を包んだ二人組が、モニターを覗き込みながら密談を交わしていた。

一人は長い赤髪の女、もう一人は青い髪の男。

ロケット団の精鋭、ヤマトとコサブロウだ。

 

「いい、コサブロウ。大会が盛り上がって、みんなの注意が会場に集中した時がチャンスよ。……あの子ルギアを、一気に捕獲するわ」

「分かってるさ、ヤマト。ナンバ博士の新型捕獲メカがあれば、あんなチビ、赤子の手をひねるようなもんだ」

 

二人は冷酷な笑みを浮かべ、無線機で誰かと連絡を取り始めた。

「こちらヤマト。ターゲットの座標は特定済み。……いつでも行けます、ナンバ博士」

 

「(……そうはさせるか)」

 

俺は、懐の『銀色の羽』を握りしめた。

羽は、敵の悪意に反応するかのように、警告の赤みを帯びた光を放っている。

 

俺は、ウインディをボールから出した。

「ウインディ、あの船の動きを監視しろ。……何かあったら、すぐに俺を呼べ」

 

「ワオォォン!」

ウインディは影に潜むようにして、船の監視を開始した。

 

一方、スタジアムでは「うずまきカップ」の予選が始まり、大歓声が沸き起こっていた。

サトシのワニノコが、カスミのサニーゴが、それぞれの思いを胸に戦っている。

 

平和な祭典の裏側で、確実に伸びてくる悪の爪。

俺は、嵐の前の静けさを感じながら、デバイスのセキュリティを最大レベルに引き上げた。

伝説を守る戦いは、もう始まっている。

 

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