アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第161話

荒れ狂う海。

親ルギアの咆哮一つで、数十メートルの水柱が上がり、ラプラスの進路を阻む。

「グオオオッ!!」

理性を失った海の神から放たれる『エアロブラスト』が、俺たちの数メートル横を掠め、背後の無人島を粉砕した。

 

「(これが、本物の海の神の力……!)」

 

オレンジ諸島で見た時以上の、圧倒的な破壊力。

ナンバ博士の装置によって引き出された、負のエネルギーがルギアを蝕んでいる。

 

「ルギア!俺だ!見てくれ、この羽を!」

 

俺はラプラスの背の上で立ち上がり、『銀色の羽』を高く掲げた。

白銀の光が闇を切り裂き、ルギアの赤い瞳に届く。

一瞬だけ、ルギアの動きが止まった。

 

だが、すかさずナンバ博士の追撃が入る。

「無駄なことを!出力を最大に上げろ!」

 

母船から放たれた黒い電波がさらに強まり、ルギアは再び狂ったように暴れ出した。

海流が渦を巻き、俺とラプラスを深海へと引きずり込もうとする。

 

キュ、キューッ!!(これ以上は近づけないわ!)

ラプラスが必死に耐えるが、水圧と重力波に押し潰されそうになっている。

 

「(くそっ……!力が、力が足りないのか!?)」

 

その時、俺の腰にあるボールの一つが、凄まじい熱を帯び始めた。

シードラのボールだ。

シードラッ!!(私を出して!あの子を救うのは、私だ!)

 

ボールの中から、かつてタッツーだった頃の弱気さは微塵も感じられない、強い意志が伝わってくる。

俺は、チョウジタウンでワタルから譲り受けていた、もう一つのアイテムを思い出した。

『りゅうのウロコ』。

龍の力を増幅し、進化を促す伝説の鱗。

 

「シードラ……わかった。お前の覚悟、受け取ったぞ!」

 

俺はシードラを荒波の中に解き放ち、同時に『りゅうのウロコ』と『つながりのひも』を投げ与えた。

「シードラ、進化だ!!」

 

シードラがウロコを飲み込み、その体が激しく発光した。

渦巻く海流の中から、巨大な龍のシルエットが浮かび上がる。

細長かった体はより逞しく、頭部の角は威厳ある龍の角へと形を変えていく。

 

光が弾け、そこには深海の王者、キングドラが立っていた。

 

「キングゥゥゥゥッ!!」

 

キングドラの咆哮が、海流の渦を真っ向から打ち消した。

彼女は俺を一瞥すると、そのまま狂乱する親ルギアの懐へと、矢のような速さで突き進んでいった。

 

「(行ったか……!)」

 

俺は、進化したばかりの相棒の背中を追うように、ラプラスを走らせた。

海の神と、深海の王。

二体の龍が、荒れ狂う海域で対峙しようとしていた。

 

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