アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第163話

巨大な潜水母船の外壁が、ルギアの『エアロブラスト』によって紙切れのように引き裂かれた。

「突入するぞ!みんな、続け!」

 

俺はキングドラから飛び降り、崩れた外壁の隙間から船内へと侵入した。

後を追って、サトシ、カスミ、タケシもそれぞれの相棒と共に飛び込んでくる。

 

「シルバーはどこだ!?」

サトシが叫ぶ。

 

「ポリゴン2、内部構造をスキャンしろ!シルバーの生体反応を追え!」

『了解。……最深部のバイオ実験室に、対象の反応を確認。……ただし、周囲に高圧電流のトラップが設置されています』

 

「(手間のかかる真似を……!)」

 

俺たちは、ポリゴン2の案内で迷路のような通路を駆け抜けた。

途中、立ちふさがる団員たちを、カブトプスの鎌とサイドンのパワーで次々とねじ伏せていく。

 

ついにたどり着いた実験室。

そこには、巨大な円筒形のカプセルに閉じ込められたシルバーの姿があった。

カプセルの周囲では、ナンバ博士が狂ったようにキーボードを叩いている。

 

「ハッハッハ!遅かったな!シルバーの生体データは、既にメインサーバーへ転送された!これがあれば、ルギアの軍団を作ることも可能だ!」

 

「そんなこと、絶対にさせるか!」

サトシがピカチュウと共に前に出る。

 

「ポリゴン2、ハッキングだ!全システムをオーバーロードさせろ!シルバーを解放するんだ!」

 

『了解。……プロテクト突破。制御回路に過負荷(オーバーロード)をかけます』

 

ポリゴン2が端末にダイブし、凄まじい勢いでデータを流し込む。コンソールから火花が散り、実験室の照明が不気味に明滅し始めた。

 

「今だ、サトシ!物理的にトドメを刺せ!」

俺の合図に、サトシが力強く頷いた。

 

「よし、ピカチュウ!あの装置の中枢を狙え!最大出力の10まんボルトだ!!」

 

「ピィィィィカァァァッ!!チュウゥゥゥッ!!」

 

ピカチュウの放った極大の雷撃が、ポリゴン2が脆弱化させたシステムの中枢を正確に射抜いた。

ドォォォォォン!!

激しい爆発と共に、シルバーを閉じ込めていたカプセルの強化ガラスが粉々に砕け散った。

 

バシュッ!!という音と共に、カプセルの液体が排出され、シルバーが外へ飛び出した。

「キュイィッ!!」

 

シルバーは真っ先に俺の元へ駆け寄り、俺の胸に顔を預けた。

「よかった、無事だったか」

 

「おのれぇぇ!私の最高傑作を!」

ナンバ博士が掴みかかろうとしたその時、実験室の天井が轟音と共に崩落した。

現れたのは、親のルギアだ。

 

「グォオオオォォッ!!」

 

ルギアの静かな、しかし絶対的な怒りがナンバ博士を射抜く。

博士は腰を抜かし、その場にへたり込んだ。

 

「シルバー、親のところへ行くんだ」

俺が背中を押すと、シルバーは嬉しそうに親ルギアの元へ駆け寄った。

親子は首を寄せ合い、再会の喜びを確かめ合う。

 

その時、船全体が悲鳴を上げるように激しく振動し始めた。

「脱出するぞ!この船はもう沈む!」

 

俺たちはルギア親子の背中に乗り、崩壊する母船から一気に脱出した。

海面へ飛び出した瞬間、背後で巨大な水柱が上がり、ロケット団の野望は海の底へと沈んでいった。

 

空には、いつの間にか美しい虹がかかっていた。

「やったな、サトシ。カスミ。タケシ」

「ああ、最高だぜ!」

 

俺たちは、ルギア親子の大きな背中で、勝利の喜びを分かち合った。

海を照らす太陽の光が、新しく仲間になったキングドラの鱗を、いつまでも眩しく輝かせていた。

伝説の守護者たちが再び海へ還るまで、俺たちはその光景を目に焼き付けていた。

 

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