アニポケ転生者物語 作:投稿者
巨大な潜水母船の外壁が、ルギアの『エアロブラスト』によって紙切れのように引き裂かれた。
「突入するぞ!みんな、続け!」
俺はキングドラから飛び降り、崩れた外壁の隙間から船内へと侵入した。
後を追って、サトシ、カスミ、タケシもそれぞれの相棒と共に飛び込んでくる。
「シルバーはどこだ!?」
サトシが叫ぶ。
「ポリゴン2、内部構造をスキャンしろ!シルバーの生体反応を追え!」
『了解。……最深部のバイオ実験室に、対象の反応を確認。……ただし、周囲に高圧電流のトラップが設置されています』
「(手間のかかる真似を……!)」
俺たちは、ポリゴン2の案内で迷路のような通路を駆け抜けた。
途中、立ちふさがる団員たちを、カブトプスの鎌とサイドンのパワーで次々とねじ伏せていく。
ついにたどり着いた実験室。
そこには、巨大な円筒形のカプセルに閉じ込められたシルバーの姿があった。
カプセルの周囲では、ナンバ博士が狂ったようにキーボードを叩いている。
「ハッハッハ!遅かったな!シルバーの生体データは、既にメインサーバーへ転送された!これがあれば、ルギアの軍団を作ることも可能だ!」
「そんなこと、絶対にさせるか!」
サトシがピカチュウと共に前に出る。
「ポリゴン2、ハッキングだ!全システムをオーバーロードさせろ!シルバーを解放するんだ!」
『了解。……プロテクト突破。制御回路に過負荷(オーバーロード)をかけます』
ポリゴン2が端末にダイブし、凄まじい勢いでデータを流し込む。コンソールから火花が散り、実験室の照明が不気味に明滅し始めた。
「今だ、サトシ!物理的にトドメを刺せ!」
俺の合図に、サトシが力強く頷いた。
「よし、ピカチュウ!あの装置の中枢を狙え!最大出力の10まんボルトだ!!」
「ピィィィィカァァァッ!!チュウゥゥゥッ!!」
ピカチュウの放った極大の雷撃が、ポリゴン2が脆弱化させたシステムの中枢を正確に射抜いた。
ドォォォォォン!!
激しい爆発と共に、シルバーを閉じ込めていたカプセルの強化ガラスが粉々に砕け散った。
バシュッ!!という音と共に、カプセルの液体が排出され、シルバーが外へ飛び出した。
「キュイィッ!!」
シルバーは真っ先に俺の元へ駆け寄り、俺の胸に顔を預けた。
「よかった、無事だったか」
「おのれぇぇ!私の最高傑作を!」
ナンバ博士が掴みかかろうとしたその時、実験室の天井が轟音と共に崩落した。
現れたのは、親のルギアだ。
「グォオオオォォッ!!」
ルギアの静かな、しかし絶対的な怒りがナンバ博士を射抜く。
博士は腰を抜かし、その場にへたり込んだ。
「シルバー、親のところへ行くんだ」
俺が背中を押すと、シルバーは嬉しそうに親ルギアの元へ駆け寄った。
親子は首を寄せ合い、再会の喜びを確かめ合う。
その時、船全体が悲鳴を上げるように激しく振動し始めた。
「脱出するぞ!この船はもう沈む!」
俺たちはルギア親子の背中に乗り、崩壊する母船から一気に脱出した。
海面へ飛び出した瞬間、背後で巨大な水柱が上がり、ロケット団の野望は海の底へと沈んでいった。
空には、いつの間にか美しい虹がかかっていた。
「やったな、サトシ。カスミ。タケシ」
「ああ、最高だぜ!」
俺たちは、ルギア親子の大きな背中で、勝利の喜びを分かち合った。
海を照らす太陽の光が、新しく仲間になったキングドラの鱗を、いつまでも眩しく輝かせていた。
伝説の守護者たちが再び海へ還るまで、俺たちはその光景を目に焼き付けていた。