アニポケ転生者物語 作:投稿者
キングドラの調整
うずまき列島を離れる船の上。
俺は、進化したばかりのキングドラを、船のプールの水槽に出して最終的な能力チェックを行っていた。
「どうだ、キングドラ。その新しい体には慣れたか?」
キングドラは、水中で優雅に一回転し、口から精密な『バブルこうせん』を放って、空中の空き缶を撃ち抜いた。
「
シードラの頃よりも遥かに高い知能と、圧倒的な水圧制御能力。
特に、ドラゴンタイプが加わったことで、弱点が少なくなり、耐久力も飛躍的に向上している。
『解析完了。キングドラのエネルギー変換効率、基準値の1.5倍を記録。……フスベジムのドラゴン対決においても、極めて有効な戦力になると推測されます』
ポリゴン2の分析に、俺は満足げに頷いた。
これまでのエース組(フシギバナ、ウインディ、カイリュー、ゲンガー)に、このキングドラが加わった。
俺のチームは、今、カントーを制した時以上の完成度を見せている。
シルバーからの贈り物
ふと、俺はポケットからルギア親子から託された『銀色の羽』を取り出した。
親ルギアの力によって、それは単なる羽から、プラチナのような輝きを持つ不思議な物質へと変化している。
「これ……ただの通信機じゃないよな」
羽をデバイスに近づけてみると、不思議なデータが次々と読み込まれた。
それは、ルギアが深海で見てきた数千年の「海の記憶」。
潮の流れ、気圧の変化、そして古代の生態系……。
「(これだけのデータがあれば、シルフの気象観測システムは革命的に進化するな)」
俺は、このデータをテスターとしての最終レポートに含めることにした。
世界を救うだけでなく、技術の進歩に貢献すること。それが、俺のこの世界での「仕事」だ。
サトシたちの特訓
船の甲板では、サトシとタケシが激しいバトルを繰り広げていた。
「ワニノコ、『こおりのキバ』だ!」
「イワーク、『がんせきふうじ』!」
サトシのワニノコも、うずまきカップを経て、随分と技のキレが増している。
タケシのイワークも、防御の硬さに磨きがかかっている。
「二人とも、熱いな」
カスミが、その様子を呆れながらも楽しそうに見守っている。
「ミナト!お前も混ざれよ!キングドラの力、試させてくれ!」
サトシがこちらを向いて叫ぶ。
「はは、いいぜ。……でも、今のキングドラは容赦しないぞ?」
俺たちは、夕暮れの海の上で、文字通り「お祭り騒ぎ」のバトルを楽しんだ。
伝説の重圧から解放され、ただ純粋にポケモンと触れ合う時間。
それが、俺たちにとっての最高の休息だった。
最後の一つへ
夜、俺は一人で舳先に立ち、北の夜空を見上げていた。
そこには、ひときわ明るく輝く星があった。
その星の真下に、ジョウト地方最後の難関、フスベシティがある。
「(アイスバッジ、スチールバッジ、そして……最後はライジングバッジか)」
イブキ。ワタルの従姉妹であり、最強のドラゴン使いの一族。
彼女との戦いは、ただのジム戦では終わらないだろう。
ポケモンの真髄、トレーナーとしての格。そのすべてが試される場所。
「……行くぞ、みんな」
俺は、ボールを一つずつ撫でた。
フシギバナ、ポリゴン2、ウインディ、ゲンガー、カイリュー。
ラプラス、サイドン、ニドクイン、ドードリオ、ケンタロス、ガルーラ。
ヤドラン、ハピナス、バサギリ、カブトプス、クリスタルハガネール。
エアームド、キングドラ、イーブイ、ヨーギラス、ウリムー。
総勢20匹。
これまでの旅で積み重ねてきた全ての絆が、俺の背中を支えている。
「(俺たちの旅の集大成、見せてやるさ)」
船は、銀色の月光に照らされた海を、一路フスベへと向かって進んでいく。
物語は、ジョウト編の最終章、そして伝説の頂上決戦へと向かって加速し始めた。