アニポケ転生者物語 作:投稿者
「第2試合、挑戦者ミナト対ジムリーダー・イブキ!ルールは3対3のシングルバトル!どちらかの手持ちが全滅するまでとする!」
審判の高らかな宣言と共に、フスベジムの空気が張り詰めた。
溶岩の熱気と、地下水脈の冷気が混じり合い、フィールドには独特の緊張感が漂っている。
「私の先発はこの子よ!深海の狙撃手、キングドラ!」
イブキがボールを投げると、水しぶきと共に優雅な流線型のドラゴンが現れた。
鋭い眼光、研ぎ澄まされたヒレ。イブキのキングドラは、数多の挑戦者を沈めてきた歴戦の個体だ。
「奇遇ですね。俺もです。……行け、キングドラ!」
俺もまた、うずまき列島で進化したばかりの相棒を繰り出した。
「キングゥッ!!」
俺のキングドラが咆哮すると、フィールドの水路が大きく波打った。
「同種対決か。……面白い!キングドラ、『あまごい』!」
イブキの指示で、ジムの上空に雨雲が発生する。雨が降り出し、キングドラの特性『すいすい』が発動。そのスピードが倍増する。
「速い……!目にも止まらぬ速さだ!」
サトシが驚く。イブキのキングドラは、雨の中を残像を残して高速移動し、死角から『ハイドロポンプ』を放ってくる。
「キングドラ、『りゅうのいぶき』で相殺しろ!」
俺のキングドラも負けじと応戦するが、スピードの差で後手に回る。
「『えんまく』!」
イブキのキングドラが黒い墨を吐き出し、視界を奪う。雨と墨が混じり合い、フィールドは混沌とした闇に包まれた。
「(視界を奪い、スピードで翻弄する気か……。だが、俺のキングドラには『スナイパー』の眼がある!)」
俺のキングドラは、うずまき列島の激流の中で、ルギアの波動を感じ取る訓練を積んできた。
視覚に頼らず、水の揺らぎや気配で相手の位置を特定できる。
「煙の中に気配を感じろ。……そこだ!『りゅうのはどう』!」
俺のキングドラが、何もないはずの煙の揺らぎに向けて、青い波動を放った。
「なっ!?」
イブキのキングドラが、煙の中から弾き出されるように吹き飛ばされた。直撃だ。
「見えているの!?あの暗闇の中で!」
「俺のキングドラは、深海の暗闇でも獲物を逃さない。……雨が降っているなら、それを利用させてもらうぞ!」
俺のキングドラは、雨粒の一つ一つを感知し、相手の動きを予測していたのだ。
「決めるぞ、『りゅうせいぐん』!」
キングドラが上空に向けてエネルギー弾を撃ち上げる。
弾は空中で分裂し、無数の流星となってフィールド全域に降り注いだ。
逃げ場を失ったイブキのキングドラは、流星の直撃を受け、水面に沈んだ。
「……キングドラ、戦闘不能!」
「……やるわね。でも、ここからが本番よ。行け、ギャラドス!」
イブキの二匹目は、凶暴なギャラドス。その威圧感は、赤いギャラドスにも引けを取らない。
「ギャラドス、『ハイドロポンプ』!」
極太の水流が襲いかかる。
「キングドラ、戻れ!……相性で勝つぞ。ハガネール、出番だ!」
俺は、氷の巨龍を繰り出した。
「グオオオオッ!!」
クリスタルハガネールが現れると、周囲の空気が一気に冷え込み、降っていた雨が氷の粒へと変わった。
「な、なによそのハガネール!?色が違うし、透けてる……?」
イブキが驚く。
「ただの色違いじゃない。こいつは『氷』の力を持っている。……ギャラドスの水技なんて、こいつの前じゃ氷像の材料だ!」
迫りくるハイドロポンプに対し、ハガネールは口を開けた。
「『こおりのいぶき』!」
絶対零度の吐息が、水流と接触する。
水は瞬時に凍りつき、巨大な氷柱となってギャラドスの方へ逆流していった。
「凍った!?」
「そのまま砕け!『アイアンテール』!」
ハガネールの鋼鉄の尻尾が、氷柱ごとギャラドスを殴り飛ばした。
氷の破片が散り、ギャラドスは氷漬けになりながらダウンした。
「ギャラドス、戦闘不能!」
「……嘘でしょ。私のドラゴンたちが、こうもあっさりと……」
イブキの顔色が変わる。
「強い……強すぎるわ、アンタ。……でも、だからこそ燃える!この子の力、耐えられるかしら!?」
イブキが最後のボールを天高く投げた。
現れたのは、オレンジ色の巨体を持ち、小さな羽で空を舞う、最強のドラゴン。
「カイリュー!!」
「(やっぱりな。……最後はカイリュー対決だ)」
俺も、最後のボールを握りしめた。
カントーからずっと共に戦ってきた、俺の最高の相棒。
「頼むぞ、カイリュー!一族の誇りを見せてやれ!」
「グオオオオォォッ!!」
二体のカイリューが、スタジアムの上空で対峙した。
最強を決める戦いが、今、始まる。