アニポケ転生者物語 作:投稿者
バトル大会の開催が宣言され、サント・アンヌ号のメインホールは熱狂の渦に包まれた。腕自慢のトレーナーたちが、次々とステージ上のバトルフィールドに上がり、激しい火花を散らしている。
「すげー!俺も出るぞ!」
サトシが、目を輝かせて大会にエントリーしようとする。俺は、その腕をそっと掴んで制した。
「待て、サトシ。少し様子が変だ」
「え、何がだよ?」
俺は、グラス型デバイスが示す、船内の異常なデータを見せる。
『船内各所の通信量が急増。外部との暗号化通信を断続的に確認。乗組員の制服を着た、未登録の人物を複数特定』
「この船、ロケット団に乗っ取られかけてるぞ」
俺の言葉に、サトシ、カスミ、タケシの顔色が変わる。
「なんだって!?」
「どうりで、さっきから乗組員の動きが妙だと思ったんだ……」
タケシが、鋭い視線で周囲を見渡す。確かに、カクテルを運ぶウェイターの目つきは、一流の船乗りというより、獲物を狙うゴロツキのそれだ。
「バトル大会は、おそらく陽動だ。トレーナーたちの注意をそこに引きつけておいて、裏で何かを企んでる」
俺たちは、大会の喧騒から離れ、目立たないように壁際に移動した。俺の隣では、パーティの雰囲気にそぐわない、黒ずくめの男たちが、耳に着けたインカムで何やら連絡を取り合っている。その胸には、見覚えのある赤い「R」の文字。
「(間違いなく、ロケット団の精鋭部隊だ。おつきみやまや、マサキの灯台で遭遇した奴らと同系統の……)」
彼らの目的は、この船に乗っている優秀なトレーナーたちから、ポケモンを一斉に奪うことだろう。サカキが考案したとされる、大規模なポケモン強奪作戦だ。
「どうするのよ、ミナト!」
カスミが、不安そうな声で尋ねる。
「いや、もう遅いだろう。船長室も、おそらく制圧されている。下手に動けば、人質にされるだけだ」
俺は冷静に状況を分析する。敵は、船内に多数潜伏している。まともにやり合えば、勝ち目はない。今は、奴らの作戦が開始されるのを待ち、その隙を突くしかない。
俺はポリゴンに指示を出し、船のメインシステムへのハッキングを継続させた。
「ポリゴン、船のエンジンルームと、操舵室のシステムを最優先で確保しろ。いざという時、俺たちがこの船をコントロールできるように」
『了解。システム制御の乗っ取りを試みます。……成功。管理者権限を確保しました』
よし、これで最低限の保険はできた。
パーティ会場では、そんな俺たちの緊張も知らず、バトル大会が進行していた。ステージ上では、俺が先ほど話したベテランの老トレーナーが、自慢のリザードンで相手を圧倒している。
その時、俺はふと、先ほどサトシにポケモン交換を持ちかけた紳士が、ロケット団員の一人と密談しているのを目撃した。
「(あの男も、ロケット団の仲間か……!)」
交換が成立していれば、サトシのピジョンは、まんまと奴らの手に渡っていたところだった。背筋に、冷たい汗が流れる。
俺は、ミニリュウの入ったボールを、そっと握りしめた。こいつがこの状況を打開する、俺たちの切り札になるかもしれない。
「ミナト、始まるぞ……!」
タケシが、緊張した声で言った。見ると、会場の照明が、一斉に落とされた。悲鳴を上げる乗客たち。そして、ステージ上のスクリーンに、あの男の顔が映し出された。ロケット団のボス、サカキだ。
『諸君、パーティは楽しんでいるかな?これより、このサント・アンヌ号は、我々ロケット団が支配する。優秀なトレーナーである君たちには、その素晴らしいポケモンを、我々に寄付していただきたい』
サカキの高圧的な宣言と共に、会場の至る所で、ロケット団員たちが一斉に行動を開始した。彼らは、特殊な電磁ネットを使い、トレーナーたちから次々とモンスターボールを奪っていく。
「なんてことだ!」
「あたしのポケモンを返して!」
抵抗しようとするトレーナーもいたが、ロケット団員たちは、容赦なくポケモンで反撃してくる。あっという間に、会場は阿鼻叫喚の地獄絵図と化した。
「くそっ!こうなったら、やるしかねえ!」
サトシが、ピカチュウを肩に乗せて飛び出そうとする。
「待て、サトシ!一人で突っ込むな!」
俺はサトシを制止し、タケシと視線を交わす。
「タケシさんとカスミは、他の乗客の避難誘導を!サトシと俺で、ここのロケット団員を引きつける!」
「分かった!気をつけるんだぞ!」
タケシとカスミが、子供やお年寄りを連れて、安全な場所へと走り出す。
「行くぜ、サトシ!」
「おう!」
俺たちは、背中合わせに構える。目の前には、十数人のロケット団員と、そのポケモンたち。絶望的な戦力差だ。
だが、俺たちの瞳には、恐怖の色はなかった。守るべきものがあるトレーナーは、いつだって、強くなれるのだ。
「フシギダネ、ミニリュウ!行くぞ!」
俺は、二匹のポケモンをボールから解き放った。フシギダネの鋭い眼光と、ミニリュウの未知なる力が、暗闇の中で静かに輝く。
サント・アンヌ号の戦い。その幕が、今、切って落とされた。
チラシ裏から表にでるべきか
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チラシ裏でいい
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表にでてもいい
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まだ表にでるのは早い