アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第175話

大聖堂の入り口で、ポリゴン2の体が激しく明滅を始めた。

通常の進化のような柔らかな光ではない。

それはデジタルなノイズが実体化したような、不規則で、どこか危うい輝きだった。

空間そのものがバグったように歪み、色彩が反転する。

 

「ポ、ポ、ポ……」

プログラムの自己書き換えによる過負荷が、ポリゴン2の電子体に過電流を走らせる。

だが、その瞳は一点の迷いもなく、大聖堂の奥にある古代の機械を見据えていた。

 

『多次元位相データの受信完了。……座標軸のズレを補正。……既存の論理(ロジック)を破棄します』

 

瞬間、ポリゴン2のフォルムが崩れ、再構成された。

丸みを帯びていた体は鋭角的に歪み、首は180度回転し、不自然な角度で空中に浮遊する。瞳はデジタルな虹色に染まり、全身から空間を歪ませるほどのパルスが放射された。

 

ポリゴンZ。

人工ポケモンの極致であり、次元の壁を越えるために「バグ」すら力に変えた異形の進化形。

 

「ゼェェェッ!!」

 

ポリゴンZが咆哮(あるいは電子音の叫び)を上げると、周囲の電磁干渉が嘘のように消え去った。

彼はそのまま大聖堂の鉄格子を透過し、内部のシステムへとダイブした。

 

「すご……!一瞬でハッキングしたのか!?」

サトシが目を見張る。

 

鉄格子が音もなく開き、俺たちは内部へと突入した。

最深部では、古代の機械の中枢に取り込まれ、生命エネルギーを吸い取られているラティオスの姿があった。彼の青い体は白く褪せかけている。

 

「ラティオス!」

ラティアスが駆け寄るが、リオンが立ちふさがる。

「させないわ!……あ、あいつ、何をしたの!?」

 

リオンがコンソールを叩くが、画面にはポリゴンZのマークが踊り、一切の操作を受け付けない。

「機械が……言うことを聞かない!?プログラムが書き換えられてる!ありえないわ、こんな短時間で!」

 

「ポリゴンZ、今だ!ラティオスを分離しろ!」

 

『了解。……強制排出プログラム、実行』

 

ポリゴンZが空間そのものを「クリック」するように腕を振ると、ラティオスを拘束していた光の鎖が弾け飛んだ。

「グオッ……!」

解放されたラティオスを、サトシとラティアスが受け止める。

 

「おのれぇ……!よくも私たちの芸術を!」

ザンナーがエーフィをけしかける。

「エーフィ、『サイコキネシス』!」

 

だが、ポリゴンZは不規則な動きでそれを回避し、逆にエーフィの背後を取った。

そして、口から次元すら歪ませるような極太の光線を放った。

 

「『はかいこうせん』!!」

 

ドォォォン!!

直撃を受けたエーフィは吹き飛ばされ、壁に激突してダウンした。

 

「終わったぞ、ザンナー、リオン。……お前たちの負けだ」

 

だが、安堵したのも束の間。

こころのしずくが不気味な黒い輝きを放ち始めた。

「……まずい。ラティオスを強引に引き抜いた衝撃で、雫のエネルギーが臨界点を超えた!」

 

大聖堂の床が割れ、地下から凄まじい濁流が湧き出してきた。

それはただの水ではない。雫の暴走したエネルギーが物質化した、破壊の奔流だ。

 

「津波……!街が飲み込まれるわ!」

カスミの叫び。

 

本当の試練は、ここからだった。

俺は、懐の三つの秘宝を握りしめ、荒れ狂う水面を睨みつけた。

この暴走を止めるには、神々の力に頼るしかない。

 

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