アニポケ転生者物語 作:投稿者
表彰台の一番高い場所。
そこから見る景色は、今まで見たどんな景色よりも美しかった。
金色のトロフィーと、名誉ある優勝カップ。
だが、それ以上に価値があるのは、ここまで共に歩んできたポケモンたちとの絆だ。
「優勝おめでとう、ミナト君」
大会委員長からトロフィーを受け取る。
会場のモニターには、俺のポケモンたちの活躍シーンがダイジェストで流れている。
フシギバナの巧みな戦術、ウインディの爆発力、ゲンガーのトリッキーな動き、ポリゴンZの異次元のハッキング、カブトプスの鋭い鎌、クリスタルハガネールの鉄壁、そしてカイリューの王者の風格。
全員が主役だった。
閉会式が終わり、選手村に戻ると、盛大な祝勝会が開かれた。
「カンパーイ!」
サトシたちがジュースを掲げる。
「いやぁ、まさかミナトが優勝するなんてなぁ。俺も負けてられないぜ」
シゲルが、悔しそうに、でも嬉しそうに言う。
「俺もだ!次は絶対に俺が勝つからな!」
サトシも燃えている。
「ああ。いつでも受けて立つよ」
その夜、俺は一人で宿舎のベランダに出た。
月が綺麗だ。
祭りの後の静けさが、心地よい。
「(終わったんだな……シロガネ大会)」
カントーから始まり、オレンジ諸島を経て、ここジョウトへ。
長い旅だった。
だが、俺の中には「燃え尽きた」という感覚はない。
むしろ、次の冒険への渇望が、静かに燃え上がっているのを感じていた。
「(まだ、やり残したことがある)」
俺は、懐の『水晶の欠片』を取り出した。
ミュウツー。
彼との約束。そして、ロケット団との決着。
「サカキ……。お前も、見ているんだろう?」
俺の予感は的中した。
ポケギアが着信を告げる。
発信元は不明。だが、その声の主は分かっていた。
『……優勝おめでとう、ミナト君』
低く、冷徹な声。
ロケット団のボス、サカキだ。
『君の実力、改めて評価しよう。……どうだ、私の元に来ないか?その力を、世界を支配するために使ってみないか』
「断る。俺の力は、ポケモンと未来のためにある」
『フッ……言うと思ったよ。……ならば、来るがいい。「ピュアーズ・ロック」へ。……そこで、全てを終わらせよう』
通話が切れた。
ピュアーズ・ロック。世界で一番清らかな水が湧き出るという、秘境の地。
そして、ミュウツーが仲間たちと隠れ住んでいる場所。
「(やっぱり、あそこか)」
俺は部屋に戻り、旅の準備を始めた。
優勝の余韻に浸っている暇はない。
最後の戦いが、俺を呼んでいる。
「行くぞ、みんな。……これが、ジョウト地方最後のミッションだ」
ボールの中の相棒たちが、静かに闘志を燃やして応えた。