アニポケ転生者物語 作:投稿者
「やめろ……!彼らには関係ない!」
ミュウツーが、音波の苦痛に耐えながら叫ぶ。
その視線の先には、捕らえられたコピーのピカチュウやフシギダネたちがいる。
「関係ない?彼らは失敗作とはいえ、私の資産だ。どう扱おうと私の勝手だろう」
サカキはモニター越しに、冷ややかに告げる。
空中に投影されたホログラムには、捕らえられたコピーポケモンたちが電気ショックで苦しめられる映像が映し出されていた。
「やめろぉぉぉ!!」
サトシが怒りで叫ぶ。
『……分かった。……私が、行けばいいのだろう』
ミュウツーは、ふらつく足取りで立ち上がった。
『これ以上、彼らを傷つけるな』
「ミュウツー、ダメだ!行くな!」
俺が止めようとするが、ミュウツーは首を横に振った。
『私が生まれたせいで、彼らが苦しむのは耐えられない。……彼らを解放しろ。代わりに私が戻る』
「賢明な判断だ。……捕獲ビーム、照射」
母船から赤い光線が放たれ、ミュウツーの体を包み込んだ。
ミュウツーは抵抗することなく、光の中へと吸い込まれていく。
その背中は、あまりにも孤独で、小さく見えた。
「ミュウツー!!」
光の中で、ミュウツーは俺たちの方を見て、寂しげに微笑んだ。
『……すまない。……短い間だったが、ここでの生活は……悪くなかった』
ミュウツーの姿が消え、母船へと収容された。
同時に、人質のコピーポケモンたちが解放される。
「ピーカ……」
ピカチュウツーが悲しげに空を見上げる。
「よし、撤収だ」
ドミノが合図を送る。ロケット団は目的を果たし、引き上げようとしている。
地上部隊が次々とヘリに回収されていく。
「……ふざけるな」
俺の中で、何かが切れた音がした。
こんな結末、認めてたまるか。
ミュウツーは、俺たちが救った命だ。俺たちの「現実」の一部だ。
それを、あんな薄汚い大人たちの道具になんかさせてたまるか。
「サトシ!カスミ!タケシ!……あいつを、取り返しに行くぞ!」
俺の怒号に、仲間たちが弾かれたように顔を上げた。
「当たり前だ!このまま終わらせてたまるか!」
「絶対に取り戻すわよ!あんなひどいこと、許せない!」
「ああ!行くぞ!」
俺たちは、撤収しようとするロケット団の輸送機の一つに狙いを定めた。
「ウインディ、あのハッチが開いている機体を追え!」
俺たちはウインディやリザードンの背に乗り、離陸しようとする輸送機に強引に飛び乗った。
「待ってろよ、サカキ!……今度は俺たちが、お前の城に乗り込んでやる!」
俺たちの乗った機体は、そのまま巨大な母船のハッチへと吸い込まれていった。
敵の本拠地、空中の要塞。
そこで待つのは、地獄か、それとも奇跡か。
俺は懐の『水晶の欠片』を、砕けよと言わんばかりに強く握りしめた。
「(絶対に助け出す。……待ってろ、ミュウツー)」