アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第189話

「サカキ!」

俺たちが叫ぶと、サカキはモニター越しに冷ややかな視線を向けてきた。

「無駄だ。ミュウツーの精神は、既にこの拘束装置によって完全に制御下にある。……じきに、私の忠実な下僕となる」

 

ミュウツーは意識がないのか、うなだれたまま動かない。

拘束フィールドは、物理攻撃を一切受け付けない特殊なエネルギーで構成されている。

 

「そうはさせるか!ポリゴンZ、システムに侵入しろ!」

 

俺はポリゴンZをコンソールに放った。

「ゼェェェッ!!」

ポリゴンZがデジタル粒子となってシステムにダイブする。

 

『侵入検知。排除プログラム起動』

ロケット団の防衛AIが、サイバー空間でポリゴンZに攻撃を仕掛ける。

ファイアウォール、ウイルス攻撃、論理爆弾。

だが、ポリゴンZはそれら全てを「バグ」のような不規則な動きで回避し、逆に侵食していく。

 

『エラー。エラー。……論理矛盾発生。……システムの制御権を奪取されました』

 

「何だと!?」

サカキが初めて焦りを見せる。

 

ポリゴンZは、異次元の演算能力で拘束装置のプログラムを書き換えていた。

『テクスチャー』による属性書き換えで、エネルギーフィールドの波長を無効化する。

拘束フィールドが明滅し、弱まっていく。

 

「今だ!ミュウツー、聞こえるか!」

 

俺は懐から『水晶の欠片』を取り出した。

水晶が、かつてないほどの輝きを放つ。

青白い光が、弱まった拘束フィールドを貫通し、ミュウツーの胸元へと届く。

 

「お前は道具じゃない!自分の意志で、未来を選べ!」

 

光がミュウツーの心に触れた瞬間。

ミュウツーの瞳が、カッ!と見開かれた。

 

『……私は……私は……!!』

 

「ウオオオオオオオオッ!!」

 

ミュウツーの咆哮と共に、全身から凄まじいサイコパワーが溢れ出した。

その姿が変わる。

筋肉が隆起し、手足が伸び、鋭利で攻撃的なフォルムへ。

キーストーンなどない。だが、水晶の力が、一時的な「覚醒」を引き起こしたのだ。

 

覚醒したミュウツーは、拘束フィールドを内側から粉砕した。

チューブが引きちぎられ、拘束具が弾け飛ぶ。

 

「馬鹿な……!拘束装置を力ずくで破壊しただと!?」

 

ミュウツーは、青白いオーラを纏い、俺たちの前に降り立った。

その瞳には、もはや迷いはない。

 

『……礼を言う、人間たちよ。……そして、サカキ。今度こそ終わりだ。私を縛る鎖は、もうない!』

 

覚醒ミュウツーが腕を一振りすると、実験区画の壁がごっそりと消滅した。

戦艦が大きく傾く。

 

「行くぞ、ミュウツー!サカキの元へ!」

 

俺たちは、覚醒した最強のポケモンと共に、艦橋へと駆け出した。

逆襲の時は来た。今度こそ、全ての因縁を断ち切るために。

 

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