アニポケ転生者物語 作:投稿者
「サカキ!」
俺たちが叫ぶと、サカキはモニター越しに冷ややかな視線を向けてきた。
「無駄だ。ミュウツーの精神は、既にこの拘束装置によって完全に制御下にある。……じきに、私の忠実な下僕となる」
ミュウツーは意識がないのか、うなだれたまま動かない。
拘束フィールドは、物理攻撃を一切受け付けない特殊なエネルギーで構成されている。
「そうはさせるか!ポリゴンZ、システムに侵入しろ!」
俺はポリゴンZをコンソールに放った。
「ゼェェェッ!!」
ポリゴンZがデジタル粒子となってシステムにダイブする。
『侵入検知。排除プログラム起動』
ロケット団の防衛AIが、サイバー空間でポリゴンZに攻撃を仕掛ける。
ファイアウォール、ウイルス攻撃、論理爆弾。
だが、ポリゴンZはそれら全てを「バグ」のような不規則な動きで回避し、逆に侵食していく。
『エラー。エラー。……論理矛盾発生。……システムの制御権を奪取されました』
「何だと!?」
サカキが初めて焦りを見せる。
ポリゴンZは、異次元の演算能力で拘束装置のプログラムを書き換えていた。
『テクスチャー』による属性書き換えで、エネルギーフィールドの波長を無効化する。
拘束フィールドが明滅し、弱まっていく。
「今だ!ミュウツー、聞こえるか!」
俺は懐から『水晶の欠片』を取り出した。
水晶が、かつてないほどの輝きを放つ。
青白い光が、弱まった拘束フィールドを貫通し、ミュウツーの胸元へと届く。
「お前は道具じゃない!自分の意志で、未来を選べ!」
光がミュウツーの心に触れた瞬間。
ミュウツーの瞳が、カッ!と見開かれた。
『……私は……私は……!!』
「ウオオオオオオオオッ!!」
ミュウツーの咆哮と共に、全身から凄まじいサイコパワーが溢れ出した。
その姿が変わる。
筋肉が隆起し、手足が伸び、鋭利で攻撃的なフォルムへ。
キーストーンなどない。だが、水晶の力が、一時的な「覚醒」を引き起こしたのだ。
覚醒したミュウツーは、拘束フィールドを内側から粉砕した。
チューブが引きちぎられ、拘束具が弾け飛ぶ。
「馬鹿な……!拘束装置を力ずくで破壊しただと!?」
ミュウツーは、青白いオーラを纏い、俺たちの前に降り立った。
その瞳には、もはや迷いはない。
『……礼を言う、人間たちよ。……そして、サカキ。今度こそ終わりだ。私を縛る鎖は、もうない!』
覚醒ミュウツーが腕を一振りすると、実験区画の壁がごっそりと消滅した。
戦艦が大きく傾く。
「行くぞ、ミュウツー!サカキの元へ!」
俺たちは、覚醒した最強のポケモンと共に、艦橋へと駆け出した。
逆襲の時は来た。今度こそ、全ての因縁を断ち切るために。