アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第190話

傾く戦艦の中を駆け抜け、俺たちはついにブリッジへとたどり着いた。

そこには、崩壊しつつある状況でもなお、不敵に椅子に座るサカキの姿があった。

 

「……見事だ。ここまでやるとはな」

サカキはゆっくりと立ち上がった。

「だが、私が自ら手を下すことになるとはな。……来い、ペルシアン!」

 

サカキの膝元にいたペルシアンではない。

ボールから繰り出されたのは、鎧のような筋肉と、殺気を纏った戦闘用ペルシアンだ。

さらに、もう一匹。

「大地の怒りを知れ。サイドン!」

これもまた、通常の個体とは桁外れのオーラを放つ、サカキ最強のサイドン。

 

「サトシ、ペルシアンを頼む!俺はサイドンをやる!」

「おう!ピカチュウ、行くぞ!」

 

サトシとピカチュウがペルシアンに挑む。

俺は、最後のボールを握りしめた。

 

「カイリュー、これが最後の戦いだ。……頼むぞ!」

 

「グオオオオッ!!」

カイリューが登場する。王者対決だ。

 

「サイドン、『メガホーン』!」

「カイリュー、受け止めて投げ飛ばせ!」

 

サイドンの角と、カイリューの腕が激突する。

パワーは互角。いや、地面タイプのサイドンに地の利がある。

 

「『ストーンエッジ』!」

至近距離からの岩の刃。カイリューは翼でガードするが、ダメージは深い。

 

「(強い……。ジムリーダーとしてのサカキじゃない。ロケット団ボスとしての、殺意の籠もった強さだ)」

 

だが、俺も負けるわけにはいかない。

「カイリュー、『りゅうのまい』!」

攻撃を耐えながら、カイリューが舞う。力を溜める。

 

「無駄だ。『ストーンエッジ』!」

サイドンが追撃してくる。

 

「今だ!『しんそく』で懐に入れ!」

 

カイリューが加速し、サイドンの懐に潜り込んだ。

「ゼロ距離からの……『れいとうパンチ』!!」

 

弱点の氷技が、サイドンの腹部に直撃する。

だが、サイドンは倒れない。

「『アームハンマー』!」

カウンターの一撃がカイリューを襲う。

 

両者吹き飛ぶ。

ボロボロになりながらも、二匹は立ち上がる。

 

「……面白い。ここまで私を追い詰めたトレーナーは久しぶりだ」

サカキが笑う。

 

「終わらせるぞ!カイリュー、全力を解き放て!『ギガインパクト』!!」

「サイドン、『つのドリル』!!」

 

最大火力と一撃必殺。

二つの巨体が、ブリッジの中央で激突した。

 

閃光。爆発。

ブリッジの窓ガラスが全て砕け散り、強烈な風が吹き込む。

 

煙が晴れた時。

立っていたのは――。

 

「……カイリュー!」

 

俺のカイリューだった。

サイドンは、角を折られ、完全に気絶していた。

 

「……私の負けか」

サカキは、倒れたサイドンを戻した。

サトシの方も、ピカチュウがペルシアンを破っていた。

 

「終わったぞ、サカキ。お前の野望は、ここで終わりだ」

 

「……フッ。野望は潰えたか。……だが、この船ももう持たんぞ」

 

戦艦は限界を迎え、コントロールを失ってピュアーズ・ロックの湖へと墜落しようとしていた。

「脱出だ!急げ!」

 

俺たちはサカキを拘束する暇もなく、崩壊するブリッジから飛び出した。

ミュウツーがサイコキネシスで俺たちを包み込み、空へと脱出する。

 

眼下では、巨大な戦艦が炎を上げながら、清らかな湖へと突っ込んでいくところだった。

「まずい……!あんなものが落ちたら、湖が汚染されてしまう!」

 

聖域が、死の海に変わってしまう。

それを止める方法は、一つしかなかった。

 

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