アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第203話

トウカの森。

巨大な木々が複雑に入り組み、太陽の光さえも遮るこの場所は、ホウエン地方でも有数の迷いの森だ。

俺はポリゴンZの高度な解析能力を封印し、自分の足と、新しい相棒たちの本能だけを頼りに進んでいた。

 

「キャモメ、上から出口の方向は見えるか?」

「キャーモ!」

キャモメが木々の隙間から空へ飛び立ち、旋回する。

彼は風の流れを読み、森の切れ目から漏れるわずかな光の方向を指し示した。

 

「よし、あっちだな。……ジグザグマ、足元に罠や落とし穴がないか確認してくれ」

「ジグッ!」

ジグザグマが鼻を地面に擦り付け、クンクンと匂いを嗅ぎながら先行する。

彼のおかげで、不自然に踏み固められた土(おそらく野生ポケモンの巣や罠)を回避して進むことができた。

 

「(いいぞ。……ポリゴンZに頼らなくても、俺たちは十分にやっていける)」

 

俺は自分の判断力と、相棒たちの有能さに手応えを感じていた。

だが、その平穏は、森の奥から聞こえてきた不穏な争い声によって破られた。

 

「や、やめてください!これはデボンの大切な……!」

「黙れと言っているだろう!そのカバンをこちらに渡せ!」

 

鋭い怒号。俺はジグザグマに合図を送り、気配を殺して声のする方へと近づいた。

開けた広場に出ると、緑色のスーツを着た男が、二人の「異様な集団」に追い詰められていた。

 

赤いフード付きの戦闘服。胸元には、黒い火山の紋章。

「(マグマ団……。やはり活動を開始していたか)」

 

カントーのロケット団が「利益」のために動く犯罪組織なら、このマグマ団は「理想」のために動く狂信的な集団だ。大地を広げるという荒唐無稽な目的のために、デボンコーポレーションの研究成果を奪おうとしている。

 

「お前たちが何を企んでいようと、力ずくで奪うのは感心しないな」

俺は、物陰からゆっくりと姿を現した。

 

「誰だ、貴様は!」

マグマ団員たちが一斉にこちらを向く。

 

「ただの通りすがりのトレーナーだ。……でも、その荷物は俺の友人の父親の会社の物でね。見過ごすわけにはいかない」

 

「ガキが、生意気な口を!やっちまえ、ポチエナ!ズバット!」

 

二体のポケモンが繰り出される。

俺は、ポリゴンZを出したい衝動を抑えた。

ここで彼を使えば、一瞬で終わるだろう。だが、それは今の俺が求める「冒険」ではない。

 

「ラルトス、ジグザグマ!お前たちの出番だ!」

 

俺は、ホウエンでの新しい相棒たちを前に出した。

「ラルッ!」「ジグッ!」

 

「ほう、そんな弱そうなポケモンで相手をするつもりか?笑わせるな!」

マグマ団員が嘲笑う。

 

「弱そうに見えるか?……なら、その認識を今すぐ書き換えてやるよ」

 

俺は不敵に笑い、二匹に指示を出した。

「ジグザグマ、フィールドを駆け回れ!ラルトス、その動きをサポートしろ!」

 

トウカの森の静寂が、バトルの熱気によって塗り替えられていく。

新天地での、俺たちの「本当の初陣」が始まった。

 

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