アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第207話

白銀の閃光となって突進してくるココドラ。

その速度は、重厚な見た目からは想像もできないほど速い。まるで弾丸だ。

「ラルトス、『リフレクター』!」

 

ラルトスが瞬時に光の壁を展開する。

ココドラの体当たりが壁に激突し、凄まじい衝撃波が坑道を揺らした。壁に亀裂が走り、天井からパラパラと粉塵が落ちてくる。リフレクターがなければ、俺たちはひとたまりもなかっただろう。

 

「ココッ……!」

ココドラは壁に跳ね返されても、すぐさま体勢を立て直し、今度は地面を叩いて砂煙を上げた。

『どろかけ』による視界封じ。野生とは思えない冷静な判断だ。

視界が遮られ、ココドラの姿が見えなくなる。

 

「ジグザグマ、風を起こせ!『砂かけ』で対抗だ!」

ジグザグマが尻尾を振り回し、砂煙を押し戻す。

その隙間から、ココドラの影が見えた。

 

「キャモメ、上空から急降下だ!『みずでっぽう』!」

 

「キャーモッ!」

キャモメが天井付近から急降下し、水流を放つ。

水流がココドラの装甲を叩く。鋼・岩タイプのココドラにとって、水技は効果抜群だ。

だが、ココドラは倒れない。

「コォッ!!」

逆に、濡れた体でさらに地面を蹴り、加速してキャモメに肉薄した。水流の勢いを殺さず、そのまま突進力に変えたのだ。

 

「『がんせきふうじ』か!?」

ココドラが周囲の岩を浮かき上げ、キャモメの逃げ道を塞ぐ。

空中のキャモメが岩に囲まれ、身動きが取れなくなる。

「(なんて戦闘センスだ……!こいつ、ただ力任せに暴れているだけじゃない。地形を利用し、相手の弱点を突く術を知っている)」

 

俺は、ココドラの瞳の中に、かつてカントーで出会ったあの頃の相棒たちの姿を見た。

誰にも頼らず、自分一人の力だけで頂点を目指そうとする、孤高のプライド。

それは美しく、そして危うい。

 

「ココドラ!お前は一人で強くなろうとしている!でも、一人の力には限界があるんだ!」

 

俺の叫びに、ココドラの動きが一瞬止まった。

「俺と一緒に来い!お前のその紅い瞳は、孤独の証じゃない。世界で唯一の、最強の輝きなんだ!俺なら、お前のその色を、もっと輝かせることができる!」

 

俺はラルトスに合図を送った。

「ラルトス、念力で語りかけろ!俺たちの『心』を届けるんだ!」

 

ラルトスが目を閉じ、穏やかで力強い波動をココドラへ送った。

『……独りじゃない。……貴方の輝きを、もっと広い場所で輝かせたい。……私たちの仲間になって』

 

ココドラの動きが、完全に止まった。

彼は俺を見つめ、そしてラルトスを見つめた。

その小さな胸が、激しく上下している。

怒り、警戒、そして……期待。

様々な感情が入り混じった瞳が、俺の真意を探っている。

 

「俺はミナト。……お前の強さを、俺に預けてくれないか?……一緒に、誰も見たことのない景色を見に行こう。頂点からの景色を」

 

俺は、ハイパーボールをそっと差し出した。

敵意はない。ただ、共に歩みたいという願いだけを込めて。

 

ココドラは、しばらくボールを見つめていたが、やがてゆっくりと歩み寄り……自らの額をボールにコツンとぶつけた。

「ココッ……」

それは、契約の合図だった。

 

カチッ。

ボールが揺れる。

一回、二回、三回……。

 

「……ふぅ。ココドラ、ゲットだ」

 

俺はボールを拾い上げ、その冷たい金属の感触を確かめた。

中からは、安堵したような、しかし清々しいココドラの鼓動が伝わってくる。

孤独だった魂が、俺たちの輪の中に加わった瞬間だ。

 

「(白銀のココドラ……。お前はこれから、俺たちの最高の盾になるんだ)」

 

廃鉱山の異変――その原因は、このココドラが極限の修行を繰り返していたことによる振動だったらしい。

俺はツワブキ社長への報告をまとめつつ、新しい相棒を労った。

 

「さて、カナズミジムのツツジさんが待ってる。……お前のデビュー戦、楽しみにしてるぞ」

 

俺たちは、白銀の輝きを仲間に加え、廃鉱山を後にした。

出口から差し込む太陽の光が、これからの俺たちの旅を祝福しているようだった。

カナズミシティのビル群が、遠くでキラキラと輝いていた。

新しい仲間と共に、俺は次なるステージへと進む。

 

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