アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第209話

カナズミジム。

そこは、街の象徴である様々な岩石や化石が展示された、まるで博物館のようなジムだった。

バトルフィールドは、ごつごつとした岩場が配置された、岩タイプにとって絶好の環境。大小様々な岩が遮蔽物となり、立体的な戦術が可能となっている。

 

「お待たせしました、ミナトさん。……昨日の講義の続き、始めましょう」

ツツジが、教壇に立つ時とは違う、キリリとした勝負師の顔で立っていた。

彼女の背後には、昨日の生徒たちが応援に駆けつけている。

 

「これより、ジムリーダー・ツツジと、挑戦者ミナトのジム戦を行う!ルールは3対3!どちらかのポケモンが全滅した時点で終了とする!」

審判の声が響く。

 

「私の先発はこの子です!行け、イシツブテ!」

ツツジが繰り出したのは、岩タイプの基本とも言えるイシツブテ。だが、その肌は磨き上げられたように滑らかで、相当な鍛錬を積んでいることが伺える。

 

「なら、こっちは風と水で攻める。……行け、キャモメ!」

 

俺はキャモメを放った。

「キャーモッ!!」

キャモメは軽やかに空を舞い、イシツブテを見下ろす。

 

「水タイプですね。定石通りの選択です。……ですが、このフィールドを使いこなせますか?イシツブテ、『がんせきふうじ』!」

 

イシツブテがフィールドの岩を浮かび上がらせ、キャモメの周囲に檻を作る。

空中に浮かんだ岩が、キャモメの逃げ場を塞いでいく。

「逃げ道を塞いでからの、『ころがる』!」

イシツブテが回転し、岩の檻の中でキャモメを追い詰める。

 

「(計算された動きだ……。だが、キャモメの飛行能力を甘く見ないでほしいな)」

 

「キャモメ、上へ逃げるな!あえて岩の間を縫って加速しろ!」

 

「キャモッ!」

キャモメは俺の指示通り、迫りくる岩の隙間をアクロバティックな機動で潜り抜けた。

狭い空間を抜けることで、逆に風の勢いが増していく。嵐の中で船を導いた、あの時の動きだ。

 

「今だ!『ハイドロポンプ』!」

 

加速した勢いを乗せた、極太の水流。

岩の檻を突き破り、イシツブテを正面から捉えた。

水に弱いイシツブテは、為す術なく吹き飛ばされ、一撃でダウンした。

 

「イシツブテ、戦闘不能!」

 

「……お見事。スピードを威力に変えるとは。……ですが、次はどうかしら。行け、リリーラ!」

 

ツツジの二匹目は、古代の化石から蘇ったリリーラ。岩・草タイプ。

水技が効きにくく、逆に草技でこちらを狙ってくる難敵だ。

触手が不気味にうねっている。

 

「キャモメ、戻れ!……ラルトス、お前の番だ!」

 

俺はラルトスを投入した。

「ラルトス、『かげぶんしん』からのかく乱だ!」

 

「リリーラ、『ギガドレイン』!」

リリーラの触手が伸び、分身を次々と貫く。本物を捕らえて体力を吸い取るつもりだ。

だが、ラルトスはテレポートで瞬時に移動し、触手をかわす。

 

「そこだ、ラルトス!『サイコキネシス』でリリーラを浮かび上がらせろ!」

 

ラルトスの目が青く光り、念動力がリリーラを宙に固定する。

「根を張れなければ、草タイプも怖くない!そのまま地面に叩きつけろ!」

 

物理的な防御が薄いリリーラは、大きなダメージを受けた。

「とどめだ!『10まんボルト』!」

 

電撃がリリーラを襲う。

リリーラはダウンした。

 

「リリーラ、戦闘不能!」

 

「……強い。貴方のチームには、迷いがないわね」

ツツジは悔しそうにしながらも、最後のボールを握りしめた。

「ですが、私のこの子は、そう簡単には崩せませんよ。……出てきて、ノズパス!」

 

ツツジの切り札、コンパスポケモン・ノズパスが登場した。

磁力で常に北を向くその体は、どんな攻撃を受けても揺るがない、カナズミジム最強の盾だ。

その巨大な鼻が、俺たちを向いている。

 

「(来たな、ノズパス。……さて、こっちも『最強の盾』を出すとしようか)」

 

俺は、温存していた最後のボールを手に取った。

白銀の輝きを纏う、俺たちの期待の新星。

 

「頼むぞ、ココドラ!お前の力、世界に見せつけてやれ!」

 

「ココォォッ!!」

白銀の装甲を纏い、紅い瞳を鋭く光らせたココドラが、フィールドに降り立った。

その重厚な足音が、スタジアムに響き渡る。

岩と鋼。硬さと硬さのぶつかり合い。

最終決戦の幕が上がった。

 

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