アニポケ転生者物語 作:投稿者
「これより、ジムリーダー・トウキと、挑戦者ミナトのジム戦を行う!ルールは3対3!」
審判の声が響く。
海岸に設置された特設フィールドは、満潮が近づき、足元まで波が押し寄せている。
足場の悪い砂地と、不規則な波のリズム。
まさに、トウキのためのステージだ。
「行くよ!僕の先発はワンリキー!」
トウキが繰り出したのは、小柄だが筋肉質のワンリキー。
「なら、こっちは空から行く。……頼むぞ、キャモメ!」
俺はキャモメを放った。
「キャーモッ!!」
キャモメは海風に乗り、軽やかに空を舞う。
「飛行タイプか。相性はいいけど、当てられなきゃ意味がないよ!ワンリキー、『クロスチョップ』!」
ワンリキーが岩を蹴って高くジャンプする。
「キャモメ、風を読め!『つばさでうつ』!」
キャモメはワンリキーのチョップを紙一重でかわすと、すれ違いざまに翼でカウンターを入れた。
ワンリキーがバランスを崩して着地する。
「追撃だ!『みずでっぽう』!」
上空からの水流射撃。ワンリキーは砂に足を取られ、回避できない。
「ワンリキー、『きあいだめ』で耐えろ!」
トウキが指示するが、キャモメの波状攻撃は止まらない。
ヒット&アウェイ。
トウキの得意とする「受け流し」も、触れることすらできない相手には通じない。
「フィニッシュだ!『つばめがえし』!」
必中の風の刃がワンリキーを捉え、戦闘不能に追い込んだ。
「ワンリキー、戦闘不能!」
「……やるね。風を味方につけているのか」
トウキは感心したようにワンリキーを戻した。
「でも、次はそうはいかないよ。行け、アサナン!」
トウキの二匹目はアサナン。エスパー・格闘タイプだ。
「アサナン、『ねんりき』で動きを止めて!」
アサナンが座禅を組み、サイコパワーを放つ。
空中のキャモメが、見えない力に捕まって動きを止められた。
「捕まえた!『かみなりパンチ』!」
アサナンが跳躍し、帯電した拳を振りかざす。水・飛行のキャモメに電気技は4倍弱点だ。
「(まずい!)」
「キャモメ、戻れ!……ラルトス、ガードだ!」
俺は瞬時に交代した。
光と共に現れたラルトスが、『リフレクター』を展開する。
バチィッ!!
雷パンチが光の壁に阻まれる。
「ラルトスか。……面白い!」
「ラルトス、『サイコキネシス』!」
「アサナン、『めいそう』!」
エスパー同士の精神戦。
だが、アサナンの格闘技のキレは鋭い。
『とびひざげ』がラルトスを襲う。
「ラルトス、テレポート!」
ラルトスは瞬時に移動し、アサナンの背後を取る。
「『マジカルリーフ』!」
必中の葉っぱがアサナンを切り刻む。
アサナンはダメージを受けつつも、『ヨガのポーズ』で攻撃力を上げてくる。
「(長期戦は不利だ。……ここで決める!)」
俺は、次の手を用意していた。
ラルトスとのコンテスト練習で編み出した、美しくも強力なコンボ技を。
「ラルトス、光を集めろ!……『チャージビーム』と『サイコキネシス』の融合!」
ラルトスが放った電気のビームを、自らの念力で球状に圧縮し、弾丸のように撃ち出した。
「行けぇぇっ!」
閃光がアサナンを飲み込む。
アサナンは吹き飛ばされ、砂浜に沈んだ。
「アサナン、戦闘不能!」
トウキの手持ちは、あと一匹。
俺はまだ三匹残っている。有利だ。
だが、トウキの瞳から闘志は消えていない。
「……素晴らしい。君のバトルは、まるでダンスのように美しいね」
トウキは最後のボールを構えた。
「でも、僕の最強の波は、これからだよ。……出てこい、ハリテヤマ!」
巨大な力士ポケモン、ハリテヤマが登場する。
その巨体が着地しただけで、砂浜が揺れた。
「(来たな、エース……!)」
俺は、ラルトスを戻し、最後の切り札のボールを握りしめた。
「頼むぞ、ココドラ!お前の鉄壁で、あの大波を砕いてやれ!」
ムロジム戦、クライマックス。
剛と剛のぶつかり合いが始まる。