アニポケ転生者物語 作:投稿者
システムが正常化したと思った瞬間、ジェネレーターの深部から再び異常な振動が発生した。
ドクン、ドクンと、まるで巨人の心臓が波打つような音が響く。
『警告。残留エネルギーの逆流を確認。……ウイルスによる強制稼働で蓄積された熱エネルギーが、行き場を失ってタービン内で膨張しています』
ポリゴンZの焦った声が響く。
『このままでは、物理的な過負荷により、タービンが爆発する恐れがあります』
「なんだって!?」
ウイルスは消したが、溜め込まれたマグマのようなエネルギーは消えていなかったのだ。
爆発すれば、地下施設どころか、地上のキンセツシティにも被害が及ぶ。
「(電気を……逃がすしかない!)」
俺は瞬時に判断した。
「ココドラ!避雷針になれ!」
「ココッ!?」
俺はココドラを抱え、ジェネレーターの主要ケーブルが露出している場所へと走った。
「地面に体を埋めて、電気をアースするんだ!お前の鋼の体と、地面への親和性なら耐えられる!」
ココドラは俺の意図を理解し、覚悟を決めて地面に深く潜り込んだ。
俺はケーブルを切断し、ココドラの背中の装甲に接触させた。
溢れ出した電流がココドラを直撃し、そこから地面へと流れていく。
「コォォォォ……ッ!!」
ココドラが苦痛に耐える咆哮を上げる。装甲が赤熱し始める。
「耐えろ!……ラルトス、サイコパワーで電流の軌道を誘導しろ!ココドラ一点に集中させすぎないように、周囲の地面へ分散させるんだ!」
ラルトスが額に汗を浮かべながら、念力で電気の流れをコントロールする。
「キャモメ、水を撒いて冷却だ!ココドラが熱でやられないように!」
キャモメが必死に水をかけ続ける。水蒸気が上がり、サウナのような熱気が充満する。
俺たちの総力戦。
ポケモンたちの力を合わせて、暴走するエネルギーを少しずつ、確実に鎮めていく。
「あと少しだ……!頑張れ!」
数分後。
最後の火花が散り、ジェネレーターの振動が完全に止まった。
静寂が戻る。
「……ココドラ?」
煙の中から、黒焦げになりながらも、親指(爪)を立てて「大丈夫だ」と合図するココドラの姿があった。
「ココッ……」
「よくやった……!みんな、最高だ!」
俺はボロボロになった仲間たちを抱きしめた。
バトルに勝つことだけが強さじゃない。
誰かのために、体を張って守り抜くこと。
それこそが、俺たちが目指す「強さ」だ。
地上に戻ると、テッセンさんが心配そうに待っていた。
「おお、無事じゃったか!地下の震動が止まったが……」
「はい。……システムは復旧しました。原因は、マグマ団による外部からのハッキングでした」
俺は事の顛末を報告した。
「なんと……。マグマ団とやら、許せん奴らじゃ」
テッセンさんは怒りに震えたが、すぐに俺に向き直り、深々と頭を下げた。
「礼を言うぞ、ミナト君。君のおかげで、キンセツの街は救われた。……君は、街の英雄じゃ」
「いえ。……いい経験になりました。それに、こいつらが頑張ってくれたんです」
俺はポケモンたちを誇らしげに紹介した。
そこへ、サトシが走ってきた。
「ミナト!大丈夫か!?すごい音がしたけど……」
「ああ。なんとかな」
「へへっ、俺も特訓終わったぜ!ピカチュウの電気、バッチリコントロールできるようになった!……次は負けないぜ!」
「ピカピカ!」
「そうか。……なら、次は俺の番だな」
俺はテッセンさんを見た。
「テッセンさん。……改めて、ジム戦をお願いします」
「うむ!もちろんだとも!……君のその熱いハート、ワシの電気でさらに痺れさせてやるわい!」
再戦の約束。
今度は、何の憂いもない、全力のバトルだ。
俺は拳を握りしめた。
ニューキンセツでの経験は、俺たちを確実に強くした。
ダイナモバッジ、必ず手に入れてみせる。