アニポケ転生者物語 作:投稿者
# 第34章 第10話:再戦の雷鳴、本当の笑顔
ニューキンセツでの事件が解決し、俺がジム戦でテッセンさんに勝利した翌日。
俺たちは、キンセツジムのバトルフィールドに再び集まっていた。
サトシが、どうしてもやり残したことがあると言って、テッセンさんに再戦を申し込んだのだ。
「テッセンさん! お願いします! もう一度、俺とバトルしてください!」
サトシが深々と頭を下げる。
「前のバッジは返します。……俺、過充電の力じゃなくて、俺とピカチュウの本当の力で、あんたに勝ちたいんです!」
サトシの手には、以前受け取ったダイナモバッジが握られている。
テッセンさんは、しばらくサトシの真剣な瞳を見つめていたが、やがてニカっと笑った。
「ワッハッハ! いい目じゃ! 自分の弱さを認め、それでも前に進もうとするその心意気、気に入った! 受けて立とうじゃないか!」
「ありがとうございます!」
「ただし、今度は手加減なしじゃぞ? ワシの新しい相棒を見せてやろう! 行け、ライボルト!」
テッセンさんが繰り出したのは、進化したばかりのライボルトだった。青い稲妻のような体躯と、鋭い眼光。レアコイルよりも遥かにスピードに特化したポケモンだ。
「望むところだ! 行くぞ、ピカチュウ!」
「ピッカァ!」
ピカチュウがフィールドに飛び出す。過充電の影響はもうない。今のピカチュウは、サトシとの絆だけで戦う、いつもの相棒だ。
「バトルスタート!」
「ライボルト、『スパーク』!」
ライボルトが青い電撃を纏い、ジグザグの軌道でピカチュウに迫る。速い!
「ピカチュウ、『でんこうせっか』でかわせ!」
ピカチュウも負けじと加速し、紙一重でかわす。二つの光がフィールドを縦横無尽に駆け巡る。
「『かみつく』!」
「『アイアンテール』で迎撃だ!」
ライボルトの牙とピカチュウの鋼の尻尾が激突し、火花が散る。力は互角だ。
「やるのぉ! ならばこれでどうじゃ! 『かみなり』!!」
テッセンさんの指示で、ライボルトが空に向かって咆哮する。ジムの天井に設置された集電装置からエネルギーを集め、極太の落雷をピカチュウの頭上に落とした。
「うわぁっ!? ピカチュウ!」
直撃。フィールドが眩い光に包まれる。
だが、光が晴れた時、ピカチュウは立っていた。体から煙を上げながらも、その目は燃えている。
「ピカ……ッ!」
「耐えたか! さすがじゃ!」
「へへっ、俺たちのピカチュウはタフなんだぜ! ……今だ、『10まんボルト』!」
ピカチュウが反撃の電撃を放つが、ライボルトは特性『ひらいしん』でそれを吸収してしまう。
「無駄じゃよ! 電気技は通じぬ!」
「知ってるさ! それは囮だ! ……行け、ピカチュウ! 『でんこうせっか』からの……『アイアンテール』!!」
ピカチュウは放った電撃の光を目くらましにして、ライボルトの懐に潜り込んでいた。
至近距離からの、渾身のアイアンテール。
「なにっ!?」
ライボルトが吹き飛び、壁に激突する。
「まだだ! そのまま『ボルテッカー』だぁぁ!!」
サトシが叫ぶ。ピカチュウが金色の電気を纏い、自ら弾丸となって突っ込む。
「ライボルト、『オーバーヒート』で迎え撃て!」
テッセンさんも引かない。ライボルトが全身を赤熱させ、炎の爆発を起こす。
黄金の光と紅蓮の炎が激突し、大爆発が起きた。
衝撃波で俺たちも目を覆う。
煙が晴れると……。
フィールドには、力尽きて倒れたライボルトと、膝をつきながらも拳(前足)を突き上げて立っているピカチュウの姿があった。
「……ライボルト、戦闘不能! 勝者、ピカチュウ! よって、サトシ君の勝ちじゃ!!」
テッセンさんが高らかに宣言する。
「やった……! 勝った……勝ったぞぉぉぉ!!」
サトシがフィールドに駆け込み、ピカチュウを抱きしめる。
「ピッカァァ!」
ピカチュウも、今度こそ自分たちの力で掴み取った勝利に、嬉しそうに電気を散らす。
「ワッハッハ! いやぁ、痺れた痺れた! ここまで熱いバトルは久しぶりじゃ!」
テッセンさんが笑いながら近づいてきた。
「サトシ君、見事じゃった。……ほれ、受け取れ」
テッセンさんは、サトシが返そうとしたダイナモバッジを、再び彼の手のひらに押し付けた。
「これは、君の実力で勝ち取った勲章じゃ。今度こそ、胸を張って持っていくがいい!」
「……はい! ありがとうございます!」
サトシはバッジを握りしめ、太陽のような満面の笑みを見せた。
「やったったーーっ!! ダイナモバッジ、今度こそ、本当のゲットだぜ!!」
「ピッピカチュウ!!」
その夜、俺たちはポケモンセンターで改めて祝勝会を開いた。
サトシも吹っ切れたようで、マサトと楽しそうにバトルの反省会をしている。
テッセンさんは去り際に、俺に技マシン『10まんボルト』をくれた。
「君のポリゴンZやラルトスなら、使いこなせるじゃろう。……それに、あのニューキンセツでの借りは、これくらいでは返しきれんからの」
「ありがとうございます。……マグマ団の件、気をつけてください」
「うむ。警察の方でも調査が進んでおる。……奴らの狙いは、ホウエンの地下深くに眠る『大地のエネルギー』らしい」
翌朝。
俺たちはキンセツシティを出発することにした。
サトシたちは、シダケタウンへ向かうという。
俺は、最短ルートでフエンタウンを目指すつもりだ。
「じゃあな、ミナト。……次はもっと強くなって会おうぜ!」
「ああ。ハルカも、コンテスト頑張れよ」
「うん! ミナト君もね!」
二つの道が分かれる。
俺が向かうのは、111番道路。過酷な砂漠地帯が広がる、ホウエンの難所だ。
「(砂漠……。そこには、俺が求めているポケモンがいるはずだ)」
ナックラー。フライゴンへと進化する、砂漠の精霊。地面・ドラゴンタイプという優秀な耐性と、浮遊能力。これからの旅、特にマグマ団との戦いにおいて、彼の力は不可欠になるだろう。
次のジムは、炎のアスナ。熱い戦いは、まだまだ続く。