アニポケ転生者物語   作:投稿者

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【閑話】光の向こう側、砂嵐と声の絆

砂漠への準備、カズおじさんの店

 

キンセツシティを出発する直前、俺はサイクルショップ『カゼノ』に立ち寄り、砂漠地帯の必須アイテムである「ゴーゴーゴーグル」を購入した。これがないと、111番道路の猛烈な砂嵐の中を目を開けて進むことすらできない。

 

「いい買い物をしたね! これさえあれば、どんな嵐もへっちゃらさ!」

店主のカズおじさんが、油まみれの手でサムズアップをする。

「砂漠には珍しい『根っこの化石』や『爪の化石』も埋まってるって噂だよ。もし見つけたら、化石マニアの家まで届けてやってくれよな」

「ああ、任せてくれ。……ついでに、あの『マッハ自転車』もレンタルしたいんですが」

「おお! 君、見る目があるねぇ! あのスピード狂のための暴れ馬を乗りこなせるかい? 宣伝してくれればレンタル料はタダでいいよ!」

「ありがとう。……速さには自信があるんでね」

 

俺は整備されたばかりの青いマッハ自転車を受け取り、その軽さと剛性を確かめた。

これなら、流砂に足を取られる前に駆け抜けることができるだろう。

 


ポケナビの着信、シダケからの風

 

準備を整え、111番道路の砂漠地帯入り口にある休憩所で一息ついていると、懐のポケナビが軽快な電子音を鳴らした。

画面を見ると、『マサト』の文字が表示されている。ビデオ通話の着信だ。

 

「もしもし、マサトか?」

『あ、ミナト君! やっと繋がった!』

画面の向こうには、少し安堵したようなハルカの笑顔があった。背景には、花々が咲き乱れる穏やかな街並みが見える。シダケタウンに到着したようだ。

 

『今、シダケタウンに着いたところなの。ここは空気が綺麗で、とっても素敵なところよ!』

「そっちは平和そうだな。……こっちは今から、地獄の砂嵐に突入するところだ」

俺が苦笑いして背後の茶色い砂煙を見せると、ハルカは「うわぁ……」と顔をしかめた。

『すごいのね……。本当にそこを通るの?』

「ああ。この先に俺が求めているポケモンがいるし、フエンタウンへの近道でもあるからな」

 

『そっか……。ミナト君なら大丈夫だと思うけど、無理しないでね。……あ、そうだ! サトシ君が代わってって』

画面が揺れ、サトシの顔がドアップで映し出された。

『ようミナト! 元気か!? 俺たちは今、タケシの作った特製サンドイッチ食ってるとこだぜ!』

「元気そうで何よりだ。……ピカチュウの調子はどうだ?」

『バッチリだぜ! あれから調子も良くて、技のキレも最高だ!』

「ピカピカァ!」

ピカチュウも画面の端から手を振っている。

 

『ミナト、砂漠には強い地面タイプのポケモンがいるんだろ? 俺の分までバトル楽しんできてくれよな!』

「ああ。……お前たちも、ハルカのコンテストの応援、頼んだぞ」

『おう! 任せとけ! マサトと一緒に喉が枯れるまで応援するぜ!』

 

再びハルカに画面が戻る。

『もう、サトシったら食べるのに夢中で……。……ミナト君、次のコンテスト、私、絶対にリボンをゲットしてみせるから。……ミナト君も、砂漠の冒険、頑張ってね』

ハルカの瞳には、以前のような迷いはなく、強い意志の光が宿っていた。

「ああ。期待してるよ。……次に会う時は、お互いいい報告ができるといいな」

『うん! 約束だよ!』

 

通話が切れると、俺の胸の中には温かいものが残っていた。

離れていても、同じ空の下でそれぞれの目標に向かって進んでいる。その事実が、砂漠へ挑む俺の背中を強く押してくれた。

 


仲間たちの進化予報と新たなる一歩

 

俺は自転車に跨り、ペダルに足をかけた。

「さて、行くか。……ラルトス、キャモメ、ココドラ。みんな準備はいいな?」

ボールの中の仲間たちも、それぞれの鼓動で応える。

 

ラルトスは、キルリアへの進化が近い。サイコパワーの制御が格段に向上している。

キャモメも、そろそろペリッパーになる頃だ。砂漠を越えた先の火山地帯では、彼の水技と『あめふらし』の特性(進化後)が鍵になるだろう。

ココドラは、防御力は既に一級品だが、攻撃面での爆発力がもう少し欲しい。砂漠での実戦経験が彼を強くするはずだ。

 

そして、今回の最大の目的。

ナックラー。フライゴンへと進化する、砂漠の精霊。

地面・ドラゴンタイプという優秀な耐性と、浮遊能力。これからの対マグマ団戦において、彼の力は不可欠になる。

 

「行くぞ!」

 

俺はマッハ自転車のギアを一気に上げ、ペダルを踏み込んだ。

風を切る感覚。タイヤが砂を噛む感触。

「待ってろよ、ナックラー。……そして、マグマ団!」

 

俺はゴーグルを装着し、視界を遮る猛烈な砂嵐の中へと突っ込んでいった。

ホウエンの自然の厳しさと美しさが、俺たちを待ち受けている。

冒険は、ここからが本番だ。

 

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