アニポケ転生者物語 作:投稿者
砂漠地帯をようやく抜け出した俺たちは、煙突山の麓にあるロープウェイ乗り場に到着した。
ここからロープウェイに乗れば、一気に山頂まで行くことができる。
フエンタウンへは山を越えるのが最短ルートだ。
だが、乗り場は異様な雰囲気に包まれていた。
入り口にはバリケードが築かれ、赤い制服を着た男たちが仁王立ちしている。
「本日は運休です!帰ってください!」
観光客を乱暴に追い返しているのだ。
「(マグマ団……!)」
俺は物陰に隠れ、様子を伺った。
「あいつら、ロープウェイを占拠して一般人を遠ざけているのか」
ポリゴンZが情報を収集する。
『解析。……山頂付近で、異常な熱エネルギーの上昇を検知。……マグマ団が何らかの装置を稼働させている可能性があります。エネルギーパターンは、ニューキンセツで検知したものと酷似しています』
「(やっぱりな。……マツブサがいるのかもしれない)」
「行くぞ。強行突破だ」
俺はジグザグマとナックラーを出した。
「ジグザグマ、あそこの警備員の気を引いてくれ。可愛い顔でな。ナックラーは足元から崩せ」
「ジグッ!」「ナック!」
ジグザグマが「迷子になっちゃった」という演技で警備員に近づき、愛嬌を振りまく。
「ん?なんだこのジグザグマは?」
警備員が気を取られた瞬間、ナックラーが『あなをほる』で足元の地面を陥没させた。
「うわっ!?」
警備員たちが転倒する隙に、俺はバリケードを飛び越え、ロープウェイのゴンドラに乗り込んだ。
「ポリゴンZ、システムをハッキングして発車させろ!」
『了解。……強制起動』
ゴンドラがガタンと動き出し、山頂へと向かって上昇を始める。
「待て!止まれ!侵入者だ!」
下で団員たちが叫んでいるが、もう遅い。
だが、安心したのも束の間。
上空から黒い影が迫ってきた。
「逃がすかよ!」
エアスキーに乗ったマグマ団の精鋭部隊が、ゴンドラを取り囲んだ。
彼らが繰り出したのは、ズバットとゴルバットの大群だ。
「空中で襲撃か!……キャモメ、迎撃だ!」
俺はゴンドラの窓を開け、キャモメを放った。
「『つばめがえし』で蹴散らせ!」
キャモメが空を舞い、ズバットたちを次々と叩き落とす。
「生意気な!やれ、グラエナ!」
敵のリーダー格が、並走する別のゴンドラから、俺たちのゴンドラの屋根にグラエナを飛び移らせた。
ドンッ!という衝撃。グラエナの鋭い牙が天井を引き裂こうとする。
「(屋根を破られたら終わりだ!)」
「ナックラー、出番だ!『かみつく』でグラエナの足を止めろ!」
俺はナックラーを屋根の上に放り投げた。
ナックラーは空中の不安定な足場にも動じず、強力な顎でグラエナの足に噛み付いた。
「ギャンッ!?」
「そのまま投げ飛ばせ!」
ナックラーは首の力だけでグラエナを放り投げ、空中の敵部隊にぶつけた。
ドミノ倒しのように敵が崩れていく。
「よし!今のうちに一気に登り切るぞ!」
ゴンドラは敵の包囲網を突破し、噴煙の上がる山頂駅へと滑り込んだ。
扉が開くと、そこには灼熱の空気が充満していた。
マグマ団の本隊が待ち受けているはずだ。
「行くぞ、みんな。……山頂決戦だ!」
俺は相棒たちを戻し、熱気渦巻く火口へと走った。
硫黄の匂いと、焦げ付くような熱気が、決戦の予感を高めていく。